*12:02JST ハマキョウ Research Memo(2):過去最高値を更新中、18期連続の増配を目指す
■業績動向
1. 2023年3月期連結業績
ハマキョウレックス<9037>の2023年3月期連結業績は、営業収益が前期比5.4%増の131,912百万円、営業利益が同3.9%増の11,548百万円、経常利益が同2.9%増の12,306百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.0%増の7,400百万円となった。着実に収益を確保し、この4つの業績値はすべて過去最高を更新した。原油価格の高騰や人手不足といった厳しい経営環境は引き続き続くが、物流センター運営の充実及び新規に受託したセンターが順次業績に寄与し好調を継続した。M&Aによる増収効果も注目だ。
物流センター事業のセグメント利益は前期比7.6%増の10,015百万円となった。同社の物流センター数は、前期末の130センターから2023年3月期末には155センター(自社センターが50、借用センターが105)へ拡充した。一方、貨物自動車運送事業のセグメント利益は同14.9%減の1,529百万円となった。貨物自動車運送事業の減益を物流センター事業の増益でカバーする格好となった。なお、燃料費の収益に及ぼす目安は、リッター当たり1円の変動で、34百万円の利益変動要因になるという。
財務面では、有利子負債が前期末の22,698百万円から21,700百万円と3期連続で減少した。引き続き、子会社の近物レックスの借入れ返済を進めていく。2023年3月期末の自己資本比率は54.1%と前期末の52.7%から改善し、財務体質は良好と言える。
2. 2024年3月期連結業績予想
2024年3月期連結業績予想は、営業収益が前期比5.4%増の139,000百万円、営業利益が同4.8%増の12,100百万円、経常利益が同4.0%増の12,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.0%増の7,700百万円と増収増益を見込む。2023年3月期に続いて営業収益・利益面で過去最高益を更新する見通しである。注目すべきは配当金で、2023年3月期は同10円増配の年間95円としたが、2024年3月期は年間100円と3ケタに乗せるとともに18期連続となる増配を見込む。
物流センター事業については、今後も新規に15センターの獲得を目指す。2024年3月期もスケールメリットを享受することになりそうだ。収益環境もコロナ禍が一巡し、行動制限の解除による経済の上向きが期待でき、環境は好転してきたと言っていいだろう。貨物自動車運送事業は、引き続き原油価格急騰に伴う軽油価格の上昇が収益を圧迫する要因として懸念材料となる。ただ値上げ効果も浸透するほか、産業界全体のコロナ禍の影響が一巡してきたことで、こちらも収益環境が落ち着き、2024年3月期のセグメント利益予想は1,700百万円(前期比11.1%増)と立ち直りが見込めそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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1. 2023年3月期連結業績
ハマキョウレックス<9037>の2023年3月期連結業績は、営業収益が前期比5.4%増の131,912百万円、営業利益が同3.9%増の11,548百万円、経常利益が同2.9%増の12,306百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.0%増の7,400百万円となった。着実に収益を確保し、この4つの業績値はすべて過去最高を更新した。原油価格の高騰や人手不足といった厳しい経営環境は引き続き続くが、物流センター運営の充実及び新規に受託したセンターが順次業績に寄与し好調を継続した。M&Aによる増収効果も注目だ。
物流センター事業のセグメント利益は前期比7.6%増の10,015百万円となった。同社の物流センター数は、前期末の130センターから2023年3月期末には155センター(自社センターが50、借用センターが105)へ拡充した。一方、貨物自動車運送事業のセグメント利益は同14.9%減の1,529百万円となった。貨物自動車運送事業の減益を物流センター事業の増益でカバーする格好となった。なお、燃料費の収益に及ぼす目安は、リッター当たり1円の変動で、34百万円の利益変動要因になるという。
財務面では、有利子負債が前期末の22,698百万円から21,700百万円と3期連続で減少した。引き続き、子会社の近物レックスの借入れ返済を進めていく。2023年3月期末の自己資本比率は54.1%と前期末の52.7%から改善し、財務体質は良好と言える。
2. 2024年3月期連結業績予想
2024年3月期連結業績予想は、営業収益が前期比5.4%増の139,000百万円、営業利益が同4.8%増の12,100百万円、経常利益が同4.0%増の12,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.0%増の7,700百万円と増収増益を見込む。2023年3月期に続いて営業収益・利益面で過去最高益を更新する見通しである。注目すべきは配当金で、2023年3月期は同10円増配の年間95円としたが、2024年3月期は年間100円と3ケタに乗せるとともに18期連続となる増配を見込む。
物流センター事業については、今後も新規に15センターの獲得を目指す。2024年3月期もスケールメリットを享受することになりそうだ。収益環境もコロナ禍が一巡し、行動制限の解除による経済の上向きが期待でき、環境は好転してきたと言っていいだろう。貨物自動車運送事業は、引き続き原油価格急騰に伴う軽油価格の上昇が収益を圧迫する要因として懸念材料となる。ただ値上げ効果も浸透するほか、産業界全体のコロナ禍の影響が一巡してきたことで、こちらも収益環境が落ち着き、2024年3月期のセグメント利益予想は1,700百万円(前期比11.1%増)と立ち直りが見込めそうだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也)
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