【これからの見通し】東京不在のアジア市場は小動き、この後の海外市場で再びドル売りとなるか

著者:MINKABU PRESS
投稿:2023/07/17 15:53
【これからの見通し】東京不在のアジア市場は小動き、この後の海外市場で再びドル売りとなるか

 週明けは海の日の祝日で東京市場が休場となっている。香港株式市場もシグナル8の台風警報のため取引中止となっている。東京勢不在のアジア市場は静かな取引。第2四半期の中国GDPは前期比+0.8%と前回の+2.2%から伸びが鈍化、同前年比は+6.3%と前回の+4.5%から上昇も、市場予想+7.1%には届かなかった。総じて景気減速感の強い結果となっていた。

 為替市場では中国景気動向に敏感に反応して豪ドルが小安い。しかし、その他主要通貨は先週末のドル反発を受けた水準での揉み合い商状となっている。ドル円は138.37-138.88、ユーロドルは1.1215-1.1240など狭いレンジ取引に終始。

 この後の海外市場で発表される経済指標は、ニューヨーク連銀製造業景気指数(7月)、カナダ国際証券取扱高(5月)、カナダ卸売売上高(5月)など。NY連銀指数は前回の6.6から低下する予想となっている。ただ、市場予想は-10.0から+5.0と広い範囲にわたっている。中央値は-3.5と、比較的大幅な低下を見込む予想が多いことが示されている。

 発言イベント関連では、ラガルドECB総裁の講演に続いて、ECB当局者の討論会参加が相次ぐ予定。レーンECBチーフ・エコノミスト、バスレ・スロベニア中銀総裁、エルダーソンECB専務理事、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁など。

 先週末には連日のドル安相場にようやく調整が入っていた。週明けアジア時間は様子見姿勢。一連のECB当局者からのタカ派発言が相次ぐようだと、再び米国と欧州の金融政策のタカ派の差が意識されて、ドル売り圧力となる可能性がある。また、NY連銀指数が予想中央値に近い数字であれば、前回からの落ち込みがドル売りにつながる可能性も。ただ、ドル指数は6営業日連続で急速に低下してきただけに、まだ調整余力が残っているとの見方もありそうだ。指標や発言に対する反応をにらんで、短期的なドル売りポジションの蓄積具合を推し量ることとなろう。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

配信元: みんかぶ(FX/為替)