*12:01JST アイナボHD Research Memo(1):2023年9月期第2四半期は、売上高は堅調も、原価率アップで営業減益
■要約
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社7社、非連結子会社8社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンなど各種水回り機器の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売りを両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、2023年9月期第2四半期末のネットキャッシュ(現金及び預金-借入金)は9,267百万円と豊富で、バランスシートは強固である。
1. 2023年9月期第2四半期の業績概要
2023年9月期第2四半期の連結業績は、売上高44,057百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益1,363百万円(同11.7%減)、経常利益1,514百万円(同10.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益921百万円(同31.2%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益幅が大きいのは、子会社化した(株)マニックスの「負ののれん発生益」を、前期に特別利益として計上したことによる。売上高は、戸建住宅事業・大型物件事業ともに増収となった。ほぼ計画どおりであったが、売上総利益率は14.1%と前年同期比で0.9ポイント低下した。主に利益率の高い大型工事の完工が少なかったこと、原材料等の上昇に対して価格転嫁が追いつかなかったことによる。販管費は新規連結子会社の増加分や人件費増(人員増や物価高手当等)により同8.5%増となった。このため、営業利益は減益となったが、住宅市場全般が厳しい環境のなかで、売上高が伸びている点は評価できるだろう。
2. 2023年9月期の業績予想
2023年9月期の業績は、売上高で83,500百万円(前期比5.5%増)、営業利益で2,080百万円(同9.5%増)、経常利益で2,410百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,650百万円(同0.2%増)と、期初予想を据え置いている。住宅市場の先行きは依然として不透明であるが、遅れていた価格転嫁を進めると同時に、上期に低下した売上総利益率の改善を進めることで、通期では営業増益を見込んでいる。ただ、上期の営業利益の進捗率は65.6%に達している。このため弊社では、現在の予想はかなり控え目であり上方修正の可能性もあり得ると見ている。
3. 第4次中期経営計画
同社は、新たに2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表した。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げている。株主還元については配当性向30%を目途としており、2022年9月期は年間44円を実施した。2023年9月期は年間46円配当を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・2023年9月期第2四半期は営業減益となるも、通期では増益を予想。上方修正の可能性も
・第4次中期経営計画を発表。2025年9月期に売上高970億円、営業利益率2.6%、ROE8.0%とする目標を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<AS>
アイナボホールディングス<7539>は、傘下に連結子会社7社、非連結子会社8社を抱える純粋持株会社である。主要事業は、タイルやサイディング等の外壁工事、システムキッチンなど各種水回り機器の住設工事及び建材販売、住設機器販売であり、施工と建材・住設機器の卸売りを両方行うユニークな企業である。これらの業務を主に中小ゼネコンや工務店向けに行っているが、大手ゼネコンからの工事受注もある。徹底した資金回収管理、工事進捗管理を実行しており、その結果、2023年9月期第2四半期末のネットキャッシュ(現金及び預金-借入金)は9,267百万円と豊富で、バランスシートは強固である。
1. 2023年9月期第2四半期の業績概要
2023年9月期第2四半期の連結業績は、売上高44,057百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益1,363百万円(同11.7%減)、経常利益1,514百万円(同10.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益921百万円(同31.2%減)となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の減益幅が大きいのは、子会社化した(株)マニックスの「負ののれん発生益」を、前期に特別利益として計上したことによる。売上高は、戸建住宅事業・大型物件事業ともに増収となった。ほぼ計画どおりであったが、売上総利益率は14.1%と前年同期比で0.9ポイント低下した。主に利益率の高い大型工事の完工が少なかったこと、原材料等の上昇に対して価格転嫁が追いつかなかったことによる。販管費は新規連結子会社の増加分や人件費増(人員増や物価高手当等)により同8.5%増となった。このため、営業利益は減益となったが、住宅市場全般が厳しい環境のなかで、売上高が伸びている点は評価できるだろう。
2. 2023年9月期の業績予想
2023年9月期の業績は、売上高で83,500百万円(前期比5.5%増)、営業利益で2,080百万円(同9.5%増)、経常利益で2,410百万円(同11.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,650百万円(同0.2%増)と、期初予想を据え置いている。住宅市場の先行きは依然として不透明であるが、遅れていた価格転嫁を進めると同時に、上期に低下した売上総利益率の改善を進めることで、通期では営業増益を見込んでいる。ただ、上期の営業利益の進捗率は65.6%に達している。このため弊社では、現在の予想はかなり控え目であり上方修正の可能性もあり得ると見ている。
3. 第4次中期経営計画
同社は、新たに2025年9月期を最終年度とする第4次中期経営計画を発表した。重要施策として「ビジネスモデルの変革」「利益構造の再構築」「DXの推進」「人材確保と育成」「資本政策」を掲げている。定量的目標は、2025年9月期に売上高97,000百万円、営業利益率2.6%(営業利益2,500百万円の確保)、ROE8.0%を掲げている。株主還元については配当性向30%を目途としており、2022年9月期は年間44円を実施した。2023年9月期は年間46円配当を予定しているが、業績次第では増配の可能性もありそうだ。
■Key Points
・主力事業は外壁工事、住設工事及び建材販売。管理体制の徹底で財務基盤は強固
・2023年9月期第2四半期は営業減益となるも、通期では増益を予想。上方修正の可能性も
・第4次中期経営計画を発表。2025年9月期に売上高970億円、営業利益率2.6%、ROE8.0%とする目標を掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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