“一旦買い戻し”先行、ただし“上値の重さ”も意識される…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/07/10 11:16

◆ 意に反して、動いたのは“下方向” - 米雇用統計


完全に見誤った…。

「株安の連鎖」を背景に“ドル売り戻し(円買い戻し)”が進行する中、注目の米雇用統計は“まちまち(平均時給は強め(+4.4%)/非農業部門雇用者数は弱め(+20.9万人)/失業率は予想通り(3.6%))”となりました。
ただ「7月利上げ再開」は改めて意識されたものの、「9月以降は未定」との思惑がより上回りました。
こうして“ドル売り戻し(円買い戻し)”はさらに加速し、“142.070円”へと急落して、ドル円は先週末の取引を終えています。


◆ ただ一巡した可能性は否めない…?


こうして“今年2番目の下落幅(1番は1/12)”を記録したこともあり、「ドル買い基調は一旦終焉」との見方が見え隠れしつつあるのは事実です。
ただ「積み上がった円売り」を調整する動きも一巡した可能性が高く、そうなると「日米金利格差」は引き続き拡大傾向ということで“下値の堅さ”が意識されるという展開は十分に期待されるところです。

◆ 特に今週は“一方向への動意”は抑制されやすい…!?


何より今週の注目は、週央以降の「米インフレ指標(米CPI/PPI/ミシガン大学消費者態度指数)」と、そしてブラックアウト期間前の「米要人発言」と見られます。
つまり『それらを見極めたい』との思惑は台頭しやすく、“一方向への動意”は抑制されやすいと見るのが自然でもあります。

見誤ったばかりでもあり、“一旦様子見”とはしますが、“下値の堅さ”を意識した“買い戻し”が先行する展開を想定したいところです。
その上で“過度な上値模索”にはつながらないと考え、いわゆる“高止まり”の展開を想定したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

144.730(7/5高値)
144.646(7/6高値)
144.474(+1σ)
144.361(6/30~7/7の76.4%戻し)
144.195(7/7高値)
144.000(大台)
143.923(6/30~7/7の61.8%戻し)
143.662(7/6~7/7の61.8%戻し)
143.570(6/30~7/7の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
143.358(7/6~7/7の61.8%戻し)
上値5:143.216(6/30~7/7の38.2%戻し)
上値4:143.054(7/6~7/7の61.8%戻し、大台)
上値3:142.918(20日移動平均線、7/7米雇用統計時高値以降の61.8%戻し)
上値2:142.778(6/30~7/7の23.6%戻し、7/7米雇用統計時高値以降の50%戻し)
上値1:142.583(7/7米雇用統計時高値以降の38.2%戻し)
前営業日終値:142.090(6/9~6/30の50%押し)
下値1:142.000(大台)
下値2:141.915(日足・一目均衡表基準線)
下値3:141.609(6/22安値)
下値4:141.359(6/9~6/30の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値5:141.216(6/20-21安値)
141.046(-1σ、大台)
140.645(5/4~6/30の38.2%押し、ピボット2ndサポート)
140.342(週足・一目均衡表転換線)
140.000(大台)
139.854(6/16安値、50日移動平均線)
139.285(6/14安値、5/4~6/30の50%押し、-2σ、ピボットローブレイクアウト)

《10:50》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想