*12:24JST サンワテクノス Research Memo(4):2024年3月期は減収減益に転じるも、豊富な受注残が下支え
■業績動向
3. 2024年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比2.9%減の175,800百万円、営業利益で同27.8%減の5,510百万円、経常利益で同25.9%減の5,690百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.1%減の3,950百万円と減収減益を見込んでいる。
受注高については、前期まで続いた前倒し発注の動きが一巡したことや、半導体メーカーの設備投資削減の動きが出ていること、パソコンやスマートフォンの生産調整が長引いていることなどから、先行きに関して楽観視できないものの、国内における2023年4月の受注は想定よりも堅調だったようで、一部新聞報道で言われているほど顧客の投資マインドは冷え込んでいないようだ。ただ、中国は太陽光関連業界を除いてブレーキがかかっている状況に変わりない。EV関連については2024年3月期も国内外で活発な投資が継続するほか、脱炭素化の取り組みとして環境対策投資も堅調な推移が見込まれる。また、前期末の受注残高が800億円を超える高水準となっており、キャンセルもほとんど出ていないことから、売上高は小幅な減収に留まる見通しだ。
売上高の減少に対して、営業利益の落ち込みが大きくなる要因としては、前期の増益要因となった前倒し発注の効果(5~10億円)や円安効果8億円が剥落することが大きい。また、前期にコロナ禍による7億円の利益寄与があったグローバルSCM事業についても、2024年3月期は先行きが不透明なことから利益を見込んでいないため、全体としては保守的な印象が強い。なお、2024年3月期の為替前提レートは129円/ドル※で設定しており、現在の為替水準が135円/ドル前後で推移していることからすれば、若干の増額余地が見込まれる。
※通期の為替前提レートは129円/ドル(前期実績131.4円/ドル)で、1円/ドルの円高で年間約50百万円の減益要因となる。
受注の動向に関しては不透明感が強いものの、ウクライナ情勢や米中経済摩擦、エネルギー価格の高騰など外部環境がさらに悪化するようなことがなければ、2023年秋以降は上向きに転じるものと弊社では見ている。前述したようにEV関連や太陽光関連業界などの投資拡大が続くほか、生産調整が続いていたスマートフォンやパソコンなども秋以降は需要も上向き、半導体を含めて関連業界の設備投資マインドも改善するものと予想される。また、同社固有の取り組みである国内外でのスマート営業所の拡大、地域横断型の専門営業組織「顧客セグメントチーム」による新規顧客開拓の効果等も期待できる。また、インドに現地法人を開設する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YI>
3. 2024年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2024年3月期の連結業績は売上高で前期比2.9%減の175,800百万円、営業利益で同27.8%減の5,510百万円、経常利益で同25.9%減の5,690百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同28.1%減の3,950百万円と減収減益を見込んでいる。
受注高については、前期まで続いた前倒し発注の動きが一巡したことや、半導体メーカーの設備投資削減の動きが出ていること、パソコンやスマートフォンの生産調整が長引いていることなどから、先行きに関して楽観視できないものの、国内における2023年4月の受注は想定よりも堅調だったようで、一部新聞報道で言われているほど顧客の投資マインドは冷え込んでいないようだ。ただ、中国は太陽光関連業界を除いてブレーキがかかっている状況に変わりない。EV関連については2024年3月期も国内外で活発な投資が継続するほか、脱炭素化の取り組みとして環境対策投資も堅調な推移が見込まれる。また、前期末の受注残高が800億円を超える高水準となっており、キャンセルもほとんど出ていないことから、売上高は小幅な減収に留まる見通しだ。
売上高の減少に対して、営業利益の落ち込みが大きくなる要因としては、前期の増益要因となった前倒し発注の効果(5~10億円)や円安効果8億円が剥落することが大きい。また、前期にコロナ禍による7億円の利益寄与があったグローバルSCM事業についても、2024年3月期は先行きが不透明なことから利益を見込んでいないため、全体としては保守的な印象が強い。なお、2024年3月期の為替前提レートは129円/ドル※で設定しており、現在の為替水準が135円/ドル前後で推移していることからすれば、若干の増額余地が見込まれる。
※通期の為替前提レートは129円/ドル(前期実績131.4円/ドル)で、1円/ドルの円高で年間約50百万円の減益要因となる。
受注の動向に関しては不透明感が強いものの、ウクライナ情勢や米中経済摩擦、エネルギー価格の高騰など外部環境がさらに悪化するようなことがなければ、2023年秋以降は上向きに転じるものと弊社では見ている。前述したようにEV関連や太陽光関連業界などの投資拡大が続くほか、生産調整が続いていたスマートフォンやパソコンなども秋以降は需要も上向き、半導体を含めて関連業界の設備投資マインドも改善するものと予想される。また、同社固有の取り組みである国内外でのスマート営業所の拡大、地域横断型の専門営業組織「顧客セグメントチーム」による新規顧客開拓の効果等も期待できる。また、インドに現地法人を開設する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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