*14:36JST アドバンクリエ Research Memo(6):メディア事業が大幅伸長、保険代理店事業も堅調に推移
■アドバンスクリエイト<8798>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) 保険代理店事業
保険代理店事業の売上高は前年同期比7.2%増の5,058百万円、営業利益は同58.3%減の323百万円となった。売上高は、外部売上高が同6.9%減の3,647百万円と減少したものの、広告収入の増加により内部売上高が同75.6%増の1,410百万円と大きく伸長したことで増収となった。外部売上高の減少は円安を背景とした外貨建て保険の解約及び失効による売上の戻入が主因で、同影響を除けば増収であった。営業利益は、売上戻入の影響に加えてコールセンター部門のコスト増加が減益要因となった。なお、保険種類別の売上高は、生命保険が同1.8%増の4,632百万円、損害保険が同151.1%増の425百万円となり、金額は小さいものの損害保険が急増した。
申込ANP(新契約年換算保険料)※は、前年同期比15.1%増の4,753百万円と好調に推移した一方、売上高となるPV収入は円安を背景とした解約等の影響で同6.5%減の3,630百万円となった。申込ANPを販売チャネル別で見ると、対面販売(直営店、オンライン保険相談含む)が同6.5%減の1,866百万円と減少したが、提携代理店による協業販売が同25.1%増の976百万円、非対面販売(通信販売及びネット完結型販売)が同41.3%増の1,910百万円と好調に推移した。非対面販売については2021年秋以降取り組みを強化してきた損害保険商品の販売が自動車保険(バイク含む)を中心に好調に推移したことが増加要因となった。また、損害保険の契約者に対して生命保険商品の情報提供やアプローチを行い、約6%の顧客から生命保険のアポイント獲得に成功した。これを推進することで、生命保険の見込み顧客獲得費用を抑制することが可能となり、収益性向上に貢献する施策として注目される。
※ANP(Annualized New business Premium)とは新規契約分の年換算保険料のこと。例えば、月額保険料が5,000円の場合、ANPは6万円となる。
(2) ASP事業
ASP事業の売上高は前年同期比29.2%増の125百万円、営業利益は同131.1%増の49百万円と増収増益となった。新規顧客の開拓が着実に進んだことが増収増益要因となった。第2四半期末のサービス別契約ID数は、「御用聞き」が前年同期比17.8%増の4,465件、「丁稚(DECHI)」が同6.5%増の6,190件、「Dynamic OMO」が同316.2%増の1,881件と順調に増加し、ストック収入が積み上がった。特に「Dynamic OMO」は、保険会社やクレジットカード会社など複数の大企業に新規導入が決まり、「アバター」と「Dynamic OMO」を組み合わせた次世代接客システムも複数の保険会社に導入されたことが売上高の押し上げ要因となった。「アバター」システムについては開発元のスタートアップ企業、AVITA(株)と販売代理店契約を締結し、同社が販売している。2022年7月に同社がAVITAと提携し自社のオンライン接客システムとして導入したところ、問い合わせから保険相談アポイントへつながるケースが急増するなど「アバター」の導入効果も確認されており※、現在も複数の企業から引き合いがきている。
※生身の人間よりもアバターと対話するほうが心理的障壁も低くなり、コミュニケーションが円滑に進みやすくなる傾向にある。今後は学生がより自分を発揮しやすい新たな採用イベントでの活用も視野に入れている。
保険証券管理アプリ「folder」は、ダウンロード件数が前年同期比32.8%増の164.9千件となり、保険証券登録数も同33.4%増の102.6千件と順調に増加した。顧客には無償で提供しているため直接的な収益には貢献しないが、顧客の保険証券をデータ化することで「folder」を通じた最適な保険商品の提案を行うことが可能になりアポイント数の獲得に貢献している。また、「Dynamic OMO」と連携してオンライン保険相談を行うことも可能となるなど、販売機会の拡大につなげる新たな営業ツールとしての活用が進んでいる。同社では将来的に1,000万件のダウンロード数を目標としている。
(3) メディア事業
メディア事業の売上高は前年同期比70.7%増の1,836百万円、営業利益は同60.5%増の409百万円となり、半期ベースで過去最高業績を大幅に更新した。保険選びサイト「保険市場」への保険会社からの広告出稿が需要期である第2四半期に大きく増加した。保険会社の広告予算配分がWeb広告にシフトするなか、国内トップクラスの媒体価値がある「保険市場」への出稿意欲が旺盛で、同社が営業活動を強化したこともあって大幅増収につながった。
(4) メディアレップ事業
メディアレップ事業の売上高は前年同期比3.3%増の662百万円、営業利益は同10.3%減の111百万円となった。売上高は内部取引高が同17.3%増の363百万円となった一方で、外部売上高が同9.7%減の298百万円と減少した。「保険市場」サイトの運営を通じて蓄積したWebマーケティングのノウハウをべースに、保険専業の広告代理店として様々なサービスの提供に努めた一方、前期に引き続き新たな広告手法を積極的に開発投資したことが減益要因となった。
(5) 再保険事業
再保険事業の売上高は前年同期比7.9%増の545百万円、営業損失は133百万円(前年同期は45百万円の利益)となった。売上高は再保険契約額の積み上げによって増収基調が続いたものの、前期に引き続き新型コロナウイルス感染患者の増加により医療保険による「みなし入院給付金」が増加したことで、保険会社に対する再保険金の支払い額が増加し減益となった。「みなし入院」に対する給付については、新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが2023年5月に2類相当から5類へ移行したことにより保険会社各社で終了したため、第3四半期以降は収益回復が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) 保険代理店事業
保険代理店事業の売上高は前年同期比7.2%増の5,058百万円、営業利益は同58.3%減の323百万円となった。売上高は、外部売上高が同6.9%減の3,647百万円と減少したものの、広告収入の増加により内部売上高が同75.6%増の1,410百万円と大きく伸長したことで増収となった。外部売上高の減少は円安を背景とした外貨建て保険の解約及び失効による売上の戻入が主因で、同影響を除けば増収であった。営業利益は、売上戻入の影響に加えてコールセンター部門のコスト増加が減益要因となった。なお、保険種類別の売上高は、生命保険が同1.8%増の4,632百万円、損害保険が同151.1%増の425百万円となり、金額は小さいものの損害保険が急増した。
申込ANP(新契約年換算保険料)※は、前年同期比15.1%増の4,753百万円と好調に推移した一方、売上高となるPV収入は円安を背景とした解約等の影響で同6.5%減の3,630百万円となった。申込ANPを販売チャネル別で見ると、対面販売(直営店、オンライン保険相談含む)が同6.5%減の1,866百万円と減少したが、提携代理店による協業販売が同25.1%増の976百万円、非対面販売(通信販売及びネット完結型販売)が同41.3%増の1,910百万円と好調に推移した。非対面販売については2021年秋以降取り組みを強化してきた損害保険商品の販売が自動車保険(バイク含む)を中心に好調に推移したことが増加要因となった。また、損害保険の契約者に対して生命保険商品の情報提供やアプローチを行い、約6%の顧客から生命保険のアポイント獲得に成功した。これを推進することで、生命保険の見込み顧客獲得費用を抑制することが可能となり、収益性向上に貢献する施策として注目される。
※ANP(Annualized New business Premium)とは新規契約分の年換算保険料のこと。例えば、月額保険料が5,000円の場合、ANPは6万円となる。
(2) ASP事業
ASP事業の売上高は前年同期比29.2%増の125百万円、営業利益は同131.1%増の49百万円と増収増益となった。新規顧客の開拓が着実に進んだことが増収増益要因となった。第2四半期末のサービス別契約ID数は、「御用聞き」が前年同期比17.8%増の4,465件、「丁稚(DECHI)」が同6.5%増の6,190件、「Dynamic OMO」が同316.2%増の1,881件と順調に増加し、ストック収入が積み上がった。特に「Dynamic OMO」は、保険会社やクレジットカード会社など複数の大企業に新規導入が決まり、「アバター」と「Dynamic OMO」を組み合わせた次世代接客システムも複数の保険会社に導入されたことが売上高の押し上げ要因となった。「アバター」システムについては開発元のスタートアップ企業、AVITA(株)と販売代理店契約を締結し、同社が販売している。2022年7月に同社がAVITAと提携し自社のオンライン接客システムとして導入したところ、問い合わせから保険相談アポイントへつながるケースが急増するなど「アバター」の導入効果も確認されており※、現在も複数の企業から引き合いがきている。
※生身の人間よりもアバターと対話するほうが心理的障壁も低くなり、コミュニケーションが円滑に進みやすくなる傾向にある。今後は学生がより自分を発揮しやすい新たな採用イベントでの活用も視野に入れている。
保険証券管理アプリ「folder」は、ダウンロード件数が前年同期比32.8%増の164.9千件となり、保険証券登録数も同33.4%増の102.6千件と順調に増加した。顧客には無償で提供しているため直接的な収益には貢献しないが、顧客の保険証券をデータ化することで「folder」を通じた最適な保険商品の提案を行うことが可能になりアポイント数の獲得に貢献している。また、「Dynamic OMO」と連携してオンライン保険相談を行うことも可能となるなど、販売機会の拡大につなげる新たな営業ツールとしての活用が進んでいる。同社では将来的に1,000万件のダウンロード数を目標としている。
(3) メディア事業
メディア事業の売上高は前年同期比70.7%増の1,836百万円、営業利益は同60.5%増の409百万円となり、半期ベースで過去最高業績を大幅に更新した。保険選びサイト「保険市場」への保険会社からの広告出稿が需要期である第2四半期に大きく増加した。保険会社の広告予算配分がWeb広告にシフトするなか、国内トップクラスの媒体価値がある「保険市場」への出稿意欲が旺盛で、同社が営業活動を強化したこともあって大幅増収につながった。
(4) メディアレップ事業
メディアレップ事業の売上高は前年同期比3.3%増の662百万円、営業利益は同10.3%減の111百万円となった。売上高は内部取引高が同17.3%増の363百万円となった一方で、外部売上高が同9.7%減の298百万円と減少した。「保険市場」サイトの運営を通じて蓄積したWebマーケティングのノウハウをべースに、保険専業の広告代理店として様々なサービスの提供に努めた一方、前期に引き続き新たな広告手法を積極的に開発投資したことが減益要因となった。
(5) 再保険事業
再保険事業の売上高は前年同期比7.9%増の545百万円、営業損失は133百万円(前年同期は45百万円の利益)となった。売上高は再保険契約額の積み上げによって増収基調が続いたものの、前期に引き続き新型コロナウイルス感染患者の増加により医療保険による「みなし入院給付金」が増加したことで、保険会社に対する再保険金の支払い額が増加し減益となった。「みなし入院」に対する給付については、新型コロナウイルス感染症法上の位置付けが2023年5月に2類相当から5類へ移行したことにより保険会社各社で終了したため、第3四半期以降は収益回復が見込まれる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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