そして再び「米金融政策の行方」へ…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/06/01 11:03

◆ 「中国景況不安」を背景に”… - 一時“139円割れ”


「米債務上限法案・下院採決」を控えて“様子見ムード”が漂う中、昨日は「中国の景況不安」を背景にした“リスク回避→円買い”が台頭しました。
このため「好内容のJOLT求人件数(1010.3万件)」で“ドル買い”が進行する場面こそ見られたものの、概ねドル円は“軟調推移”を強いられました。
こうして“約1.7円(140.922円→139.231円)”の下落を見せ、そして本日に入ってから“139円割れ(138.964円)”へとさらに下値を拡大しました。

◆ 無事に“可決”… - 米債務上限法案


もっともその「米債務上限法案・下院採決」に関しては、先ほど“無事に可決”されました。
このため本稿執筆時にはやや“買い戻し”が先行しており、“139円半ば”へと値を戻しています。

こうして「ビッグイベント」を無難に通過したことで、マーケットの目は「米金融政策の行方」へと再び移行する展開が想定されるところです。
昨日の「JOLT求人件数」を受けて、短期金融市場で見た「米6月利上げ」の確率は“急低下(75%→25%)”しています。
そんな中、本日は「ADP雇用統計/ISM製造業景況指数/新規失業保険申請件数」、そして明日には注目の「米雇用統計」が待ち構えるスケジュール感…。
果たしてどこまで巻き戻されるのか?それともこのまま低下するのか?

◆ ただ「結果を見たい」は変わらない…?


「結果を確認したい」との思惑が台頭しやすい以上、“一方向への動意”は手控えられると見たいところです。
ただし昨日の反動もあって、本日に関しては“やや巻き戻し先行”、少なくとも“下値の堅さ”が目立つと見ますが…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

141.977(週足・一目均衡表先行スパン上限、大台)
141.884(+2σ)
141.783(ピボット2ndレジスタンス)
141.607(22/11/23高値)
141.189(ピボットハイブレイクアウト)
141.000(大台)
140.922(5/30高値)
140.377(5/31高値)
上値5:140.276(5/30~5/31の61.8%戻し)
上値4:140.077(5/30~5/31の50%戻し、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値3:139.877(5/30~5/31の38.2%戻し)
上値2:139.679(+1σ)
上値1:139.589(月足・一目均衡表転換線)
前営業日終値:139.303
下値1:139.231(5/31安値、5/19~5/30の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値2:139.000(大台)
下値3:138.897(ピボット1stサポート)
下値4:138.763(5/19~5/30の61.8%押し、5/25安値)
下値5:138.491(ピボット2ndサポート)
138.231(5/24安値、5/11~5/30の38.2%押し)
138.000(大台)
137.751(ピボットローブレイクアウト)
137.632(20日移動平均線)
137.429(5/19-22安値)
137.284(5/18安値、200日移動平均線、5/11~5/30の50%押し)

《10:40》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想