SI Research Memo(4):「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」(3)

配信元:フィスコ
投稿:2023/05/31 13:44
*13:44JST SI Research Memo(4):「時間を奪うのではなく、時間を与えるソフトウェアを創り続ける」(3) ■システムインテグレータ<3826>の事業概要

5. その他
その他事業には、2018年1月に提供を開始したプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」のほか、2021年秋にリリースしたカスタマーサクセス支援サービス「VOICE TICKETS」、アイデア創出プラットフォーム「IDEA GARDEN」の3つの新規サービスがある。このうち「VOICE TICKETS」については収益化が困難と判断し、事業撤退することを決定している。

(1) TOPSIC
「TOPSIC」は、プログラミングの共通スキルであるアルゴリズム力を問う問題を難易度別(6段階)に組み合わせてオンラインで出題・採点し、受験者のスキルレベルをチェックするサービス「TOPSIC-PG」からスタートし、2021年2月から業務系でよく使われるデータベース関連の言語であるSQLのスキルチェックを行うサービス「TOPSIC-SQL」を開始した。企業における技術者採用時のスクリーニングや社員向け教育研修ツールや、外注先企業を選定する際のスキルチェック用としてだけでなく、多言語に対応しているため外国人エンジニアの採用やオフショア企業選定の際にも活用できるメリットがある。

料金プランは両サービスとも同様で、従量制(回数課金)と定額制(人数課金)に分かれている。従量制の場合はスタンダードプラン(一般企業向け)で年間基本料3.8万円と受験1回当たり1.9万円、定額制の場合はスタンダードプランで年間基本料30万円と利用人数に応じた年間利用料が付加される(学校向けはスタンダードプランの1割で提供)。2023年2月末の導入社数は103社と着実に伸びている。利益率は作問を外部委託している「TOPSIC-PG」よりも社内で作成している「TOPSIC-SQL」のほうが高い。

プログラミングスキル判定サービスの競合としては、(株)ギブリーの「Track Test(トラック・テスト)」があり、大手からベンチャー企業まで導入社数は200社以上で受験者数、問題数ともに業界トップとみられる。また、スキルチェックと連携した就職・転職サービス事業やe-ラーニング事業を展開しているpaiza(株)が運営する「paiza」は2022年3月末時点で約50万人が登録しており、ビジネスモデルは異なるものの競合の1つと言える。

なお、同社は「TOPSIC」の認知度向上も兼ねて、2018年から「TOPSIC」を用いた企業・学校対抗プログラミングコンテスト「PG Battle」を年1回のペースで開催しているほか、2022年7月からSQLのコーディング力を競うイベント「TOPSIC SQL CONTEST」も開始した。「PG Battle」は2022年10月に開催された第5回大会で企業・学校合わせて378チーム、1,134名が参加するまでになっている。また、「TOPSIC SQL CONTEST」も第5回大会まで開催し、会員登録数が2023年2月末時点で1,314人の規模まで成長している。

(2) IDEA GARDEN
2021年11月にサービスを開始した「IDEA GARDEN」は、社員一人ひとりが新事業や新商品のアイデアを出し、そのアイデアを社内で共有、蓄積・管理し、企画の形に仕上げていく仕組みを提供する。「社員のアイデアを企業経営に活かす」という目的を実現するためのツールであり、業種を問わず利用できる。年間の利用料金は、登録可能アイデア数やGarden数(アイデア管理ボード数)によって、60万円、120万円、360万円のプランがあり、1ヶ月の無料体験プランも用意している。また、2023年3月には対話型AIツールとして注目度が高まっている「ChatGPT」を活用した新機能「AIブレスト機能(β)」を実装し、チャット形式でAIとブレインストーミングを行いながら、誰でも簡単に短時間でアイデアをブラッシュアップすることが可能になった。「IDEA GARDEN」に対する関心度は高くセミナー参加や無料トライアルまでは進むものの、有料化に移行するケースはまだ少なく今後の課題となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ

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