Appier Research Memo(4):包括的なAIソリューションをワンストップで提供(2)

配信元:フィスコ
投稿:2023/04/20 14:44
*14:44JST Appier Research Memo(4):包括的なAIソリューションをワンストップで提供(2) ■Appier Group<4180>の会社概要

(4) BotBonnie
「BotBonnie」も「ユーザーの維持及び関係構築」のためのソリューションで、Instagram、Facebook Messenger、LINE、WeChat、WhatsAppといったソーシャルメディアプラットフォーム上に構築された会話型マーケティング・プラットフォームである。一般的に、企業がメッセンジャープラットフォームを通じてパーソナライズされた顧客サービスを生成し、顧客との望ましい関係を構築するためには、多大な労力が必要である。これに対し「BotBonnie」は、ビジュアルビルダーを使用してパーソナライズされたメッセージを簡単に作成できる。また、AIが会話データから得られた情報からより適切なメッセージを提案する。マーケティング担当者がノーコードで迅速なメッセージを配信できるソリューションで、ゲームを応用したマーケティングモジュールを構築し、魅力的な顧客体験により売上拡大・顧客のロイヤルティ向上などに貢献する。

(5) AiDeal
「AiDeal」は、既存ユーザーとのエンゲージメントが維持・強化された次の課題となる「取引の実行」のためのソリューションである。機械学習とディープラーニングを活用し、ユーザーの行動パターンから購入を躊躇するユーザーを予測し、ユーザーにとって最も効果的なインセンティブを付与することで、収益性を維持しつつ売上の最大化を実現する。具体的には、ユーザーのモバイル画面へのタッチやスワイプ方法、カーソルの位置、スクロールの量など、サイト全体でのユーザーのリアルタイムでの行動に関するデータに基づいて、ユーザーが購入決定に至るトリガーをAIが見つけ出し、購入をためらっているユーザーを検出する。そのうえで、当該ユーザーに対しカスタマイズされた効果的なオファー(期間限定のディスカウントなど)を提案し、購入まで導くことで、購買の頻度や確度の向上、収益性向上を実現する。また、データに基づいて適切なオファーをすることで、ディスカウントやクーポンなどのコストを抑えながら売上拡大に寄与する。

(6) AIXON
「AIXON」は「ユーザーの行動予測分析」のためのデータサイエンスプラットフォームである。自動構築される機械学習モデルを活用し、ユーザーの行動を全方位的に予測する。社内にデータサイエンティストを抱えることなく、AIテクノロジーシステムを構築する手間をかけずに、自社が保有する顧客データの有効活用を実現した。「AIXON」の強みは、データの統合と自動処理による導入の容易さ、自動でのAI予測モデル構築、AIが導き出した論拠の説明・表示、がある。また、「AIXON」と「AIXPERT」、「AIXON」と「AIQUA」など複数のソリューションを同時に活用することで、新規顧客獲得だけでなく潜在的な解約リスク予測による将来の損失回避、潜在的な購買行動予測による売上増加等、さらに大きなシナジーが期待できる※ことから、併売されることが多い。

※一例を挙げると、「AIXON」が予測するユーザーの潜在的な解約リスクや購買行動などに対して、「AIQUA」を利用してエンゲージメントを実施することで、将来の損失を回避し、売上拡大が見込める。


(7) AIRIS
「AIRIS」は「AIXON」が持つユーザー中心の高度なAI予測技術と、2022年10月に買収したWoopra, Inc.が持つ優れたデータ分析・データ可視化技術を融合したCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)である。膨大なデータを瞬時に可視化し、データから得られるインサイト獲得までの時間を大幅に短縮することにより、ブランド企業やマーケターの意思決定と実行をリアルタイムで支援する。シームレスなデータ統合による360度の顧客プロファイルの構築が実現するほか、マーケティングイベント効果をリアルタイムで予測可能となる。

3. 強み
(1) 機械学習を用いたAI技術の継続的なイノベーション
革新的な機械学習を活用した同社のAI技術は同社のソリューションの基盤となっており、技術面での優位性が高い。具体的には、深層表現学習技術※1、自動化された機械学習、オンラインリアルタイム学習、転移学習※2の導入が挙げられる。

※1 データから特長検出や分類に必要な表現を自動的に発見し、テキストだけでなく画像や動画のソースからも深い意味を抽出できる技術。
※2 ある領域で学習したAIモデルを別の領域に活用し、効率的にAIモデルを学習させる技術。


a) 深層表現学習技術
同社が提供するAIテクノロジーのプラットフォームは深層表現学習技術を活用しており、これによって新たな言語への展開が容易になっている。

b) 自動化された機械学習
同社が提供するAIテクノロジーのプラットフォームは、分析するデータ量に対して自動的にシステムとAIアルゴリズムが拡張され、データサイエンティストの手を介することなく、AIモデルが自動的に構築される。これにより、AI人材が不足している企業でも同社のソリューションの導入が可能となる。

c) オンラインリアルタイム学習
同社が提供するAIテクノロジーのプラットフォームは、従来の機械学習技術とは異なり、オンラインから取得した膨大なデータをリアルタイムで分析できる。これにより、顧客はユーザーの嗜好の変化にも速やかに適応でき、データの適切性や予測結果の正当性に関して問題があった場合には迅速に処理できる。

d) 転移学習の導入
同社は新規顧客や新たな業種・新しい予測に対応する際、プラットフォームに転移学習を導入することでAIモデルの学習時間短縮に効果的な「コンセプト」の伝達を実現している。

このほか、AI予測モデルを構築する際のアルゴリズムの多さ、アンサンブル学習も強みとなっている。AIが、顧客のデータに基づいて膨大な数のアルゴリズムのライブラリーから最適なものを抽出し、かつ、それらを自動的に最適に組み合わせることで、顧客ごとに最適なAI予測モデルを構築できる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

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配信元: フィスコ

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