“上値の重さ”が意識されやすいが、実際は“下値の堅さ”が…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/04/13 10:52

◆ 今度は逆の「往って来い」 - 一時“134円回復”も押し戻される…


注目の米CPIは予想を上回る伸び鈍化を見せたことで、「米利上げ長期化」への思惑はさらに後退しました。
このため米10年債利回りは低下傾向を示し、素直に“ドル売り”が進行しました。
こうして東京タイム中盤には“134.029円”へと上値を伸ばしたドル円でしたが、NYタイム序盤には“132.734円”へと押し戻されていきました。

もっともエネルギー・食品を除くコアは“高止まり(前年比は6ヶ月ぶりに前月超)”を示しており、「米5月0.25%利上げ」との思惑が後退することはありませんでした。
このため“下値の堅さ”も次第に目立ち始めるなど、“ドル売り一辺倒”には至らず、そのまま昨日の取引を終えています。

◆ “方向感定まらず”はまだ続く…?


こうして昨日の米CPIは“上値を押さえる”ことには機能したものの、“頭打ち”には力不足というのが実状といえます。
このため“方向感定まらず”は継続する可能性が高く、本日以降も“揺れ動き((133円台中心)”と見るのが妥当ということになります。

もっとも本日は米PPIが予定されるものの、昨日に比べると“一段落ちる(感応度は低い)”という印象は否めないだけに、どこまで動意づくかは微妙といわざるを得ないのが実状でもあります。
昨日の今日ですのでやや“上値の重さ”が意識されるとは見ますが、ここから先は“下値の堅さ”がより意識される展開を想定したいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しています。

135.102(3/15高値、ピボットハイブレイクアウト)
135.000(大台)
134.749(3/8~3/24の61.8%戻し、日足・一目均衡表先行スパン上限)
134.597(ピボット2ndレジスタンス)
134.107(+2σ)
134.029(4/12高値、大台)
上値5:133.870(ピボット1stレジスタンス)
上値4:133.774(週足・一目均衡表転換線、4/12高値後の76.4%戻し)
上値3:133.534(4/12高値後の61.8%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値2:133.382(4/12高値後の50%戻し、50日移動平均線)
上値1:133.229(4/12高値後の38.2%戻し、100日移動平均線)
前営業日終値:133.143(+1σ)
下値1:133.000(大台)
下値2:132.734(4/12安値、20週移動平均線、4/5~4/12の38.2%押し水準)
下値3:132.567(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット1stサポート)
下値4:132.320(4/5~4/12の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値5:132.240(週足・一目均衡表先行スパン下限)
132.118(20日移動平均線)
132.000(大台、ピボット2ndサポート)
131.917(4/5~4/12の61.8%押し)
131.826(4/10安値)
131.470(4/7安値)
131.252(-1σ、ピボットローブレイクアウト)

《10:35》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想