*14:35JST TOKAI Research Memo(5):2023年3月期業績は売上高・営業利益で期初計画を達成する見込み
■業績動向
3. 2023年3月期の業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.8%増の223,000百万円、営業利益で同8.2%減の14,500百万円、経常利益で同20.8%減の12,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同29.8%減の6,300百万円となる見通し。売上高と営業利益は期初計画を据え置いたが、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を今回下方修正した。ベトナムの持分法適用関連会社に係るのれんの減損損失1,746百万円を営業外費用に、特別調査費用312百万円を特別損失にそれぞれ計上したことが下方修正要因となる。
売上高については建築設備不動産事業の下振れ分をエネルギー事業の上振れでカバーし、会社計画を若干上回る可能性が高い。営業利益についても建築設備不動産事業の下振れや内部調整額の負担増をエネルギー事業の上振れでカバーし、期初計画を確保できる見通しだ。営業利益は第3四半期まで計画を約10億円上回るペースで進捗しているが、第4四半期にエネルギー事業で顧客獲得コストを積み増すことや建築設備不動産の減益、内部調整額の負担増などで相殺される見込みとなっている。なお、継続取引顧客件数については期初計画の3,295千件(前期末比101千件増)を若干上回る可能性が高い。CATV事業の顧客獲得が順調に進んでいるほか、LPガスや光コラボ、「LIBMO」などでも増加が見込まれるためだ。
(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前期比5.2%増、営業利益は同27.0%減と増収減益を見込む(期初計画ベース、以下同様)。顧客件数はLPガス事業が前期末比42千件増の757千件、都市ガス事業が同9千件増の79千件(T&Tエナジー契約分による増加)を計画している。このうちLPガス事業については、2023年3月期第3四半期までの進捗は計画に対して8千件下回っているが、第4四半期にM&A案件が寄与するほか顧客獲得コストを積み増すこともあり、期末ベースでは前期末比35千件増の750千件が見込まれる。
(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比3.5%増、営業利益は同8.0%増を見込んでいる。このうち、コンシューマー向け事業については売上高で前期比微減、営業利益で同微増益を見込んでいる。顧客件数は従来型ISP等と光コラボの合計で前期末比横ばいの760千件、「LIBMO」で同14千件増の69千件を計画していたが、第3四半期までで従来型ISP等と光コラボの合計で773千件と計画を超過しており、「LIBMO」についても65千件と順調に推移している。このため、売上高については計画を達成できる見込みだ。営業利益は、顧客獲得コストが増加していることもあり減益となる可能性が高い。とは言え、第3四半期は前年同期比で増収増益に転じており、収益トレンドとして上向きになってきている点はポジティブに捉えられる。
法人向け事業は前期比1ケタ台後半の増収増益となる見通し。引き続きクラウドサービス等のストック型ビジネスが積み上がっており、増収増益要因となる。受託開発ビジネスについても堅調に推移する見通しだ。
(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前期比5.6%増、営業利益は同3.2%増と増収増益を見込んでいる。顧客件数は沖縄ケーブルネットワークの子会社化による上積み分も含めて放送サービス、通信サービス合計で前期末比42千件増の1,273千件を計画していたが、足元の顧客件数は計画をやや上回るペースで推移しているようで、売上高、営業利益ともに計画を若干上回るものと予想される。
(4) 建築設備不動産事業、アクア事業、その他
建築設備不動産事業の売上高は前期比13.4%増、営業利益は同3.2%増と増収増益を見込んでいたが、第3四半期までの業績と受注残高を勘案すると計画の達成は厳しそうで、増収減益となる可能性がある。同社ではここ数年M&Aで取得したグループ会社間の連携により外注費の削減に取り組むなど、収益力の強化を図っており、2024年3月期以降はこうした効果が顕在化してくるものと期待される。
アクア事業の売上高は前期比0.9%増、営業利益は同83.1%増と4期ぶりの増益に転じる見通し。顧客件数は前期末比1.5千件増の167千件の計画に対して、第3四半期末で166千件とほぼ射程圏となっている。商業施設での対面営業だけでなく、デジタルマーケティングを強化することで顧客獲得コストの抑制を図っており、収益性も向上する見通しだ。その他については、介護事業や婚礼催事事業を中心に前期比7.9%増と増収基調が続く見通し。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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3. 2023年3月期の業績見通し
TOKAIホールディングス<3167>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比5.8%増の223,000百万円、営業利益で同8.2%減の14,500百万円、経常利益で同20.8%減の12,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同29.8%減の6,300百万円となる見通し。売上高と営業利益は期初計画を据え置いたが、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益を今回下方修正した。ベトナムの持分法適用関連会社に係るのれんの減損損失1,746百万円を営業外費用に、特別調査費用312百万円を特別損失にそれぞれ計上したことが下方修正要因となる。
売上高については建築設備不動産事業の下振れ分をエネルギー事業の上振れでカバーし、会社計画を若干上回る可能性が高い。営業利益についても建築設備不動産事業の下振れや内部調整額の負担増をエネルギー事業の上振れでカバーし、期初計画を確保できる見通しだ。営業利益は第3四半期まで計画を約10億円上回るペースで進捗しているが、第4四半期にエネルギー事業で顧客獲得コストを積み増すことや建築設備不動産の減益、内部調整額の負担増などで相殺される見込みとなっている。なお、継続取引顧客件数については期初計画の3,295千件(前期末比101千件増)を若干上回る可能性が高い。CATV事業の顧客獲得が順調に進んでいるほか、LPガスや光コラボ、「LIBMO」などでも増加が見込まれるためだ。
(1) エネルギー事業
エネルギー事業の売上高は前期比5.2%増、営業利益は同27.0%減と増収減益を見込む(期初計画ベース、以下同様)。顧客件数はLPガス事業が前期末比42千件増の757千件、都市ガス事業が同9千件増の79千件(T&Tエナジー契約分による増加)を計画している。このうちLPガス事業については、2023年3月期第3四半期までの進捗は計画に対して8千件下回っているが、第4四半期にM&A案件が寄与するほか顧客獲得コストを積み増すこともあり、期末ベースでは前期末比35千件増の750千件が見込まれる。
(2) 情報通信事業
情報通信事業の売上高は前期比3.5%増、営業利益は同8.0%増を見込んでいる。このうち、コンシューマー向け事業については売上高で前期比微減、営業利益で同微増益を見込んでいる。顧客件数は従来型ISP等と光コラボの合計で前期末比横ばいの760千件、「LIBMO」で同14千件増の69千件を計画していたが、第3四半期までで従来型ISP等と光コラボの合計で773千件と計画を超過しており、「LIBMO」についても65千件と順調に推移している。このため、売上高については計画を達成できる見込みだ。営業利益は、顧客獲得コストが増加していることもあり減益となる可能性が高い。とは言え、第3四半期は前年同期比で増収増益に転じており、収益トレンドとして上向きになってきている点はポジティブに捉えられる。
法人向け事業は前期比1ケタ台後半の増収増益となる見通し。引き続きクラウドサービス等のストック型ビジネスが積み上がっており、増収増益要因となる。受託開発ビジネスについても堅調に推移する見通しだ。
(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前期比5.6%増、営業利益は同3.2%増と増収増益を見込んでいる。顧客件数は沖縄ケーブルネットワークの子会社化による上積み分も含めて放送サービス、通信サービス合計で前期末比42千件増の1,273千件を計画していたが、足元の顧客件数は計画をやや上回るペースで推移しているようで、売上高、営業利益ともに計画を若干上回るものと予想される。
(4) 建築設備不動産事業、アクア事業、その他
建築設備不動産事業の売上高は前期比13.4%増、営業利益は同3.2%増と増収増益を見込んでいたが、第3四半期までの業績と受注残高を勘案すると計画の達成は厳しそうで、増収減益となる可能性がある。同社ではここ数年M&Aで取得したグループ会社間の連携により外注費の削減に取り組むなど、収益力の強化を図っており、2024年3月期以降はこうした効果が顕在化してくるものと期待される。
アクア事業の売上高は前期比0.9%増、営業利益は同83.1%増と4期ぶりの増益に転じる見通し。顧客件数は前期末比1.5千件増の167千件の計画に対して、第3四半期末で166千件とほぼ射程圏となっている。商業施設での対面営業だけでなく、デジタルマーケティングを強化することで顧客獲得コストの抑制を図っており、収益性も向上する見通しだ。その他については、介護事業や婚礼催事事業を中心に前期比7.9%増と増収基調が続く見通し。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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