“揺れ動き”が基本、ただ“変動幅は大きめ”…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2023/01/05 11:27

◆ 一転して“円売り”優勢… - “132円後半”へ


緩やかに低下する「米10年債利回り」を背景に、再び“130円割れ(安値は129.933円)”へと値を落とす場面が見られました。
しかしながらその後は「中国・ゼロコロナ政策緩和」を好感する“リスク通貨買い”が強まりました。

このため“ドル売り”よりも“円売り”が勝る格好となり、ドル円は“132.715円”へと駆け上がっています。
その後は“利益確定売り”にて上値を押さえられていますが、年末から見られた“円買い優勢”の流れとは一線を画す動きといえます。

◆ ただ“一方向への動意”を期待するのは…?


昨日発表された「米ISM製造業景況指数」では、“20年5月以来の最低水準”を“2ヶ月連続”で更新したことが明らかになりました。
また「FOMC議事要旨」では、『2023年の利下げ予想はゼロ』も示されています。
いずれも「米利上げ長期化」へと押し戻しやすく、“ドル売り”は後退しやすいといえます。
一方で「中国・ゼロコロナ政策緩和」は“リスク通貨買い”を促すものの、それに伴う「中国・コロナ感染拡大」は“リスク回避→円買い”につながる要因でもあります。
「方向感が定まりづらい」を想定せざるを得ない状況下、このまま“一方向への動意”を期待するのは…?

明日に「米雇用統計(予想は+20.0万人)」を控え、本日は前哨戦となる「ADP雇用統計(予想は+15.0万人)」「新規失業保険申請件数(同22.5万件)」も予定されています。
「米10年国債利回り」の動向を睨みながら、しかし“一方向には動かない(揺れ動き)”と見るのが、本日の基本シナリオといえるかもしれませんね。
もちろん変動幅は“大きめ”を想定しながら…。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン

※ボラティリティが拡大していますので、いつもより値幅を拡大しております。

136.412(200日移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
136.344(+1σ)
136.000(大台)
135.000(大台)
134.867(22/12/15~23/1/3の61.8%戻し)
134.556(ピボット2ndレジスタンス)
134.498(22/12/14安値、22/12/28高値)
134.382(22/12/29高値)
上値5:134.000(大台)
上値4:133.843(22/12/15~23/1/3の50%戻し、日足・一目均衡表基準線、20日移動平均線)
上値3:133.614(ピボット1stレジスタンス)
上値2:133.084(22/12/30高値、大台)
上値1:132.819(22/12/15~23/1/3の38.2%戻し)
前営業日終値:132.673
下値1:132.500(50週移動平均線)
下値2:132.001(日足・一目均衡表転換線、大台)
下値3:131.600(-1σ)
下値4:131.489(1/3~1/4の38.2%押し)
下値5:131.111(1/3~1/4の50%押し)
131.000(大台)
130.832(ピボット1stサポート)
130.732(1/3~1/4の61.8%押し)
130.000(大台)
129.933(1/4安値)
129.661(週足・一目均衡表先行スパン上限)
129.495(22/6/2安値、1/3安値)

《10:45》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想