~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスも主力事業へ~
【ポイント】
・今2023年3月期も前期に続きピーク利益を更新しよう。上期は、原材料高と円安で、輸入仕入れのコストが上がり、製品価格への転嫁も遅れ気味であったが、全体としては期後半に取り戻す方向である。シーリングファンの納入が今期は下期に集中し、米国向けヒーターの販売も伸びている。
・新しいビジネスを育てようという動きが加速しつつある。既存分野で新規顧客が育っており、新規分野の開拓にも広がりが出つつある。環境関連の大型シーリングファンは順調で、食品工場などで使われるボイラー用のノズル式スチームトラップ(水排出機器)の取り扱いも急増している。数年前から新商材として販売を開始したが、熱交換の高効率化に寄与する点が高く評価されている。
・新型コロナが落ち着きをみせる中、飲料関係の食品原料が好転している。茶類、野菜果汁などの農産加工品も順調である。また、南米産ステビアもマーケティングが効いている。カロリーオフの甘味料として、タレ、ゼリー、ヨーグルトなどに利用され、その販路開拓が進んでいる。
・当社は、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。
・近年は、食と環境のオーウイルに進化しつつある。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンが利益貢献を高めている。猛暑対策や省エネに加え、施設内の空気循環などコロナ対応にも寄与する。このシーリングファンで、マクロエア社からアジアの販売権も獲得したので、まずはアジアの日系企業へマーケティングが始まろう。
・新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れている。目標である営業利益15億円に向けては、もう一段のレベルアップが求められるが、その路線作りに励んでいる。株価は割安である。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価はさらに高まってこよう。
目次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 大型シーリングファンが主力ビジネスに成長
4.当面の業績 円安、原料高を乗り越えて、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2022年12月6日) |
1091円 |
時価総額 | 34億円 (3150千株) |
PBR | 0.87倍 |
ROE | 14.5% |
PER | 5.8倍 |
配当利回り | 4.3% |
総資産 | 11970百万円 |
純資産 | 4077百万円 |
自己資本比率 | 33.1% |
BPS | 1258.5円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 税引き利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013.3 | 27443 | 373 | 393 | 225 | 71.6 | 30.0 |
2014.3 | 27084 | 279 | 322 | 165 | 52.7 | 30.0 |
2015.3 | 27677 | 246 | 257 | 121 | 38.7 | 30.0 |
2016.3 | 27802 | 254 | 271 | 163 | 51.8 | 30.0 |
2017.3 | 28121 | 326 | 331 | 202 | 64.3 | 30.0 |
2018.3 | 31033 | 439 | 461 | 300 | 95.3 | 33.0 |
2019.3 | 31375 | 595 | 593 | 411 | 130.7 | 40.0 |
2020.3 | 32685 | 674 | 724 | 472 | 150.1 | 45.0 |
2021.3 | 29527 | 537 | 551 | 347 | 110.3 | 45.0 |
2022.3 | 28312 | 826 | 827 | 575 | 182.7 | 47.0 |
2023.3(予) | 31000 | 950 | 900 | 590 | 187.3 | 47.0 |
2024.3(予) | 32500 | 1000 | 1000 | 660 | 209.5 | 50.0 |
(2022.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2008年7月に1:300の株式分割を実施。2008年3月期以前のEPS、配当は修正ベース。2011年3月期より連結ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ouiru202212.pdf
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