“円売り”には寄与しても、“ドル買い”にはブレーキが…!? - ドル円

著者:武市佳史
投稿:2022/08/31 10:54

◆ 一旦は押し戻されたものの… - “139円回復”


「5・10日+月末」に伴う“ポジション調整”が優勢となる中、昨日は米10年債利回りが“3.04%”へと低下し、つれてドル円も“138.002円”へと押し下げられる場面が見られました。
「欧9月0.75%利上げ」への思惑からユーロドルが“パリティ回復”を見せたことも、こうした動きを後押ししたと見られるところです。

一方で昨日発表された米経済指標は、“概ね好内容(求人件数は1123.9万件に増加/消費者信頼感指数は103.2に大幅上昇)”となりました。
このため「米利上げペース加速・継続」への思惑は再燃し、その後は“巻き戻し”が先行しています。
こうして中でドル円は“先月15日以来の139円台(高値は139.077円)”へと、さらに上値を伸ばしています。

◆ 依然として“流れは上方向”だが…?


ただ「米9月0.75%利上げ」の可能性は、金先市場で“若干後退(70%強→70%弱)”しています。
また冒頭で記した「欧9月0.75%利上げ」への思惑も、“円売り”には安心感を与えても、“ドル買い”にはブレーキとなりかねません。
そうなると“さらなる上値追い”はどうか…?

オーダー状況を見ると、引き続き“139円付近”にはかなりの規模の「ドル売りオーダー」が待ち構えていると聞き及びます。
「欧HICP」そして「米ADP雇用統計」等の注目指標も予定されていることを考えれば、“下値の堅さ”は目立っても、“上値の重さ”を無視するわけにはいかないと考えたいところです。

◆ ドル円 抵抗・支持ライン


上値5:139.604(+2σ)
上値4:139.410(7/14高値《年初来高値》)
上値3:139.253(ピボット1stレジスタンス)
上値2:139.123(7/15高値、8/30高値)
上値1:139.000(大台)
前営業日終値:138.804
下値1:138.540(8/30安値後の50%押し)
下値2:138.413(8/30安値後の61.8%押し)
下値3:138.265(8/29高値後の押し目)
下値4:138.178(ピボット1stサポート)
下値5:138.002(8/30安値、大台)

《10:30》

武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想