先週は、週前半は一時28000円を切るが、週末は米経済指標を受けて△727円の28546円で終わる
先週の予測では、前週末28000円台にのせて終わったことで、28000円台での動きとなりそうだとしました。具体的には、日足チャートは突破した200日移動平均線(先週末時点では27560円水準)を下値サポートとして28000円を突破しているので、当面のターゲットは3月25日の28338円、6月9日の28389円の2点天井がフシになると想定していました。
11日(木)の休日前の3日間は、週始めの8月(月)は、28279円まで上昇し、終値では△73円の28249円でしたが、9日(火)は米国市場で大手半導体のエヌビディアの決算予想が冴えず、日経平均は東京エレクトロンとソフトバンクの2銘柄で▲228円の下げとなり、この2銘柄分がそのまま指数の下げに反映し、▲249円の27999円と3日ぶりに28000円を割りました。
さらに10日(水)は、エヌビディアに続いてマイクロソフトが今四半期売上の見通しが予想を下回ったことで、ナスダックが大きく下げ、日経平均も、この日も▲270円の27729円まで下げ、終値では▲180円の27819円と2日続落となりました。
その後、日本が休日の間の10日(水)の米国市場では、7月消費者物価指数が予想を下回ったことで、9月のFOMCの利上げ予想0.75%の確率が大幅に低下したことで、主要3指標が大幅上昇となりました。さらに11日の米国市場の朝方は、7月生産者物価指数も予想を大きく下回ったことで、朝方は3指標大きく上昇しましたが、後半は利益確定売りで失速してしまいました。これを受けて、前日のシカゴの日経先物は△330円の28120円となっていました。
休日明けの12日(金)の日本市場は、米国での注目の7月消費者物価指数と7月生産者物価指数がともに予想を下回ったことで、米国の利上げペースが減速するとの見方やインフレがピークアウトするという期待から米国株が上昇し、日経平均も連動して△432円の28251円で寄り付き、その後も大幅上昇となり、終値は△727円の28546円で引けました。
週末の米国市場は、次々に経済指標が利上げペースを緩める期待を高めることになり、NYダウは△424ドルとなりました。10日発表の7月消費者物価指数の予想以上の低下、11日発表の7月生産者物価指数が予想に反する低下、さらにこの日は、7月輸入物価指数の低下を受け、FRBの利上げペースを緩める期待が一段と高まり、さらにインフレピークアウト期待で主要3指標は、そろって大幅続伸となりました。
シカゴの日経先物は△170円の28710円となっています。
今週は、目先は上昇しすぎもあり、28000~29000円のレンジの下限でのもみあいも
先週の予測では、前々週末の8月5日(金)に、日経平均は米国でナスダック指数が上昇していたことで、ハイテク株高を支えに半導体関連株が上昇し、△243円の28175円と2ヶ月ぶりに28000円台を回復したことで、次は28300円台へ挑戦する動きとなることを想定しました。
その場合は、円安基調への戻りもあり、当面のターゲットは3月25日の28338円、6月9日の28389円の2点天井があり、6月高値の28389円を試すことになるとしました。
これまで日本市場の8月の経験則として、8月中旬までは夏枯れ相場で軟調となる可能性が高いとしていましたが、高値警戒感を示していた日足テクニカル指標の過熱感が解消に向かっているため突破する期待もでてきました。
結果的には、11日(木)の休日前までは、9日(火)は▲249円の27999円と28000円を割り、10日(水)は、▲270円の27729円まで下落し、終値は▲180円の27819円となったことで、8月中旬は一服と思われましたが、引け後の米国で7月消費者物価指数の鈍化を受け、さらに11日の7月生産者物価指数の予想に反しての低下を受け、米国株式が2日連続の大幅上昇となり、休日明けの12日(金)の日本市場は△727円の28546円と大幅反発となり、7ヶ月ぶりの高水準となりました。
米国は、経済指標の結果を受けて、FRBの利上げスピードが緩くなるとの期待が高まり、又、インフレピークアウト期待も高まったことで、3指標そろって大幅上昇となりました。一方で足元の景気に対する見方も後退しつつあります。強気のFRBの利上げスピードに対しての景気後退懸念は、5日の米雇用統計で雇用者数は増加し、失業率も歴史的な低水準にあることで、インフレでも落ち込まない経済活動の強さがあるとみているようです。
しかし、注意しなければならないのは、指標の減速要因の大事なのはエネルギー価格であり、食品価格はむしろ上昇ペースが加速しています。又、原油価格は一時、大きく下げましたが、その後は高止まりしており、単純に「インフレピークアウト → 利上げ減速」まで織り込まれていると考えるのは時期尚早という見方もあります。
日本国内では、岸田首相が内閣改造を実行しましたが、旧統一教会を巡る国民の不信は解消されていません。支持率が一段と低下するようなら外国人投資家は、日本株買いを躊躇するようになる可能性もあります。一方で米長期金利の上昇観測が弱まったものの、1ドル=130円台を維持しており、大手輸出企業の業績上方修正余地は残ります。
日経平均は、フシ目の3月高値28338円、6月高値28389円を突破して、先週末の8月12日(金)は△727円の28546円となっており、目先は28500円がいったんのフシ目との見方もありますが、シカゴ日経先物は△170円の28710円となっています。米国株式が上昇を維持すれば、日本株も堅調に推移することになります。又、フシ目の28300円台をぬくと1月5日の年初来高値29388円を目指すことになります。レンジは28000~29000円となります。
(指標)日経平均
先週の動き
先週の予測では、前々週末に28000円台を突破して引けており、米国では7月雇用統計が強い結果となって、為替は、ドル買い・円売りで円安基調となるため輸出関連株中心に28300円台を試し、3月25日の28338円、6月9日の28389円を突破できるかどうかとしました。
結果的には、米国市場で10日(水)の7月消費者物価指数、11日の7月生産者物価指数の低下、さらに12日の7月輸入物価指数の低下を受けて、FRBの利上げペースが緩まるとの期待やインフレピークアウト期待が高まり、主要3指標は大幅上昇が続き、これを受けて日経平均も休日明けの12日(金)は、一気に28300円台を突破し、△727円の28546円で引けました。8月中旬は夏枯れ相場で軟調となる予想をしていましたが、米国株高が大きなサポートとなりました。
今週の見通し
先週末の12日(金)は、3月25日の28338円、6月9日の28389円のフシ目をぬいて28546円の終値をつけ、ボックス圏の天井をぬきました。チャートをみると今年の1月5日の29388円の年初来高値を目指すことになります。それまではフシらしいフシがありませんので、米国株がこのまま堅調であれば、日経平均も29000円を試すことになります。しかし急騰してきただけにスピード調整も考えられますので28000~29000円のボックスの中で調整を入れながら29000円を試すことになりそうです。
(指標)NYダウ
先週の動き
先週の予測では、インフレ鈍化の兆しなく、利上げ打ち止めは程遠いとの見方が多く、景気後退懸念とインフレとの綱引きとなり、もみあいを想定しました。
しかし、注目すべきとした7月消費者物価指数と7月生産者物価指数の結果が市場予想と逆となりました。
10日(水)の7月消費者物価指数は、予想を下回る伸びとなり、11日(木)の7月生産者物価指数は、予想に反して低下し、さらに週末12日(金)の7月輸入物価指数の低下を受け、FRBの利上げペースの緩まる期待やインフレピークアウト期待から3指標の大幅上昇が続きました。NYダウは10日△535ドル、11日△27ドル、12日△424ドルと3日間で1000ドル近い上昇となりました。週末は33761ドルの高値引けでした。
今週の見通し
インフレ圧力は強いながら、鈍化し始めている証拠が出てきている。ただ、3ヶ月後に中間選挙を控える中、完全に強気相場に転じるのは難しく、もみあいが基本となりそうです。目先は34000ドル水準からは上値が重くなりそうです。
今週は、小売決算や小売売上高が注目となります。ディスカウント小売の大手はコストの上昇や在庫の積みあがりから、すでに見通しを引き下げており、コスト上昇やサプライチェーン問題が根強く小売全体の逆風となっています。今週は小売決算やFOMC議事録の公開に注目となります。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週のドル・円相場は、FRB当局者が金融引締めに対する方向を表明したものの、7月消費者物価指数と7月生産者物価指数が結果的にインフレ鈍化の兆候を示唆したことで、9月のFOMCでの0.75ポイントの利上げ観測が後退し、週始めに135.58円まで買われたものの、ドル買い・円売りは縮小し週末は133.50円で取引を終えました。
今週の動き
インフレ鈍化の経済指標を受けて、インフレピークアウトへの思惑からFRBによる大幅追加利上げは後退しました。そうなると他の主要中央銀行は金融引締めのペースを緩める可能性があり、そうなると米国の金融引締めの度合いは相対的に高まることになります。
FRBの大幅利上げ観測の後退により、目先的にはドル売り・円買いが優勢となりそうです。インフレ鈍化のデータは十分そろっているといえないので、ドルは下がらないためリスク選好的な円売りが増える可能性もあります。
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