今日の為替市場ポイント:米長期金利伸び悩みでドル買い拡大の可能性低い

配信元:フィスコ
投稿:2022/08/09 08:04
8日のドル・円は、東京市場では135円58銭から134円91銭まで反落。欧米市場では135円21銭から134円36銭まで下げた後、135円11銭まで戻しており、135円05銭で取引終了。本日9日のドル・円は主に135円を挟んだ水準で推移か。米長期金利の伸び悩みを意識して、リスク選好的なドル買い・円売りがただちに拡大する可能性は低いとみられる。

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時134円36銭まで下げたが、10日発表の7月米消費者物価指数はやや高い伸びとなる可能性があるため、ポジション調整的なドル売りは縮小した。中国人民解放軍は台湾周辺の空域と海域で新たに軍事演習を行うと発表したことを受けてドル売りが一時優勢となる場面があった。米国のコリン・カール国防次官は、「米政府は中国が台湾を軍事的に占領する可能性に関する見通しを変えていない」と述べているが、市場参加者の間では「東アジアにおける地政学的リスクが短期間で除去される可能性は低い」との見方が増えている。この影響で金融市場の不確実性は当面高まると予想され、リスク選好的な為替取引は減少する可能性がありそうだ。


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配信元: フィスコ