■株主還元と株価バリュエーション
FJネクストホールディングス<8935>の株主還元は、「積極的な事業展開のための内部留保と資本効率等を総合的に勘案の上、経営成績に応じた利益の配分を継続的かつ安定的に行うこと」を基本方針としている。2022年3月期は、前期比4円増配となる1株当たり48円配(中間24円、期末24円)を実施した(配当性向24.8%)。また、減益予想となっている2023年3月期の配当についても、前期と同額の1株当たり48円配(中間24円、期末24円)を予定している(予想配当性向31.4%)。今後も同社の比較的安定した事業特性や高い利益水準をベースとして、継続的かつ利益成長に応じた配当が期待される。
また、同社は個人株主対策及び同社グループ事業の理解促進のため、1,000株以上を保有する株主に対し、同社グループが経営する4つの温泉旅館で利用可能な優待利用券のほか、さらには、3年以上の長期保有優待として、5,000円相当の百貨店セレクトカタログギフトなどの株主優待制度を導入している。
ここ数年の株価の動きを見ると、コロナ禍においても堅調な業績が評価されたことなどから2021年3月23日に一旦は上場来高値1,325円をつけたものの、その後は1,000円を超える水準で横ばい推移している。足元の株価(2022年7月4日終値1,059円)は、PER(予想)が6.92倍、PBR(実績)が0.59倍の水準にとどまり、配当利回り(予想)では4.53%に達している。同じ成長モデルを有する類似会社に上場会社が存在しないことから単純な比較分析はできないが、東証プライム平均のPER(予想)が13.29倍、PBR(実績)が1.15倍であることをはじめ、首都圏における資産運用型マンションに対する根強い需要や今後の発展性、同社の比較的手堅いビジネスモデルなどを勘案すると、現在の株価水準には明らかに割安感がある。したがって、長期的な運用商品として資産運用型マンションへの関心が高まっていくにつれ、業界のリーディングカンパニーである同社の株価評価にも見直しが入る余地は十分にあると考えられる。特にコロナ禍の収束やニューノーマルに向けて、首都圏における賃貸住宅の安定性(資産価値)が再評価され、それが同社株式の浮上のきっかけとなる可能性にも注意が必要であろう。なお、同社は2017年より5年連続で「JPX日経中小型株指数」※の構成銘柄に選定されている。
※東証と(株)日本経済新聞社が算出する株価指数。「JPX日経インデックス400」で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものである。東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式銘柄から選定された200銘柄で構成されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
FJネクストホールディングス<8935>の株主還元は、「積極的な事業展開のための内部留保と資本効率等を総合的に勘案の上、経営成績に応じた利益の配分を継続的かつ安定的に行うこと」を基本方針としている。2022年3月期は、前期比4円増配となる1株当たり48円配(中間24円、期末24円)を実施した(配当性向24.8%)。また、減益予想となっている2023年3月期の配当についても、前期と同額の1株当たり48円配(中間24円、期末24円)を予定している(予想配当性向31.4%)。今後も同社の比較的安定した事業特性や高い利益水準をベースとして、継続的かつ利益成長に応じた配当が期待される。
また、同社は個人株主対策及び同社グループ事業の理解促進のため、1,000株以上を保有する株主に対し、同社グループが経営する4つの温泉旅館で利用可能な優待利用券のほか、さらには、3年以上の長期保有優待として、5,000円相当の百貨店セレクトカタログギフトなどの株主優待制度を導入している。
ここ数年の株価の動きを見ると、コロナ禍においても堅調な業績が評価されたことなどから2021年3月23日に一旦は上場来高値1,325円をつけたものの、その後は1,000円を超える水準で横ばい推移している。足元の株価(2022年7月4日終値1,059円)は、PER(予想)が6.92倍、PBR(実績)が0.59倍の水準にとどまり、配当利回り(予想)では4.53%に達している。同じ成長モデルを有する類似会社に上場会社が存在しないことから単純な比較分析はできないが、東証プライム平均のPER(予想)が13.29倍、PBR(実績)が1.15倍であることをはじめ、首都圏における資産運用型マンションに対する根強い需要や今後の発展性、同社の比較的手堅いビジネスモデルなどを勘案すると、現在の株価水準には明らかに割安感がある。したがって、長期的な運用商品として資産運用型マンションへの関心が高まっていくにつれ、業界のリーディングカンパニーである同社の株価評価にも見直しが入る余地は十分にあると考えられる。特にコロナ禍の収束やニューノーマルに向けて、首都圏における賃貸住宅の安定性(資産価値)が再評価され、それが同社株式の浮上のきっかけとなる可能性にも注意が必要であろう。なお、同社は2017年より5年連続で「JPX日経中小型株指数」※の構成銘柄に選定されている。
※東証と(株)日本経済新聞社が算出する株価指数。「JPX日経インデックス400」で導入した「投資者にとって投資魅力の高い会社」を構成銘柄とするとのコンセプトを中小型株に適用することで、資本の効率的活用や投資者を意識した経営を行っている企業を選定するとともに、こうした意識をより広範な企業に普及・促進を図ることを目指すものである。東証のプライム市場、スタンダード市場、グロース市場を主市場とする普通株式銘柄から選定された200銘柄で構成されている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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