■要約
1. 会社概要
FJネクストホールディングス<8935>は、東京都心を基盤とした単身者向け資産運用型マンション自社ブランド「ガーラマンションシリーズ」、ファミリー層向けマンション自社ブランド「ガーラ・レジデンスシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大してきた。2021年10月1日付でグループ企業価値の向上を目的として持株会社体制へ移行するとともに、商号を「(株)エフ・ジェー・ネクスト」から「FJネクストホールディングス」へと変更した。また、2022年4月4日からは東京証券取引所(以下、東証)新市場区分である「プライム市場」へ移行した。
2. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は、売上高が前期比12.7%増の82,258百万円、営業利益が同23.7%増の9,095百万円と期初計画を上回る大幅な増益を実現した。特にマンション販売戸数は2,456戸(前期比443戸増)と、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により営業活動を一時自粛した前期と比較して大きく増加しており、コロナ禍においても資産運用型マンションに対する需要に変化がないことが確認できた。また、「不動産管理事業」も賃貸管理戸数の積み上げにより順調に拡大したほか、「旅館事業」についてもコロナ禍の影響を受けた前期から徐々に回復傾向にあるようだ。利益面でも、売上原価率の改善や増収に伴う販管費率の低下により、営業利益率は11.1%(前期は10.1%)に上昇した。
3. 2023年3月期の業績予想
2023年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比3.3%増の85,000百万円、営業利益を同17.5%減の7,500百万円と増収減益を見込んでいる。売上高は、コロナ禍の長期化など、不確実性の高い事業環境が続くなかでも、各事業が堅調に推移する見通しのようだ。「不動産開発事業」における販売戸数は2,500戸(前期比44戸増)を計画しており、ほぼコロナ禍前の最高水準に戻る想定である。一方、減益予想となっているのは、1)各セグメントにおいて一定程度の原材料価格の上昇を見込んでいること、2)「不動産開発事業」において顧客ニーズが高まっている中古マンション(相対的に利益率が低い)の販売戸数増を見込んでいることなどが理由である。
4. 成長戦略
同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られるが、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。コロナ禍においても「賃貸用不動産」は総じて安定しているうえ、資産運用型マンションへの需要も根強いことが確認された。コンテンツマーケティング(会員基盤約25万人)の活用やクラウドファンディングへの取り組みなど、将来を見据えた営業展開により、市場全体の発展を自らの成長に結び付けていく活動を続けていくことが重要となるだろう。
■Key Points
・2022年3月期はコロナ禍の影響を受けた前期からの回復により、期初計画を上回る大幅な増益を実現
・コロナ禍においても資産運用型マンションに対する根強い需要に変化はなく、戦略的に取り組んでいる中古マンションの販売も好調に推移
・2023年3月期は原材料価格の上昇等を想定し、増収ながら減益となる見通し
・今後もリーディングカンパニーとして市場全体の発展を自らの持続的な成長に結び付ける戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
FJネクストホールディングス<8935>は、東京都心を基盤とした単身者向け資産運用型マンション自社ブランド「ガーラマンションシリーズ」、ファミリー層向けマンション自社ブランド「ガーラ・レジデンスシリーズ」の開発及び販売を主力事業としている。また、販売した物件を中心に不動産管理事業も手掛けている。デザイン性や安全性、快適性など、居住者目線に立った企画・開発により高い入居率を確保していることが「ガーラ」ブランドの価値を高めており、首都圏ではトップの販売実績を誇る。将来の年金受給に対する不安や相続税対策という新たな課題を抱える個人からの購入需要も底堅く、同社の業績は順調に拡大してきた。2021年10月1日付でグループ企業価値の向上を目的として持株会社体制へ移行するとともに、商号を「(株)エフ・ジェー・ネクスト」から「FJネクストホールディングス」へと変更した。また、2022年4月4日からは東京証券取引所(以下、東証)新市場区分である「プライム市場」へ移行した。
2. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の業績は、売上高が前期比12.7%増の82,258百万円、営業利益が同23.7%増の9,095百万円と期初計画を上回る大幅な増益を実現した。特にマンション販売戸数は2,456戸(前期比443戸増)と、新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)により営業活動を一時自粛した前期と比較して大きく増加しており、コロナ禍においても資産運用型マンションに対する需要に変化がないことが確認できた。また、「不動産管理事業」も賃貸管理戸数の積み上げにより順調に拡大したほか、「旅館事業」についてもコロナ禍の影響を受けた前期から徐々に回復傾向にあるようだ。利益面でも、売上原価率の改善や増収に伴う販管費率の低下により、営業利益率は11.1%(前期は10.1%)に上昇した。
3. 2023年3月期の業績予想
2023年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比3.3%増の85,000百万円、営業利益を同17.5%減の7,500百万円と増収減益を見込んでいる。売上高は、コロナ禍の長期化など、不確実性の高い事業環境が続くなかでも、各事業が堅調に推移する見通しのようだ。「不動産開発事業」における販売戸数は2,500戸(前期比44戸増)を計画しており、ほぼコロナ禍前の最高水準に戻る想定である。一方、減益予想となっているのは、1)各セグメントにおいて一定程度の原材料価格の上昇を見込んでいること、2)「不動産開発事業」において顧客ニーズが高まっている中古マンション(相対的に利益率が低い)の販売戸数増を見込んでいることなどが理由である。
4. 成長戦略
同社は、資産運用型マンション事業を通じて、人口回帰の進む都心エリアへの良質な賃貸住宅の提供、並びに一般サラリーマン向けを中心とした長期的な資産運用機会の提供など、社会的意義を担うことにより持続的な成長を実現する方針である。最近では大手デベロッパーが資産運用型マンションへ参入する動きが見られるが、それだけ魅力的な市場として認知されてきたことの証左とも言える。コロナ禍においても「賃貸用不動産」は総じて安定しているうえ、資産運用型マンションへの需要も根強いことが確認された。コンテンツマーケティング(会員基盤約25万人)の活用やクラウドファンディングへの取り組みなど、将来を見据えた営業展開により、市場全体の発展を自らの成長に結び付けていく活動を続けていくことが重要となるだろう。
■Key Points
・2022年3月期はコロナ禍の影響を受けた前期からの回復により、期初計画を上回る大幅な増益を実現
・コロナ禍においても資産運用型マンションに対する根強い需要に変化はなく、戦略的に取り組んでいる中古マンションの販売も好調に推移
・2023年3月期は原材料価格の上昇等を想定し、増収ながら減益となる見通し
・今後もリーディングカンパニーとして市場全体の発展を自らの持続的な成長に結び付ける戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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