下降トレンド序盤を示唆
【注目ポイント】「0.84000ポンド」で下値サポートされるか否か
【シナリオ①】同レートで下値サポートなら、「0.85800ポンド」付近までの上昇もあり得そう
【シナリオ②】同レート割れなら、「0.83000ポンド」付近までの下落も視野に
【留意事項】英政局混乱に伴うボラティリティ上昇
足もとのユーロ/英ポンドは、ドイツ経済の落ち込みに伴うユーロ圏のリセッション懸念もあり、ユーロ売り主体の動きに。昨日7日時点で大陰線が出現し、BB(ボリンジャーバンド)・-2σラインを割り込む動きとなっています。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が若干右肩下がりになっていること、2) 遅行スパンがローソク足を下抜ける“逆転”(上図黄色丸印)となっていること、3) ローソク足が青色雲(=サポート帯、先行スパン)を下抜けていること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の上方で点灯していること、そして5) DMI(方向性指数)で僅かながら-DI>+DIとなっている(上図青色点線丸印)ことから、ユーロ/英ポンド・日足チャートは、下降トレンド序盤を示すチャート形状であると判断します。
その他メルクマールでは、BB・±2σラインが拡張する“エクスパンション”が見られることから、ユーロ/英ポンドは徐々に下降モメンタムが強まる可能性も。
足もとの注目ポイントは・・・直近高安レート(安値:0.81979ポンド[3/7]、高値:0.87160ポンド[6/15])を結んだFR(フィボナッチ・リトレースメント)・61.8%ラインを基準とする「0.84000ポンド」(上図黄色矢印および黒色線)で下値サポートされるか否か。
筆者が予想する今後のシナリオは以下の通りです。(シナリオ①、②)
[シナリオ①]
これからの時間にかけて、「0.84000ポンド」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「一旦の反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「BB・-1σライン(≒0.85300ポンド)超え」や「遅行スパンの“逆転”フェイク」、さらには「-DI>+DIの乖離縮小」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MAを基準とする「0.85800ポンド」(上図Ⓐ緑色線)付近までの上昇もあり得そうです。
[シナリオ②]
一方で、「0.84000ポンド」を終値ベースで下抜け突破した場合は、「重要な基準線割れ」→「もう一段の下値切り下げ」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォーク」や「赤色雲(=抵抗帯)の出現」、さらには「-DI>+DIのさらなる乖離拡大」も伴いながら、心理的節目である「0.83000ポンド」(上図Ⓑ水色線)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
上記シナリオ①および②を概括すると、当面※のユーロ/英ポンドは、「0.83000~0.85800ポンド」を“主戦場”(コアレンジ)とする相場付きとなりそうです。今後は、ジョンソン英首相辞任に伴う英政局の混乱も想定し、ユーロ主体から英ポンド主体の動きへと変化する可能性も視野に入れながら、ボラティリティの上昇にも留意する必要がありそうです。(※ここでの「当面」は1~2週間のスパンを想定しています。)
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