■業績動向
1. 2022年3月期連結業績の概要
AIAIグループ<6557>の2022年3月期の連結業績(決算期変更で15ヶ月決算、チャイルドケア事業の施設開園前にかかる諸費用の計上区分を売上原価から営業外費用の開園準備費に変更)は、売上高が11,975百万円、営業利益が440百万円の赤字、経常利益が461百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が116百万円の黒字だった。決算期変更のため単純比較はできないが、2020年12月期実績(12ヶ月決算、開園準備費計上変更組替後、売上高8,318百万円、営業利益1,266百万円の赤字、経常利益276百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益150百万円の黒字)との比較で営業赤字が大幅に縮小した。新規施設の開設及び既存施設の収益化進展に加えて、職員配置の適正化や業務効率化なども寄与した。施設数増加に伴って売上が拡大し、営業損益が改善基調である。
なお売上総利益率は11.8%、販管費比率は15.5%(2020年12月期は売上総利益率5.2%、販管費比率20.4%)だった。営業外収益では補助金収入1,058百万円を計上(同1,770百万円計上)し、営業外費用では開園準備費78百万円を計上(同114百万円計上)した。新規開設の減少で新規施設投資額に対する補助金収入及び開園準備費は減少した。特別損失では減損損失116百万円、投資有価証券売却損202百万円を計上した。
新規施設開設は、チャイルドケア事業11施設(認可保育園AIAI NURSERYが6施設、多機能型施設AIAI PLUSが5施設)だった。グループ合計の2022年3月期末時点の施設数は、チャイルドケア事業が91施設(認可保育AIAI NURSERYが認可保育園71施設と小規模保育施設8施設の合計79施設、多機能型施設AIAI PLUSが12施設)、ライフケア事業が3施設、合計が94施設となった。
2. セグメント別の動向
セグメント別に見ると、チャイルドケア事業は売上高が11,322百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が186百万円の黒字、ライフケア事業は売上高が487百万円で利益が25百万円の赤字、テック事業は売上高が374百万円で利益が50百万円の赤字だった。
チャイルドケア事業は、既存施設及び新規施設の稼働が順調に推移し、職員配置適正化なども寄与して黒字転換した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響として2021年4月には一時的な入園控があったが早期に回復した。新規施設は11施設(認可保育園AIAI NURSERYが千葉県3施設、東京都2施設、大阪府1施設、多機能型施設AIAI PLUSが千葉県4施設、東京都1施設)だった。2022年3月末時点の在籍園児数は合計4,077人で、合計在籍率は91%(0歳児は101%、1歳児は103%)となった。ライフケア事業は既存施設の稼働が順調だった。テック事業は既存システムのリプレイスに係るリソースの集中投下や、新たな営業体制の構築準備などの投資が先行した。
3. 財務の状況
財務面で見ると、2022年3月期末の資産合計は2020年12月期末比1,568百万円増加して12,066百万円となった。設備投資を目的とする借入金により現金及び預金が123百万円増加、売上増加により売掛金が307百万円増加、新規施設開設により有形固定資産が1,046百万円増加した。負債合計は1,410百万円増加して10,476百万円となった。短期借入金が193百万円減少したが、新規施設開設に伴う借り入れで長期借入金が1,417百万円増加した。純資産合計は158百万円増加して1,590百万円となった。資本金は資本剰余金への振替で減少したが、譲渡制限付株式の発行及び新株予約権行使に伴う払込により資本剰余金が増加、当期純利益計上により利益剰余金が増加した。この結果、自己資本比率は0.3ポイント低下して12.9%となった。
先行投資で有利子負債が増加し、自己資本比率もやや低水準だが、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。中期的には利益積み上げと有利子負債返済によって財務基盤を強固にすることが望まれるが、現在は成長過程のため特に大きな課題とは言えないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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1. 2022年3月期連結業績の概要
AIAIグループ<6557>の2022年3月期の連結業績(決算期変更で15ヶ月決算、チャイルドケア事業の施設開園前にかかる諸費用の計上区分を売上原価から営業外費用の開園準備費に変更)は、売上高が11,975百万円、営業利益が440百万円の赤字、経常利益が461百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が116百万円の黒字だった。決算期変更のため単純比較はできないが、2020年12月期実績(12ヶ月決算、開園準備費計上変更組替後、売上高8,318百万円、営業利益1,266百万円の赤字、経常利益276百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益150百万円の黒字)との比較で営業赤字が大幅に縮小した。新規施設の開設及び既存施設の収益化進展に加えて、職員配置の適正化や業務効率化なども寄与した。施設数増加に伴って売上が拡大し、営業損益が改善基調である。
なお売上総利益率は11.8%、販管費比率は15.5%(2020年12月期は売上総利益率5.2%、販管費比率20.4%)だった。営業外収益では補助金収入1,058百万円を計上(同1,770百万円計上)し、営業外費用では開園準備費78百万円を計上(同114百万円計上)した。新規開設の減少で新規施設投資額に対する補助金収入及び開園準備費は減少した。特別損失では減損損失116百万円、投資有価証券売却損202百万円を計上した。
新規施設開設は、チャイルドケア事業11施設(認可保育園AIAI NURSERYが6施設、多機能型施設AIAI PLUSが5施設)だった。グループ合計の2022年3月期末時点の施設数は、チャイルドケア事業が91施設(認可保育AIAI NURSERYが認可保育園71施設と小規模保育施設8施設の合計79施設、多機能型施設AIAI PLUSが12施設)、ライフケア事業が3施設、合計が94施設となった。
2. セグメント別の動向
セグメント別に見ると、チャイルドケア事業は売上高が11,322百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が186百万円の黒字、ライフケア事業は売上高が487百万円で利益が25百万円の赤字、テック事業は売上高が374百万円で利益が50百万円の赤字だった。
チャイルドケア事業は、既存施設及び新規施設の稼働が順調に推移し、職員配置適正化なども寄与して黒字転換した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響として2021年4月には一時的な入園控があったが早期に回復した。新規施設は11施設(認可保育園AIAI NURSERYが千葉県3施設、東京都2施設、大阪府1施設、多機能型施設AIAI PLUSが千葉県4施設、東京都1施設)だった。2022年3月末時点の在籍園児数は合計4,077人で、合計在籍率は91%(0歳児は101%、1歳児は103%)となった。ライフケア事業は既存施設の稼働が順調だった。テック事業は既存システムのリプレイスに係るリソースの集中投下や、新たな営業体制の構築準備などの投資が先行した。
3. 財務の状況
財務面で見ると、2022年3月期末の資産合計は2020年12月期末比1,568百万円増加して12,066百万円となった。設備投資を目的とする借入金により現金及び預金が123百万円増加、売上増加により売掛金が307百万円増加、新規施設開設により有形固定資産が1,046百万円増加した。負債合計は1,410百万円増加して10,476百万円となった。短期借入金が193百万円減少したが、新規施設開設に伴う借り入れで長期借入金が1,417百万円増加した。純資産合計は158百万円増加して1,590百万円となった。資本金は資本剰余金への振替で減少したが、譲渡制限付株式の発行及び新株予約権行使に伴う払込により資本剰余金が増加、当期純利益計上により利益剰余金が増加した。この結果、自己資本比率は0.3ポイント低下して12.9%となった。
先行投資で有利子負債が増加し、自己資本比率もやや低水準だが、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。中期的には利益積み上げと有利子負債返済によって財務基盤を強固にすることが望まれるが、現在は成長過程のため特に大きな課題とは言えないだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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