■事業内容
1. ミッション
ブランディングテクノロジー<7067>は「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」をミッションに、日本企業の99.7%を占める中小企業の成長を、マーケティングソリューションを通じて支援している。顧客の様々な「想い」に対しソリューションをもって実現し、共に成長しながら長期的に支援していくことを目指しているが、この際にミッションとともに重要なコンセプトとなるのが「ブランドファースト」である。
同社が推進する「ブランドファースト」とは、ブランドを軸に一貫した企業経営を行うことで企業ブランドを向上させ、中長期的な企業成長へと導く考え方となる。「ブランド」とは、ブランドメッセージやロゴなどのように、企業が「らしさ」を表現し、象徴する手段の1つである。人となりを「〇〇さんらしい」と表現するときのように、法人格を与えられることで契約の主体となる企業が、「らしさ」を与えられることで人格としてのパーソナリティを得て、周囲から理解されやすくなる。この「らしさ」を経営の軸として中小・地方企業の成長につなげようというのが、同社が考えるブランディングである。同社はブランドを構成する要素を磨き上げ一貫性を持たせることで企業ブランドを構築し、これを起点に体質強化や成長促進を図ることができると考えている。つまり、ブランディングこそが企業として成長を実現するための第一歩になるという考え方であり、同社はこれを「ブランドファースト」と表現している。
なお、「ブランドファースト」における「ブランド」は、ボウリングでストライク獲得に不可欠なセンターピンに例えることができる。ブランドというセンターピンを倒し、そこからの波及効果で企業体質の強化と成長の実現を目指す構図になっている。具体的に言うと、ブランドはインナーブランディングによって社内に浸透し、アウターブランディングによって対外的に波及していく。つまり、インナーブランディングの推進によって「採用」「教育」「考課」に一貫性が生まれ、ブランドという軸を通ることで「組織力」が強化されるほか、アウターブランディングの推進によって「広告・PR」「事業・商品」など社外に向けた活動に一貫性が生まれ、「営業力」が生まれる。さらに、インナー・アウター双方のブランディングを強化していくことで企業自体のブランド力が向上し、「採用力」が強化される。組織力や営業力、採用力といった企業の体質強化や成長を促す要素に及び、さらに商品・サービスやマーケティング、人材といった経営資源を作り上げていく。ここに企業側の経営力や的確な戦略が加われば、ブランドの波及効果は好循環を生み出し成長を促進する。なお、同社ではブランドの波及まではブランド事業、ブランド波及後の好循環の支援はデジタルマーケティング事業が展開し、波及が速くスムーズに進むようにデジタルシフトまで支援している。
課題解決サイクルによって「再現性」ある事業成長を実現
2. ビジネスモデル
同社は中小・地方企業がブランディングやデジタル・マーケティングを展開するうえで抱える課題として、デジタル投資、マーケティング投資の成功体験が積めていないことを挙げており、中小・地方企業の「人材不足※1」と「ノウハウ不足※2」を解消し、「再現性」ある事業成長を実現することで、この課題は解決できると考えている。
※1 同社では一例として、CMO(Chief Marketing Officer:マーケティング責任者)やCDO(Chief Digital Officer:デジタル責任者)などの人材を採用したり専門部署を設けることができないことを挙げている。
※2 同社では一例として、DX推進やデジタル・マーケティングの一般論は理解しているが自社の規模や業界に適した取り組みがわからないことを挙げている。
(1) 課題解決サイクル
同社はもとより、「業界別に体系化されたノウハウ」「フロント人材」「カスタマーサクセス」という3つの競争優位性を有している。「業界別に体系化されたノウハウ」は3,000社超の顧客ネットワークを生かして業界・事業規模別に体系化された成功メソッド、「フロント人材」は経営の上流から顧客と関わることで経営課題を的確に把握し、経営戦略、事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略を一気通貫で支援する人材、「カスタマーサクセス」は広告支援から戦略企画まで少額から積み上げることのできる成功体験を指す。この3つの競争優位性に、2021年11月に提供を開始した「ブランディングバンク」を加えた4つの課題解決サイクルを「マーケティングDX」とし、マーケティングDXを推進することで中小・地方企業が抱える課題の解決を支援している。
(2) マーケティングDX
マーケティングDXの課題解決サイクルは以下のとおりである。まず、ブランディングバンク(詳細は後述)のデータによって再現性を高める。次に、ブランディングバングのデータを活用しながら、各業界の専門性が高いフロント人材が顧客のブランディング及びデジタル・マーケティング領域のプロジェクトを推進することで、中小・地方企業の専門人材不足を解消する。加えて、カスタマーサクセスによって、限られた予算でブランディング及びデジタル・マーケティング投資の成功体験を積み上げる。そして、業界別に成功ノウハウを体系化しサービスに反映することで、ノウハウ不足を解消する。それらの業界別ノウハウ・戦略データはさらにブランディングバンクに蓄積される。この課題解決サイクルによって、中小・地方企業の「人材不足」「ノウハウ不足」を解消し、「再現性」ある事業成長を実現していく。なお、予算面での制約に関しては、顧客の予算制約を回避しつつブランディングニーズを実現するため、インターネット広告の利用やオフショアでの低コストのソリューション(オフショア関連事業)を用意している。
(3) ブランディングバンク
マーケティングDXとして新たに加わった「ブランディングバンク」は、中小企業3,000社超のデータベースから業界別に成功パターンを導き出しノウハウを体系化した、いわばブランド・マーケティング資産を蓄積した「バンク」のことで、2021年11月にリリースされた。この「ブランディングバンク」のデータによって、事業成長の再現性を高めていく。
ブランディングバンクの活用ステップは大きく4つに分けられる。まず、フレームワークを活用し、顧客のブランド・マーケティング資産をデータ化する。次に、当該データと業界別ベストプラクティスや顧客リサーチデータを掛け合わせることで、成功パターンを導き出す。次に、顧客のブランド・マーケティング戦略を見える化したレポートを作成する。そして、戦略データを基に施策を実行し、PDCAを回すことでデータの精度を上げていく。つまり、ブランディングバンクを活用することで、顧客の成長の再現性を高めるだけでなく、同社にとってもデータの精度が上がっていく特長がある。
(4) 収益構造
同社の収益構造は「継続取引社数(約3,300社)×顧客単価(ストック収益+スポット収益)となるが、マーケティングDXの仕組みの構築により、さらなる収益アップが見込まれる。豊富なブランドによって顧客当たりの提供サービス数が増えることでストック収益が拡大することに加え、豊富なマーケティング実行支援メニューによってスポット収益が拡大し、顧客単価が上がる、という好循環サイクルとなる。ちなみに、これらのきめ細かい作業は、総合広告代理店や大手インターネット広告代理店にとってはスケールデメリットとなるうえ、中堅・中小企業のノウハウがないことから対応力に乏しい。このため、同社と実質的に競合している企業は、ブランディングを軸とする上場企業のなかには見当たらず、非上場企業でもベンチャーや地場コンサルタントなど小規模な企業か、ブランディングを主軸としない企業がほとんどのようだ。つまり、中堅・中小企業向けのブランド事業は、同社の独断場とも言える。
同社は月間サービス提供額によって顧客セグメントを分類し、「中小企業」(1万円~50万円/月)と「中堅企業」(50万円~1,000万円/月)としている。中小企業には限られた予算のなかで再現性・効率性の高いサービスを提供し、中堅企業には顧客の事業に深く関わり複合的にサービスを提供している。なお、同社のターゲットは、中堅・中小企業ゆえ財務体質が脆弱だと思われがちだが、「黒字企業であること、経営者が成長意欲を持っていること、成長投資予算を設定していること」を判断材料とし企業開拓しているため、事業成長の角度が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. ミッション
ブランディングテクノロジー<7067>は「ブランドを軸に中小・地方企業様のデジタルシフトを担う」をミッションに、日本企業の99.7%を占める中小企業の成長を、マーケティングソリューションを通じて支援している。顧客の様々な「想い」に対しソリューションをもって実現し、共に成長しながら長期的に支援していくことを目指しているが、この際にミッションとともに重要なコンセプトとなるのが「ブランドファースト」である。
同社が推進する「ブランドファースト」とは、ブランドを軸に一貫した企業経営を行うことで企業ブランドを向上させ、中長期的な企業成長へと導く考え方となる。「ブランド」とは、ブランドメッセージやロゴなどのように、企業が「らしさ」を表現し、象徴する手段の1つである。人となりを「〇〇さんらしい」と表現するときのように、法人格を与えられることで契約の主体となる企業が、「らしさ」を与えられることで人格としてのパーソナリティを得て、周囲から理解されやすくなる。この「らしさ」を経営の軸として中小・地方企業の成長につなげようというのが、同社が考えるブランディングである。同社はブランドを構成する要素を磨き上げ一貫性を持たせることで企業ブランドを構築し、これを起点に体質強化や成長促進を図ることができると考えている。つまり、ブランディングこそが企業として成長を実現するための第一歩になるという考え方であり、同社はこれを「ブランドファースト」と表現している。
なお、「ブランドファースト」における「ブランド」は、ボウリングでストライク獲得に不可欠なセンターピンに例えることができる。ブランドというセンターピンを倒し、そこからの波及効果で企業体質の強化と成長の実現を目指す構図になっている。具体的に言うと、ブランドはインナーブランディングによって社内に浸透し、アウターブランディングによって対外的に波及していく。つまり、インナーブランディングの推進によって「採用」「教育」「考課」に一貫性が生まれ、ブランドという軸を通ることで「組織力」が強化されるほか、アウターブランディングの推進によって「広告・PR」「事業・商品」など社外に向けた活動に一貫性が生まれ、「営業力」が生まれる。さらに、インナー・アウター双方のブランディングを強化していくことで企業自体のブランド力が向上し、「採用力」が強化される。組織力や営業力、採用力といった企業の体質強化や成長を促す要素に及び、さらに商品・サービスやマーケティング、人材といった経営資源を作り上げていく。ここに企業側の経営力や的確な戦略が加われば、ブランドの波及効果は好循環を生み出し成長を促進する。なお、同社ではブランドの波及まではブランド事業、ブランド波及後の好循環の支援はデジタルマーケティング事業が展開し、波及が速くスムーズに進むようにデジタルシフトまで支援している。
課題解決サイクルによって「再現性」ある事業成長を実現
2. ビジネスモデル
同社は中小・地方企業がブランディングやデジタル・マーケティングを展開するうえで抱える課題として、デジタル投資、マーケティング投資の成功体験が積めていないことを挙げており、中小・地方企業の「人材不足※1」と「ノウハウ不足※2」を解消し、「再現性」ある事業成長を実現することで、この課題は解決できると考えている。
※1 同社では一例として、CMO(Chief Marketing Officer:マーケティング責任者)やCDO(Chief Digital Officer:デジタル責任者)などの人材を採用したり専門部署を設けることができないことを挙げている。
※2 同社では一例として、DX推進やデジタル・マーケティングの一般論は理解しているが自社の規模や業界に適した取り組みがわからないことを挙げている。
(1) 課題解決サイクル
同社はもとより、「業界別に体系化されたノウハウ」「フロント人材」「カスタマーサクセス」という3つの競争優位性を有している。「業界別に体系化されたノウハウ」は3,000社超の顧客ネットワークを生かして業界・事業規模別に体系化された成功メソッド、「フロント人材」は経営の上流から顧客と関わることで経営課題を的確に把握し、経営戦略、事業戦略、ブランド戦略、マーケティング戦略を一気通貫で支援する人材、「カスタマーサクセス」は広告支援から戦略企画まで少額から積み上げることのできる成功体験を指す。この3つの競争優位性に、2021年11月に提供を開始した「ブランディングバンク」を加えた4つの課題解決サイクルを「マーケティングDX」とし、マーケティングDXを推進することで中小・地方企業が抱える課題の解決を支援している。
(2) マーケティングDX
マーケティングDXの課題解決サイクルは以下のとおりである。まず、ブランディングバンク(詳細は後述)のデータによって再現性を高める。次に、ブランディングバングのデータを活用しながら、各業界の専門性が高いフロント人材が顧客のブランディング及びデジタル・マーケティング領域のプロジェクトを推進することで、中小・地方企業の専門人材不足を解消する。加えて、カスタマーサクセスによって、限られた予算でブランディング及びデジタル・マーケティング投資の成功体験を積み上げる。そして、業界別に成功ノウハウを体系化しサービスに反映することで、ノウハウ不足を解消する。それらの業界別ノウハウ・戦略データはさらにブランディングバンクに蓄積される。この課題解決サイクルによって、中小・地方企業の「人材不足」「ノウハウ不足」を解消し、「再現性」ある事業成長を実現していく。なお、予算面での制約に関しては、顧客の予算制約を回避しつつブランディングニーズを実現するため、インターネット広告の利用やオフショアでの低コストのソリューション(オフショア関連事業)を用意している。
(3) ブランディングバンク
マーケティングDXとして新たに加わった「ブランディングバンク」は、中小企業3,000社超のデータベースから業界別に成功パターンを導き出しノウハウを体系化した、いわばブランド・マーケティング資産を蓄積した「バンク」のことで、2021年11月にリリースされた。この「ブランディングバンク」のデータによって、事業成長の再現性を高めていく。
ブランディングバンクの活用ステップは大きく4つに分けられる。まず、フレームワークを活用し、顧客のブランド・マーケティング資産をデータ化する。次に、当該データと業界別ベストプラクティスや顧客リサーチデータを掛け合わせることで、成功パターンを導き出す。次に、顧客のブランド・マーケティング戦略を見える化したレポートを作成する。そして、戦略データを基に施策を実行し、PDCAを回すことでデータの精度を上げていく。つまり、ブランディングバンクを活用することで、顧客の成長の再現性を高めるだけでなく、同社にとってもデータの精度が上がっていく特長がある。
(4) 収益構造
同社の収益構造は「継続取引社数(約3,300社)×顧客単価(ストック収益+スポット収益)となるが、マーケティングDXの仕組みの構築により、さらなる収益アップが見込まれる。豊富なブランドによって顧客当たりの提供サービス数が増えることでストック収益が拡大することに加え、豊富なマーケティング実行支援メニューによってスポット収益が拡大し、顧客単価が上がる、という好循環サイクルとなる。ちなみに、これらのきめ細かい作業は、総合広告代理店や大手インターネット広告代理店にとってはスケールデメリットとなるうえ、中堅・中小企業のノウハウがないことから対応力に乏しい。このため、同社と実質的に競合している企業は、ブランディングを軸とする上場企業のなかには見当たらず、非上場企業でもベンチャーや地場コンサルタントなど小規模な企業か、ブランディングを主軸としない企業がほとんどのようだ。つまり、中堅・中小企業向けのブランド事業は、同社の独断場とも言える。
同社は月間サービス提供額によって顧客セグメントを分類し、「中小企業」(1万円~50万円/月)と「中堅企業」(50万円~1,000万円/月)としている。中小企業には限られた予算のなかで再現性・効率性の高いサービスを提供し、中堅企業には顧客の事業に深く関わり複合的にサービスを提供している。なお、同社のターゲットは、中堅・中小企業ゆえ財務体質が脆弱だと思われがちだが、「黒字企業であること、経営者が成長意欲を持っていること、成長投資予算を設定していること」を判断材料とし企業開拓しているため、事業成長の角度が高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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関連銘柄
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