[資源・新興国通貨6/6~10のポイント&注目通貨] 豪中銀は利上げか

著者:八代和也
投稿:2022/06/06 13:09

今週のポイント

今週(6/6- )は、7日にRBA(豪中銀)の政策会合があります。RBAは前回5月の会合に続いて利上げを行うとみられ、注目はどの程度利上げするのか(利上げ幅)。会合の結果に、豪ドル/円や豪ドル/米ドル、豪ドル/NZドルが反応しそうです。

メキシコペソ/円は3日に6年4カ月ぶりの高値を記録しました。最近のメキシコペソ/円上昇の主な要因として、原油高やBOM(メキシコ中銀)のタカ派的な金融政策が挙げられます。米WTI原油先物は約3カ月ぶりの高値圏にあり、ロドリゲスBOM総裁は1日に次回23日の政策会合で0.75%の利上げを行う可能性があると述べました。9日発表のメキシコの5月CPI(消費者物価指数)が強い結果になれば、利上げ観測が一段と強まってメキシコペソ/円はさらに上昇する可能性があります。

トルコリラ/円には、下押し圧力が加わりやすいと考えられます。トルコの5月CPIは前年比73.50%と、上昇率は前月の69.97%から加速し、98年10月以来23年7カ月ぶりの高い伸びとなりました。低金利を志向するエルドアン大統領の圧力によってTCMB(トルコ中銀)が利上げするのは困難とみられるなか、CPI上昇率が加速することはトルコリラにとってマイナス材料です。

今週の注目通貨ペア(1):<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.09000~1.12000NZドル>

RBA(豪中銀)は5月3日の政策会合で0.25%利上げすることを決定。政策金利を0.10%から0.35%へと引き上げました。

RBAはさらに利上げを行う姿勢を示しているため、6月7日の会合では利上げが決定されそうです。市場の関心は利上げ幅へと向いており、利上げ幅については0.25%と0.40%で市場の見方が分かれています。そのため、RBAがいずれの決定を下したとしても豪ドル/NZドルが反応しそう。利上げ幅が0.25%の場合、豪ドルが売られて豪ドル/NZドルは下落する可能性があります(0.40%の利上げなら豪ドル/NZドルは上昇か)。

今週の注目通貨ペア(2):<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.24500~1.27000カナダドル>

BOC(カナダ中銀)は6月1日に政策会合を開き、0.50%の利上げを行うことを決定。政策金利を1.00%から1.50%へと引き上げました。利上げは3会合連続です。

BOCは声明で「政策金利をさらに引き上げる必要があると判断している」と表明し、追加利上げを示唆。また、「2%のインフレ目標を達成するため、必要なら一段と力強く行動する用意がある」との文言を追加し、利上げペースは今後加速する可能性があることも示しました。

米WTI原油先物は3日、中心限月の清算値(終値に相当)として約3カ月ぶりの高値をつけました。BOCのタカ派的な姿勢に加え、原油高もカナダドルの支援材料となりそう。米ドル/カナダドルは、上値が重い展開になるかもしれません。

一方で米長期金利(10年物国債利回り)は3日に一時約2週間ぶりの高い水準を記録しました。米長期金利の上昇は米ドルにとってプラス材料であり、米長期金利が一段と上昇すれば米ドル/カナダドルは下値もしっかりとした展開になりそうです。

米ドル/カナダドルの目先のメドとして、下値が1.24573カナダドル(4/21安値)、上値は1.26859カナダドル(5/31高値)が挙げられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想