[資源・新興国通貨5/23~27のポイント&注目通貨] 25日のNZ中銀会合に注目!

著者:八代和也
投稿:2022/05/23 15:13

今週のポイント

RBNZ(NZ中銀)が25日に政策会合を開きます。その結果が豪ドル/NZドルやNZドル/円、NZドル/米ドルに影響を与える可能性があります(豪ドル/NZドルについては後述)。

主要国の株価動向には要注意(特に米国株)。主要国株価が下落を続ければ、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。その場合には円や米ドルが堅調に推移し、クロス円や豪ドル/米ドルは下落して米ドル/カナダドルは上昇する可能性があります。

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トルコリラが軟調に推移しています。トルコリラは先週(5/16- )、対米ドルで約5カ月ぶり、対円で約2カ月ぶりの安値をつけました。

足もとのトルコリラ安の主因として、トルコのインフレ加速や経常赤字の拡大、TCMB(トルコ中銀)の金融政策が挙げられます。トルコの4月CPIは前年比69.97%と、上昇率は前月の61.14%から加速し、02年2月以来20年2カ月ぶりの高水準を記録。インフレの加速にもかかわらず、TCMBは1月以降政策金利を14.00%に据え置いています。トルコの経常収支は3月まで5カ月連続で赤字でした。

26日にTCMBが政策会合を開きます。政策金利は現行の14.00%に据え置かれるとみられ、その通りの結果になれば、トルコリラ安圧力は一段と強まる可能性があります。

今週の注目通貨ペア①:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.08000~1.12000NZドル>

今週(5/23- )の豪ドル/NZドルは、25日のRBNZ(NZ中銀)政策会合が材料になるとみられます。RBNZは前回4月まで4会合連続で利上げを行っており、現在の政策金利は1.50%です。

NZではインフレ圧力が強まっており、NZの1-3月期CPI(消費者物価指数)は前年比6.9%と、上昇率は21年10-12月期の5.9%から加速し、90年4-6月期以来の高い伸びを記録。RBNZ(NZ中銀)のインフレ目標(1~3%)から上方へ一段と乖離しました。

RBNZは25日の会合で利上げを行うことを決定しそうです。利上げ幅については、市場では0.50%になるとの見方が有力。その通りの結果になれば、RBNZの政策金利見通しに注目です。RBNZは2月時点で、政策金利は24年9月に約3.4%でピークに達するとの見通しを示しました。政策金利のピークの水準が2月時点から大幅に上方修正されれば、NZドルにとって支援材料になりそう。豪ドル/NZドルは軟調に推移する可能性があります。豪ドル/NZドルは目先、1.08248NZドル(4/25安値)が下値メド、上値は1.11760NZドル(18年8月高値)がメドです。

今週の注目通貨ペア②:<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.27000~1.31000カナダドル>

今週は、カナダの経済指標の発表が少ないため(26日の3月小売売上高くらい)、米ドル/カナダドルは米ドルサイドの材料で変動しそうです。米FOMC議事録や米国の4月PCE(個人消費支出)デフレーターなどを受けて、米FRBの利上げ観測が一段と強まれば、米ドル/カナダドルは堅調に推移しそうです。

主要国の株価動向には注意が必要かもしれません。市場では、FRBの積極的な利上げによって米景気が減速するとの懸念があります。米国など主要国が下落を続ければ、リスクオフ(リスク回避)の動きが市場で強まるかもしれません。リスクオフは米ドル高材料であり、米ドル/カナダドルの上昇要因と考えられます。米ドル/カナダドルの目先のメドとして、下値が1.27123カナダドル(5/5安値)、上値は1.30752カナダドル(5/12高値)が挙げられます。

八代和也
マネ―スクエア シニアアナリスト
配信元: 達人の予想