マクロン氏勝利→ユーロ高、ルペン氏勝利→ユーロ安?
【注目ポイント】「1.07500ドル」を下回るか否か
【見通し①】下回りなら、「1.06255ドル」付近までの下落も視野に
【見通し②】下値サポートなら、「1.09120ドル」or「1.10000ドル」付近までの戻りもあり得そう
【注目材料】フランス大統領選挙・決選投票結果
先月31日に直近高値となる「1.11793ドル」を付けた後、徐々に下値を切り下げる相場付きとなっているユーロ/米ドル。足もとでは下落一服シグナルも出現する中、依然として上値の重い相場付きとなっています。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩下がりであること、2) 遅行スパンがローソク足を下放れる“逆転”(上図黄色丸印)となっていること、3) ローソク足の上方に分厚い形状の赤色雲(=抵抗帯、先行スパン)があること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして、5) DMI(方向性指数)で-DI>+DIの乖離がやや縮小し、ADXが右肩上がりとなっている(上図青色点線丸印)ことから、ユーロ/米ドル・日足チャートは、「下落一服」→「上値固め」を示唆するチャート形状であると判断します。
足もとにおける注目ポイントは・・・14日に付けた直近安値を基準とする「1.07500ドル」(上図黄色矢印および黒色線)を下回るか否か。
筆者が予想する今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)
[見通し①]
これからの時間にかけて、「1.07500ドル」を終値ベースで下回った場合は、「直近安値割れ」→「もう一段の下値追い」となりそうです。当該ケースでは、「下降バンドウォークの再開」や「SARの売りサインへの転換」も伴いながら、コロナショック時の安値である「1.06255ドル」(20/3/23)付近までの下落も視野に入れるべきでしょう。
[見通し②]
一方で、「1.07500ドル」で下値サポートされた場合は、「下値固め」→「小反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「-DI>+DIのさらなる乖離縮小または収斂」や「SARの買いサイン継続」も伴いながら、約1カ月間における市場参加者の平均コストを示す21日MA(≒1.09120ドル、上図Ⓐ緑色線)付近までの戻りもあり得そうです。後述する材料次第では、ややオーバーシュートする水準である「1.10000ドル」付近までの反発フローも想定すべきでしょう。ただし、現状では赤色雲が分厚い形状(=強い上値抵抗帯)となっていることから、その反発フローは“デッド・キャット・バウンス”※と捉え、上値トライは限定的かつ刹那的なものと予想します。(※相場が下げた後、一時的に起きる反発フローのこと。)
上記見通し①および②を概括すると、当面のユーロ/米ドルは引き続き上値の重い相場付きが予想されることから、「戻り売り」ないしは「打診売り」が奏功しそうです。
ユーロ/米ドルの動意となり得る足もとのイベントは、24日に予定されているフランス大統領選挙・決選投票。中道・現職マクロン氏と極右・ルペン氏との一騎打ちで注目が集まる中、20日に行われたテレビ討論会において、親ロシア・NATO脱退をテーゼとするルペン氏に対し、マクロン氏がやや優位に立ったとの情報も。しかしながら、やはり「選挙は水物」。マーケットでは、「マクロン氏勝利」なら(一時的)ユーロ高、「ルペン氏勝利」ならユーロ安との見方もある中、週明け25日を含む翌週のマーケットでは、事前想定以上のボラティリティが発生する可能性も考慮に入れつつ、粛々とストップロス注文やOCO注文などの設定をするのも一案と言えるでしょう。
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