■事業戦略
(3) M&A戦略
輸入車ディーラーの多数は各地方の地元企業によって運営されており、後継者不足や財務体質の脆弱性等で悩む企業が多いようだ。これに対しウイルプラスホールディングス<3538>では、M&Aにより輸入車業界の持続的成長を支え、社会課題の解決を目指している。
M&A戦略は、1) 新たなエリアへの進出、2) 新たなブランドの獲得(マルチブランド戦略)、3) 既存ブランドのシェア拡大になる。M&A案件の紹介は、インポーター、金融機関、仲介会社と同社もしくは先方からの直接アプローチになる。今後の成長性や事業シナジーなどを検討し、各種デューデリジェンスを経て、事業計画を策定し、投資回収期間などの確認をする。同社は、優先的に案件を紹介してもらえるよう、インポーターとは良好な関係構築を心掛けている。一方、金融機関や仲介会社の場合は、競争入札になることが多く、同社は社内の投資回収基準などに沿って入札する。なお、進出候補エリアは、人口100万人超の政令指定都市※と40万人超の中核都市となる。
※人口100万人超の政令指定都市は、札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市。
同社は、直近5期間で4件の事業譲受、10店舗の新規出店のほか、20店舗の店舗改装・移転改装を実施した。M&Aは2期目までに黒字化、既存店舗水準の収益力までに約2~3期で到達することを基準にしており、持株会社設立以来9件のM&Aすべてが黒字化している。一例を挙げると、ケース1では、M&A直前期の売上高が4,228百万円、営業損失が390百万円であったが、M&A後3期目ではそれぞれ6,139百万円、215百万円と増収及び黒字転換を果たした。さらに直近期では、売上高が10,346百万円、営業利益が464百万円、営業利益率はM&A後3期目の3.5%から4.4%へ改善した。ケース3では、M&A直前期の売上高が3,456百万円、営業損失が79百万円であったが、M&A後3期目にはそれぞれ4,813百万円、231百万円と増収及び黒字転換を果たし、直近期ではそれぞれ23,105百万円、1,249百万円に拡大している。
輸入車ディーラーの全体像を見ると、同社が取扱う10ブランドに対して、運営会社は合計307社、拠点数は694拠点あり、1事業会社当たり平均2.2店舗を運営していることになる。また、同社未取扱いブランド8社(一例)では、1事業会社当たり平均2.3店舗を運営していることになる。これらの結果から、全国に多くのM&Aターゲットが存在しており、成長余地があると言える。また、事業会社の数だけ事業継承等の経営上の悩みがあると考えられることから、M&Aを通しての社会課題解決が可能と弊社では見ている。
(4) 店舗投資など
店舗への投資は、来場客数や顧客満足度(CS)向上によるリピーターの増加につながる。このため、既存店舗への投資として、最新CIに準拠してサービス品質の向上を図るとともに、より好立地で経営効率の向上が見込まれるロケーションに移転することを進めている。一方、新規店舗への投資により商圏の拡大や既存エリアの補完、既存ブランドの業容拡大を狙う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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(3) M&A戦略
輸入車ディーラーの多数は各地方の地元企業によって運営されており、後継者不足や財務体質の脆弱性等で悩む企業が多いようだ。これに対しウイルプラスホールディングス<3538>では、M&Aにより輸入車業界の持続的成長を支え、社会課題の解決を目指している。
M&A戦略は、1) 新たなエリアへの進出、2) 新たなブランドの獲得(マルチブランド戦略)、3) 既存ブランドのシェア拡大になる。M&A案件の紹介は、インポーター、金融機関、仲介会社と同社もしくは先方からの直接アプローチになる。今後の成長性や事業シナジーなどを検討し、各種デューデリジェンスを経て、事業計画を策定し、投資回収期間などの確認をする。同社は、優先的に案件を紹介してもらえるよう、インポーターとは良好な関係構築を心掛けている。一方、金融機関や仲介会社の場合は、競争入札になることが多く、同社は社内の投資回収基準などに沿って入札する。なお、進出候補エリアは、人口100万人超の政令指定都市※と40万人超の中核都市となる。
※人口100万人超の政令指定都市は、札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市。
同社は、直近5期間で4件の事業譲受、10店舗の新規出店のほか、20店舗の店舗改装・移転改装を実施した。M&Aは2期目までに黒字化、既存店舗水準の収益力までに約2~3期で到達することを基準にしており、持株会社設立以来9件のM&Aすべてが黒字化している。一例を挙げると、ケース1では、M&A直前期の売上高が4,228百万円、営業損失が390百万円であったが、M&A後3期目ではそれぞれ6,139百万円、215百万円と増収及び黒字転換を果たした。さらに直近期では、売上高が10,346百万円、営業利益が464百万円、営業利益率はM&A後3期目の3.5%から4.4%へ改善した。ケース3では、M&A直前期の売上高が3,456百万円、営業損失が79百万円であったが、M&A後3期目にはそれぞれ4,813百万円、231百万円と増収及び黒字転換を果たし、直近期ではそれぞれ23,105百万円、1,249百万円に拡大している。
輸入車ディーラーの全体像を見ると、同社が取扱う10ブランドに対して、運営会社は合計307社、拠点数は694拠点あり、1事業会社当たり平均2.2店舗を運営していることになる。また、同社未取扱いブランド8社(一例)では、1事業会社当たり平均2.3店舗を運営していることになる。これらの結果から、全国に多くのM&Aターゲットが存在しており、成長余地があると言える。また、事業会社の数だけ事業継承等の経営上の悩みがあると考えられることから、M&Aを通しての社会課題解決が可能と弊社では見ている。
(4) 店舗投資など
店舗への投資は、来場客数や顧客満足度(CS)向上によるリピーターの増加につながる。このため、既存店舗への投資として、最新CIに準拠してサービス品質の向上を図るとともに、より好立地で経営効率の向上が見込まれるロケーションに移転することを進めている。一方、新規店舗への投資により商圏の拡大や既存エリアの補完、既存ブランドの業容拡大を狙う。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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