ファーマフーズ、連結売上高は前年比41.3%増と大幅伸長 事業拡大を見据え、下期も積極的な投資を実行予定
セグメント区分及び名称の変更について
益田和二行氏(以下、益田):益田でございます。よろしくお願いいたします。まず、セグメント区分の名称変更についてです。これまでは機能性素材事業、通信販売事業、バイオメディカル事業という名称でしたが、BtoB事業、BtoC事業、バイオメディカル事業の3セグメントに変更しました。
内容としては、昨年9月の明治薬品子会社化により事業形態が少し変わりました。社内的な問題ですが、明治薬品が医薬品の受託製造販売を行っているCMO(医薬品製造受託)事業と、ドラッグストア向けなどの医薬品の卸売を行っているCHC事業をBtoB事業に入れています。
明治薬品はファーマフーズグループに入ってからリピート通販事業を始めましたが、こちらはBtoC事業に入れています。
また、アンテグラルという会社を4月1日付で吸収合併するため、バイオメディカル事業にプロテオーム解析事業を追加する予定です。こちらは後ほど代表の金よりトピックスで詳しくご説明します。
セグメント別ハイライト
ポイントですが、売上高及び利益は過去最高となりました。要因については、後ほど各セグメントにて詳しくご説明します。
BtoB事業のトピックスです。明治薬品の医薬品製造受託事業を取り込み、さらに明治薬品で推し進めている越境ECと一緒に進めようとしているファーマフーズの越境ECも、非常に好調に推移しています。
GABAなどの素材事業の製品に関しては、新型コロナウイルスの影響で各メーカーの新規上市が見送られたものもありましたが、後半に発売予定の大型の商品がいくつかありますので、期待したいと思います。
BtoC事業は、広告投資を行って回収するというビジネスモデルを続けています。ファーマフーズについては、まつげ美容液の売上が非常に好調です。明治薬品では、年明けくらいから本格的に力を入れ始めたダイエット関連でヒット商品が生まれてきています。こちらも非常に好調で、後半に期待できると思います。
バイオメディカル事業は、本丸である創薬の導出に向けて、引き続き研究開発やリサーチに注力しています。さらには、新しいシーズである抗体開発も並行して行っています。なかなか時間がかかっている部分もありますが、人数も揃ってきていますので、今後新しい発表ができるように全力で動いているところです。
連結売上高
連結売上高の数字です。BtoB事業は前年比214.8パーセント増となりました。こちらは、明治薬品がグループ会社に入ったことによる影響が大きく出ています。BtoC事業も前年比33.1パーセント増と、こちらも顕著に伸びてきている状況です。
バイオメディカル事業は、昨年に契約一時金をいただいている影響でマイナスとはなっていますが、どちらかと言いますと、売上高よりも研究内容に注目していただければと思っています。
連結売上高は、前年比41.3パーセント増となりました。明治薬品がグループ化したことを加味しても、十分に成長していると言っていただけるような数字になっていると分析しています。
各分野で伸びていますが、グループ会社となった明治薬品でも期待できるような事業内容が出てきています。トータルで見ても41.3パーセント増ということで、我々としては内容的にも非常に満足のいく前期だったと考えています。
セグメント利益
セグメント利益です。BtoB事業は前年比67.5パーセント増となりました。BtoC事業は昨年がマイナスですのであまり参考になりませんが、プラス20億円ほどとなっています。
バイオメディカル事業は研究投資が先行型のため、マイナス1億3,800万円となりました。全社費用などが入り、合計はプラス20億円ほどで、過去最高利益となっています。
できれば投資をもっと行い、計画どおりの利益を出したかったのですが、思っていたよりも内容がよく、広告も含めて投資先が見つかったのが半期が終わる直前で少し遅れたということもあり、このような数字になっています。このあたりは通期でバランスをとって投資していくということで、経営方針を固めています。
営業利益増減分析
「あいかわらず広告宣伝費が多い」とご指摘いただくかもしれませんが、1年から1年半での回収ができるようにKPIをしっかりチェックして広告運用を行っていますので、1件ずつ見ていくと無駄な投資は行っていないと自負しています。
前回、研究開発費が少ないというご指摘もありました。お金をかけることだけが研究ではなく、さまざまなリサーチや大学との共同研究、ドライでの研究と言われるところを主軸に置いて進めています。
そのような意味で、投資だけが研究開発ではないという点をおわかりいただければと思っています。
研究開発にお金をかける時はまとめてかけますし、広告にも同様のことが言えると思います。メリハリのある投資を行い、中長期的に利益をしっかりと出せる投資を行っていきたいと思っています。
研究のステージが進むと動物試験やヒト試験となるため、桁が1つくらい上がるような投資を行う時が必ず来ます。そのような投資にも思い切ってアクセルを踏めるように財務体制をしっかりと固めていきたいと考えています。
我々としては、あくまでも研究開発型のバイオ企業であることをお見せできるように、引き続き経営を行っていきます。
連結四半期業績推移
四半期の業績推移です。広告投資によって、第3四半期が伸びているところもあれば第4四半期が落ち込んでいるところもあり、多少のでこぼこがあります。
トータルで見ると右肩上がりのグラフになっていると思いますので、優良な投資先や研究開発に投資することで、このようなグラフをしっかりと作っていけるように努力していきたいと思っています。
また、M&Aや新たな業務提携のため、いろいろなアクションを起こしています。シナジーのある事業に関係するところと組み、さらなる飛躍を目指していきます。
アライアンスについては、売上が少しずつ大きくなっていることもあり、隣に研究所がある三洋化成をはじめ、ロート製薬など今まで関係があったところからもお話をいただくことも増えてきています。
今後もしっかりシナジーが創出でき、実業を互いにサポートできる企業と積極的に組むことで、自社に足りない部分を補い、さらなる成長に弾みをつけたいと考えています。こちらは代表の金をはじめ、さまざまなところで話を進めている状況です。
みなさまに期待を持っていただけるようなニュースを、今後も発信できるのではないかと思っています。
アイテム別売上
アイテム別売上について、細かく見ていきます。BtoB事業は先ほどお伝えしたとおり、新型コロナウイルスの影響で国内の新商品は低調な部分もありますが、例年どおりの進捗です。
明治薬品のCMO事業とCHC事業ですが、受託製造のCMO事業は16億円、CHC事業は8億6,000万円がプラスされています。
私が代表を務めていますが、受託製造は非常に引き合いがあります。富山県内を含め、各地方の製薬メーカーなどでかなりいろいろな問題が起きており、工場がまったく足りずに大手製薬メーカーも工場を探しているという状況です。
ジェネリック医薬品が足りなかったり、OTC医薬品でも風邪薬以外はかなり好調で、そのようなものを作ってもらえないかという引き合いもかなり多くなっています。
引き合いはかなり多い状況ですが、今こそしっかりと体制を精査し、より利益率の高い工場運営を行いたいと思っています。工場を動かすという意味では、数字を急に倍にするのは難しいのですが、利益構造をよくしていくことは可能だと考えています。
CMO事業の利益構造を改善し工場運営をしっかり行いながら、利益によって現在の状況に適合する工場の体制を作りたいと思います。いろいろな問題が起きている中で、しっかりと工場運営ができていることは、製薬業界の中でも評価される事項だと思います。
業界の問題を受けて現在コンプライアンスの見直しを行っていますので、それらが揃えばCMO事業もしっかりと伸ばしていくことができるのではないかと肌で感じており、そのような経営を心がけています。
CHC事業は中国の越境ECの割合が高いです。今まではライセンス契約を結んだブランドの販売も行っていましたが、今年からはすべて明治薬品の自社ブランドで販売を進めています。利益率も上がり、明治薬品のブランド力も徐々についてきていると自負しています。
例えば、ファーマフーズの「ニューモ」なども同じラインに載せて、中国、東南アジアを含めて商品を流通させることで、より高いシナジーが得られるのではないかと考えています。
国内向けドラッグは、インバウンドの旅行者の低下で販売は落ち込んでいますが、越境ECについては引き続き伸びています。
そこにファーマフーズの通販で売っているようなサプリメントやフューチャーラボで売っているような化粧品のラインナップを揃えることで、より高い数字が出せるのではないかと、私自身もかなり期待しています。
海外は与信管理の問題などもありますので、そのあたりをコントロールすれば、ファーマフーズを含めたBtoB事業はもう少し急激な伸びを実現できるのではないかと思っています。
機能性表示食品受理件数
機能性表示食品の受理件数です。1位はGABAで、引き続き採用が非常に増えています。スライドには数字を出していませんが、さきほどお伝えしたCHC事業の明治薬品は、機能性表示食品の登録件数が日本でおおよそ20番目だと新聞にも掲載されていました。
GABAもそうですが、さまざま商品を機能性食品として登録し、国内のドラッグストア向け商品の強化や、中国、東南アジア向けの越境ECなどにも積極的に展開することで、将来的に期待の持てる商品に育っていくと確信しています。もちろん通販でも売っていくつもりです。
四半期業績推移①
四半期の推移です。明治薬品の数字が入っているため、なかなか比較しづらいのですが、第3四半期、第4四半期に注目していただくと、今後の期待値がより明確にわかると思います。ぜひ、期待して見守っていただければと思っています。
アイテム別売上高
BtoC事業は昨年から引き続き、「ニューモ」のサプリやまつ毛美容液、シャンプーなどが好調です。また、ロート製薬とのアライアンスを組み、ルーペを販売しています。
「ファーマフーズがルーペなど売っても全然儲からないのではないか」など、厳しいお言葉をいただきますが、実はルーペを購入したお客様には「ロートV5粒」を定期購入いただいている実績があります。こちらも非常に好調で、ありがたいことに定期購入のお客さまの数も増えている状況です。
化粧品はそれほど伸びていませんが、第2四半期後半でヒットした広告も出てきているため、第3四半期、第4四半期と、ぜひ期待していただければと思っています。
「ニューモ育毛剤」は市場をかなり獲っています。今後、爆発的に伸びることはないと思いますが、たくさんのお客さまに新製品の購入を続けていただく意味でも開発をしっかり行っていきます。
例えば、ダイエット商品の販売が好調だとお伝えしましたが、明治薬品でダイエットサプリを購入し離脱したお客さまに対して、明治薬品の漢方薬などにスイッチしていただくことで、LTVを上げていきます。
育毛剤についても、関連する漢方を販売することで、一度ご縁のあったお客さまに末永くお付き合いいただくなど、戦略の幅が広がりつつあります。確実に数字に表れるところまでテストは終わっているため、後半、来期にそのあたりも期待して見ていただければと思っています。
明治薬品の子会社化により、「ニューモ」だけでなくさまざまな商品に幅を広げ、お客さまに末永くお付き合いいただける体制になっていると確信しています。
定期顧客件数
定期顧客件数の推移です。微増のように見えますが、これだけお客さまがいると、離脱する方も一定数以上いるのは仕方のないことです。離脱の回避と単価の向上、ロイヤリティの向上のため、先ほどお伝えしたような施策を打ち、お客さまの数をしっかり増やしていきたいと思っています。
正直にお伝えすると、売上が急激に伸びた時期に、電話がつながらないなどお叱りのお言葉をいただいたのも事実です。そのようなことを二度と起こさないために、インフラ構築や伝票入力の自動化など、さまざまな業務の効率化を行い、お客さまに永くお付き合いいただくことを心がけています。
明治薬品のリピート通販は、「シボラナイトGOLD」が立ち上がったことにより、今後の顧客数はもう少し増えていくと予想しています。
広告宣伝費と定期顧客件数
広告宣伝費と定期顧客件数の推移ですが、もちろん相関性がありますので、しっかりコントロールし、1年から1年半の回収を目標に今後も広告宣伝を行っていきます。
四半期業績推移②
四半期業績推移についても先ほどのグラフと同じく凸凹はありますが、全体的に見ると右肩上がりと考えています。広告の効率などをもう少しシビアに見て、利益率を高くしていきたいと思います。
AI、バイオインフォマティクス専任チーム立ち上げ
バイオメディカル事業です。新しい動きとして、AIを使ってベストな抗体を最短で見出す取り組みをしています。研究開発において、ファーマフーズはどちらかと言うと手作業でコツコツと真面目に試験を行ってきましたが、研究者の間では、抗体の作製は砂漠からダイヤモンドを見つけるようなものだとよく言われます。
そのような無駄な時間を省くため、AIを使ってベストな抗体を最短で見つけることを目標に、さまざまなところとアライアンスを組んでいます。ファーマフーズでも、専門のAIチームを作り、作業の効率化に力を入れています。
四半期業績推移③
四半期業績推移です。売上は毎月上がるものではないのですが、しっかり利益を出せるような体制にしていくため、1つでも多く新しい種を見つけようと取り組んでいます。私からの説明は以上です。
【研究開発】(1) 創薬ターゲット探索強化、研究人員採用強化
金武祚氏:代表取締役社長の金武祚でございます。続いてトピックスについてご説明します。先ほど、専務の益田が業績について定量的、数値的にご説明しました。私は今期、投資家のみなさまに、売上高を少なくとも600億以上にすると約束しています。
その次の約束は、5年以内に少なくとも売上高1,000億企業に入ることです。それに伴ったトピックスとして、研究開発でどのようなことを行っているのか、みなさまに3つお話しできるかと思います。
1つ目は抗体の話です。2つ目は創薬に続いて化成品部門への進出、3つ目は脳機能ドリンクの開発です。これらをトピックスとして、最新のトレンドをお話したいと思います。
私たちにとって一番大事なことはやはり創薬です。みなさまも「創薬はどうなっているか」に関心をお持ちだと思います。これは相手先がいるため極めて難しいのですが、「大変うまくいっている」と言っても過言ではないと思っています。
刻々と入ってくるクリニカルのデータからは、非常にうまくいっていることがわかります。これに対応すべく、バイオインフォマティクス、いわゆるAIを用いて、ドラッグディスカバリーを行うチームを2年前に作っていますので、まったく新しい技術手法で抗体を探せるということです。
マテリアルインフォマティクスと言ってもよいのですが、抗体を研究で探し出すより、コンピュータ上で探すことで最短化、最適化を図っています。
その補強のため、アンテグラルを4月1日に吸収合併しますが、実はこの吸収合併には1年かかりました。みなさまもよくご存知かもしれませんが、アンテグラルは30年前からタンパクの解析において世界一のグループに属し、大阪大学から出た初めてのグループだと聞いています。
この研究集団と縁があったため、抗体を素早く、精密に作製するためにはこの技術が必要だということで接触しました。ピコ単位でタンパク質構造を解析できる素晴らしい技術です。この技術者集団が私たちのグループに入ります。
もう1つは、少し前に発表しましたが、次世代抗体開発研究組織との提携です。約15億円の補助金で次世代の新しい抗体を作ります。重要なのは、シード抗体という基本の種抗体で、技術は「ALAgene technology(アラジンテクノロジー)」と明記していることです。
このように、バイオインフォマティクス、タンパクの専門家、第三者機関として大きな組織である次世代抗体グループにより、今後出てくると想定される、次の臨床検査を加速させる準備段階にあります。
これ以上はお伝えできないのですが、ぜひ期待していただきたいと思います。
私たちの今までの研究は、2021年に田辺三菱製薬にライセンスアウトした抗体だけではありません。自己免疫疾患のマーケットは現在6兆円くらいですが、近いうちに12兆円になると言われている分野に、田辺三菱製薬と参入しています。しかしそれとは別に、2つの疾患について抗体を開発しており、基礎研究では非常によいデータが出ています。
田辺三菱製薬では新しい疾患やアンメット・メディカル・ニーズにおいて、自己免疫疾患領域の抗体医薬品開発を通じ、私たちが蓄積してきたノウハウを用いて抗体の開発に取り組んでいます。この取り組みが売上高1,000億以上の近道になると私は信じていますし、私が責任を持って取り組みます。
【研究開発】(2) 卵殻膜繊維に脚光
化成品部門への進出についてです。ファーマフーズがプラスチックを開発するわけではなく、卵殻膜繊維の開発です。
日本では年間約260万トンの卵が食されていますが、その中で廃棄される卵殻は26万トン、卵殻膜が1万トンあります。私たちは卵殻膜について約25年前から研究開発し、最近実用化の目処がつきました。これはNHKで特集されると聞いています。
今後ファーマフーズの卵殻膜がどのようなところで使われるかということについては、スライドをご覧ください。製品を作るためには、まず卵殻膜を集めて溶かします。レーヨンと混合し綿を作り糸を織ることで繊維ができます。
この工程にたどり着くまでも時間がかかりましたが、約3年前に、スライドにあるような肌着ができ、さまざまな女性に試着していただきました。訴求方法として抗菌性や抗ウイルス性、消臭性を考えたのですが、女性たちからは「着心地がよい」という感想を得ることができました。
これは非常に大きなマーケットだと聞いています。女性にとって大事な肌着をこの繊維で開発すれば、きっと世界中で支持されるだろうということで、おそらく年内にマーケットができると思います。
NHKがさまざまなところで特集すると聞いていますが、この事業の本質は廃棄物による環境問題だと考えていました。これはファーマフーズがSDGsに真剣に取り組むということで、非常に重要だと考えています。
【研究開発】(3) 認知機能改善に関する共同研究(22年4月~)
昨年より、コカ・コーラが「からだおだやか茶W」を販売しています。今年初めにリニューアル発売したのですが、これに私たちのGABAが入りました。パッケージには「記憶力向上」と記載されていますが、私はこの商品への強い思い入れがあります。
これからの未来医学において、人類、そして日本国民の高齢化ほど確実な予測はありません。それに伴い、アルツハイマー、つまり脳が非常に劣化するため、製薬会社がいろいろなことに取り組んでいます。しかし、私は改善の鍵は食品にあると自負しています。
なぜならば、脳機能の低下には、老廃物、血流の改善、神経細胞の活性の少なくとも3つが関係しており、これらがくまなくバランスよく動くことが必要だと思っているためです。
ところが、製薬会社の方々は老廃物のみと闘おうとしているという話です。これは私の考えで、間違っているかもしれませんが、製薬会社が抗生物質のように、ある病原菌、もしくはウイルスと闘うための発想で取り組んでいるとすれば、人間の脳機能はなかなか改善できないと思います。
私たちは、研究によって少なくとも40歳くらいから脳機能が低下することがわかったため、脳機能の改善のため20年前からある食品素材を食べるようにしています。今回は第1弾として、コカ・コーラとタイアップした商品ができました。ここまで随分時間をかけ、データを取って研究してきましたが、まだ緒に就いたばかりだと思っています。
私たちはコカ・コーラに採用されたGABAのほか、スライド中央に記載している、食品X、食品Yをすでに開発しています。そして、GABA、食品X、食品Yを足して、少なくとも3つの最適化のカクテル理論を作るという動物実験を終えました。
スライドにも記載していますが、実は昨年から国立循環器病研究センターといろいろな協議を行っています。来月4月からの5年間でカクテル理論について再度動物実験を行い、その後、ヒトでも実験して、カクテル理論のドリンクを出します。これはおそらく食品会社が最後に夢見る素材となります。
第1弾はコカ・コーラから出ましたが、第2弾はもっとサイズを小さくし、小瓶でみなさまが毎日飲むようなものを作ります。今、プロトタイプができているため、これを用いて少なくとも5年以内に、「脳カクテルドリンク」ができると私は確信しています。どうぞみなさま期待していただければと思います。
【M&Aシナジー】明治薬品
先ほど専務の益田よりお話しした、M&Aのシナジーについてです。縁あって、70年の歴史がある会社をグループ化しました。たった5ヶ月しか経っていませんが大変うまくいっています。
【M&Aシナジー】明治薬品 定期顧客件数10万件突破
明治薬品には商品もありますが、高度な技術力と70年の歴史がありますので、発想力が違います。M&A後はこれまでとは違い、いわば下請けとなりますので、今までの宝物をもう一度掘り起こしました。そして、消費者の目線で取り組むということになり、その第1弾の「シボラナイトGOLD」を去年12月から販売開始しています。
「シボラナイトGOLD」は、ダイエットの際に有用なエラグ酸という成分が入っているフルーツを探し出し研究開発した結果、1月に販売をスタートして、3月時点で顧客件数は10万件となっています。
このような成功体験により、明治薬品のグループでも「私たちもやれる」と、よいチームワークができたと聞いています。どうぞご期待ください。
【2025年大阪・関西万博】開催概要
本日11時から大阪府の吉村知事、大阪市の松井市長、大阪大学の森下先生とWebでお話ししました。結論として、2025年の大阪万博に当社が参画することの許可をいただきました。2025年に大阪で万博が開催されると聞いた2年前から、ファーマフーズが真のグローバル進出を果たす大きな礎になるのではないかと考えて、取り組んできました。
【2025年大阪・関西万博】大阪パビリオン出展
1年半くらいかけて、卵の高度利用についてご説明してきましたが、万博推進局の局長が来た際もいろいろとヒアリングを受けました。1個60グラムの卵を3週間温めると、ひよこが出ます。審査員が「山中先生のiPS細胞より巨大じゃないか」ということを言っていましたが、そのとおりです。卵は生命が育む巨大細胞で、それを私たちはサイエンスの目で見ています。
先ほどもお話ししたように、卵から医薬品ができ、そして衣服、繊維もできます。卵を知らないという人はいないと思いますが、「誰もが知っている素材から、誰もが気が付かなかったことをやろう」と提案したところ、「大いにやりなさい」というお言葉をいただき、大阪万博への参画が決まりました。
開催まではまだ3年あるため、3年後のファーマーズの成長を頭で描いています。出展にはいろいろな費用がかかると思いますが、「タマゴは地球人を救う」をキャッチフレーズに取り組んでいきます。
また、スライドの5番目には「ニワトリから抗体医薬(ALAgene technology)」という項目が入っていますが、これは「タマゴから、ニワトリから医薬ができる」というものです。おそらくその時代には、田辺三菱製薬もその他の製薬会社もさらに進化しています。私たちが「ファーマフーズ・京都発・バイオベンチャー」として、海外、国際的に進出する地点になると思っています。
M&A、アライアンスを引続き強化
私たちは未来ビジョンを投資家のみなさま、アナリストの方々にご説明してきました。スライドに記載のとおり、今はアライアンスが続いていますが、引き続き進めていきます。自力で行うには限界があるため、大きな企業への成長路線の一環として、資本業務提携、第三者割、M&Aなどを機会があるごとに積極的に行っています。また、費用が必要であれば使い、投資しながら、健全に会社を大きくしていきたいと思っています。
下期のポイント
益田:下期業績予想について、繰り返しになる部分があると思いますが、もう一度お伝えします。BtoB事業は、GABAの飲料メーカーの新商品の発売なども予定しています。新型コロナウイルスの影響で後ろ倒しになっていた部分が続々と出てくるため、こちらを楽しみにしていただければと思っています。
さらに、明治薬品では卸売りや越境ECが非常に強い動きを見せています。この販売ルートに載せて、ファーマフーズの商品などを強化していく予定です。このあたりはすぐに結果が出るようなことではないと思いますが、すでに販売ルートを確保しているため、そのようなところに商品を載せていくことで、今後の広がりを期待しています。
BtoCもいろいろな商品がありますが、競争力のある商品の開発や、積極的なクリエイティブにより今以上にラインナップを増やし、しっかりと販売していきます。当社は研究開発の会社で、ノウハウも受け皿もあるため、よりよい商品の開発が急務ではないかと思っています。
ノウハウなどの足りない部分は、ロート製薬などに援助してもらいながら取り組んでいますが、やはり自社商品を売ったほうが利益率も高いため、積極的な開発投資は販売力の強化につながると思っています。上半期の新しい商品は明治薬品で売っていたものが多いのですが、来期以降はより新しく楽しい商品ができると確信しています。
バイオメディカル事業については、4月から仲間になるアンテグラルのメンバーとの新しい取り組みにも注目していただきたいと思います。先ほど、大阪万博が1つの節目になるように今は動いているとお伝えしました。AI化に取り組むことで、時代のニーズに沿った研究を行い、2025年には今までは考えられなかったような成果が出せるように、引き続き努力していきたいと思っています。
しかし、期待値ばかりをお伝えしても仕方ありません。今後、はっきりと名前や数字を出せるような発表も行う予定ですが、相手先との契約や機密保持のため途中段階ではなかなか言えないのが心苦しいところです。しっかりと早く結果を出して、みなさまに「さすが、ファーマフーズ。よくやったな」と言っていただけるような研究を行っていきたいと思います。
業績予想値から変更なし
売上高は600億円を超える予想です。営業利益は57億円で、昨年と比べると伸び率は十分にあります。業績予想値をしっかりとクリアすることで、「5年以内に1,000億円達成します」と社長の金もお伝えしました。
売上高600億円を達成したとしても、1,000億円に達するには売上を倍近く伸ばしていかないといけません。もちろん利益を出しながら目指していきますが、できれば投資に回し、積極的な売上の増加と、将来的に利益率が本当によい会社となるように、今の段階からしっかりと作っていきたいと思っています。
このあたりはバランスを見ながら、株主さまのご理解を得て、しっかりとした運営を引き続き行っていきます。みなさまと約束したことでもありますので、後半に向けて十分に精査して、達成できるように努力していきます。
1点お詫びをするとすれば、私が今、明治薬品の代表になっていることで、その分少しだけ明治薬品のパートに力を入れてご説明してしまったかもしれません。全グループを挙げて「売上高1,000億円を達成するぞ」という気持ちも非常に高まっています。新たにグループに入った明治薬品でも、その意志が非常に浸透してきています。売上高1,000億円、そして大阪万博という目に見える目標があるため、全員がやりがいを感じて取り組んでいる雰囲気で満ちている、絶対に達成できると確信しています。
最後は気持ちの入った話になりましたが、以上が来期の業績予測と今期のご説明となります。
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