強い先安感 短期的に2段目の窓下限を目指す
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 184.74 ドル安の 32632.64、ナスダック総合指数は 35.41 ポイント安の 12795.55 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 24720 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はやや軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、長い上ひげが出現。後場に入ってから下落幅を拡大しており、強い先安観が残っている。本日はやや軟調スタートが予想され、下値を試す動きとなるだろう。日経平均は現在、「真空地帯」を通過しており、何かと下振れしやすい。下方には2つの窓が空いており、これを連鎖的に埋める可能性があるのだ。短期的には2段目の窓下限(23370 円)までの下落余地があり、目先はこれを目指す動きとなるだろう。
焦点のウクライナ情勢は、小康状態を保っている。株式市場としては手掛かり材料が乏しく、朝方は積極的に売買する動きは控えられるだろう。
ただ、日経平均は株価水準を切り下げており、投資家のリスク許容度は極端に低下している。何かと換金売りが出やすい状態にあるのだ。朝方の下落は小幅かもしれないが、その後は改めて下値を模索する動きが優勢になりそうだ。日経平均は再び下落幅を拡大させるに違いない。
そのようななか、日本にとっては衝撃的なニュースが流れてきた。1月の経常収支が1兆2000 億円程度の赤字になったというのだ。日本はこれまで安定的な「経常黒字国」であったが、最近のエネルギー高騰の煽りを受け、貿易収支が極端に悪化。それが経常収支にも影響してきた格好だ。
ここで気になるのが、こういった国際収支が為替にどのような影響を与えるか、ということ。結論から言えば、「あまり関係ない」だろう。確かに貿易・経常収支の赤字は、円安になりかねない事象である。しかし、最近は日本企業が海外で得た資金を還流することなく、「対外資産」として外国にとどめている。これまでの「為替の常識」が覆されているのだ。為替はもっぱら「金利差(短期)」「インフレ格差(長期)」に左右されやすく、この手の貿易(経常)収支の影響を受けづらい。さらに最近のウクライナ情勢に関しても、日本はやや距離を置いた存在。欧州通貨に比べて、為替が変化しづらい状況にある。ドル・円相場が膠着感を強めているのは、そういった意味もあるのだろう。
投資家の関心事は、今週のメジャーSQ、そして来週の米 FOMC へと移っていきそうだ。ウクライナ情勢は変化があり次第、適宜、反応するといった格好。投資家は「売りポジション」を持ったまま、相場の底入れのシグナルに聞き耳を立てることなる。
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