今週は、信用期日にメジャーSQも加わり、セリングクライマックス的な動きの可能性も

著者:出島 昇
投稿:2022/03/07 18:17

先週は、想定通り27000円水準を上値に下値を試す動きとなり26000円を切って引けました。

先週の予測では、27000円水準を上値に様子見とし、ウクライナ情勢によっては、再び急落の可能性があるとしました。NYダウは1月に続く2月の急落は、チャートでは2段下げの下放れとなっており、「陰転」を確定させているとしました。日経平均も同じく2段下げの形となっています。

日経平均のチャーチ(柴田罫線)で説明すると、昨年の8月20日の26954円を安値とし、9月14日の30795円を高値とする三角保ち合いの中で煮詰まって下放れし、今年の1月27日に26044円まで下げました。
ここから2月10日に27880円の戻り高値をつけたあと、2月24日には25775円まで下げて、1月27日の26044円を下に切り、2段下げとなりました。

ロシアのウクライナ侵攻が始まったことで先週は、27000円以上は上値は重いとしましたが、先週は28日(月)に26262円まで下げ、翌日3月1日(火)に27013円まで上昇し、2日(水)には26313円まで下げ、3日(木)には26704円と大きく上下動を繰り返しました。

目先の下値目標は、2月24日の25775円とし、すでに2段下げに入っていますので、ロシアの軍事行動によっては、まだ下がるとしました。
結局、週末の4日(金)は、前場にロシア軍の攻撃により、ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポリジエ原子力発電所で火災が発生したというニュースで一時▲802円の25774円(2月24日の25775円を1円下回る)まで下げ、後場になると下げ渋る動きとなるものの、ウクライナリスクが意識される中、週末要因も重なり弱い動きが続き、終値は▲591円の25985円で引けました。

4日(金)の米国市場は、2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数は、前月比が市場予想を上回り、失業率も3.8%(前月4.0%)と改善しましたが、ウクライナでのロシアの原子力発電所攻撃、占領を受けプラス要因とはなりませんでした。NYダウは一時▲540ドルの33254ドルまで下げましたが、終値は▲179ドルの33614ドルとなりました。ドル/円は、1ドル=114.80円となり、シカゴの日経先物は▲230円の25870円でした。

今週は、信用期日にメジャーSQも加わり、セリングクライマックス的な動きの可能性も

今週は、昨年の9月14日の高値(30795円)からの信用期日を控え、メジャーSQが11日にあり、又、ウクライナ情勢が先週末、一段と悪化したこともあり要注意の週となります。4日(金)は、日経平均はロシアによるウクライナの原子力発電所への攻撃と占領を受け、日米ともに株価は一時大きな下げとなりました。日経平均は2月24日の年初来安値25775円を1円更新し、25774円をつけました。

この流れから今週は信用期日を控えている中で11日のメジャーSQがありますので注意が必要です。ウクライナ情勢の悪化が続けばセリングクライマックス的な動きも想定されますが、その場合はリスクを取れる人はリバウンド狙いで25000円水準以下を狙うことになります。リスクを少なくする人は、75日移動平均線がある(4日時点28028円)を突破するまでは様子見がよいでしょう。

本日7日(月)は、寄り付きは、ウクライナ情勢の悪化が懸念さていることや、先週末の欧米株式が下落した流れを受け、リスク回避の売りが先行し、また、米国と欧州同盟国がロシアからの石油輸入禁止を検討していると伝わり、NY原油先物が急騰し、時間外取引の米株価指数先物安も重しとなり、前場には25006円まで下落しました。売り一巡後は、日銀のETF買い期待を支えに後場後半にかけて下げ渋りましたが戻りは限定的で▲764円の25221円で引けました。

(指標)日経平均

先週の予測では、1月27日の26004円を下に切って2月24日に25775円まで下落しました。目先は下げ過ぎとの見方もありますが、2月24日に25775円まで下落したことで、2段下げとなり、戻したあと注意が必要としました。

結果的に3月1日に27013円まで戻したあと、早くももみあって下げに転じ、週末4日(金)は25774円まで下げて1円だけ安値更新し、終値は▲591円の25985円となりました。
先週の4日(金)は、株式市場に落ち着きがみられていたところにロシアがウクライナ南東部にあるザポリジエ原子力発電所(欧州で最大規模)を攻撃したニュースで一時▲802円の25774円と下限を切り下げ、終値は▲591円の25985円となりました。

今週は、昨年9月14日の高値30795円の信用期日が迫っている上、11日はメジャーSQがあり、これにウクライナ情勢の悪化が加われば、セリングクライマックス的な動きになる可能性もあります。予想レンジは24500~26500円とします。


 

(指標)NYダウ

先週の予測では、引き続きロシアのウクライナ侵攻後の展開やFRBの利上げを警戒し神経質な動きを想定しました。3月1日(火)は、ウクライナ情勢が悪化し、原油が7年5ヶ月ぶりの高値106ドル台へ急騰したことで、▲597ドルの33294ドルと大幅下落。

2日(水)になるとパウエル議長が金融政策正常化を注意深く進めるとし、これまで3月のFOMCで0.5%の利上げとみられていたものが、0.25%が妥当と修正されたことで、△596ドルの33891ドルと急反発しました。

その後、3日(木)は▲96ドルの33794ドルと反落し、さらに週末4日(金)はウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポリジエ原子力発電所をロシアが攻撃したニュースを受け、一時▲540ドルの33254ドルまで下げ、終値は▲179ドルの33614ドルで引けました。

ロシアのウクライナ攻撃の行方が不透明なことで、2週間誤に控えているFOMCを前に警戒感から都投資家心理が悪化して買い手控えが優勢になりそうです。一方で政府がコロナ規制を緩和しており、経済が正常化になりつつあることで押し目買いを探る展開になる可能性もあります。


 

(指標)ドル/円

先週の動き

先週は、ロシアのウクライナ攻撃が激しさを増し、3月4日(金)は、ウクライナ南東部にあるザポリジエ原子力発電所への攻撃及び占領となり、リスク回避的な円買いが観測されました。また原油価格の上昇から世界経済の減速が懸念され、円買いにつながりました。この日は115.46円から114.65円までのドル売り・円買いとなり、114.85円で引けました。

今週の見通し

今週も基本的には、114.50~115.50円のレンジでのもみあいを想定。ロシアとウクライナの停戦協議は期待できず、混迷を深めることからリスク回避的な円買いが大幅に縮小する可能性は低く115円をはさんだもみあいが想定されます。
 

 

配信元: みんかぶ株式コラム