先週は、ウクライナ攻撃が現実的なものとなり、24日(木)に急落し、そこから反転に転じる
先週の予測では、ウクライナ情勢をみながら、26500~27500円のレンジの中での動きを想定しました。この時点では、ロシアがウクライナを攻撃するとの見方は、ほとんどありませんでしたので、攻撃ギリギリの状況に追い込んだとしても26500円を下回ることは想定しませんでした。ところが、24日(木)にロシア軍はウクライナの首都キエフなどの軍事施設をミサイル空爆し、ウクライナ侵攻を開始しました。
先週は、23日(水)に休日をはさんでいることで、動きにくい中、先々週17日(木)からロシアのウクライナ侵攻への懸念で株価は下落に転じており、ロシアの動きをみながらの相場展開となりました。
結局、休日をはさんだ24日(木)まで5日続落となり、終値で▲478円の25970円と1年3ヶ月ぶりの25000円台となりました。この日の引け後にロシアはウクライナを攻撃し、NYダウは一時▲859ドルの32272ドルまで下げ、売り一巡後は戻して△92ドルの33223ドルと6日ぶりに反発したことで、日経平均も6日ぶりの大幅反発となりました。
2月21日(月)は、ウクライナ問題で一時▲573円の26549円まで下げましたが、米ロ首脳会談への期待から▲123円の26998円まで下げ幅を縮小し、▲211円の26910円と3日続落で引けました。
22日(火)は、前日の米国市場は、プレジデントデーで休日でしたが、ウクライナ情勢が悪化(プーチン大統領がウクライナ東部の親ロシア派地域の独立を承認)したことで、一時▲667円の26243円まで下落し、終値は▲461円の26449円となり、終値で26500円を割り込みました。
23日(水)は、天皇誕生日で休日でしたが、NYダウは22日(火)▲482ドル、23日(水)▲464ドルとロシアのウクライナ本格侵攻への警戒感から大きく下げていました。
そのような中で、24日(木)は、休日をはさんだ米国株の5日続落を嫌気し、▲168円の26281円で寄り付いたあと、プーチン大統領がロシア軍にウクライナ東部の住民を保護するための活動を許可したことで、日経平均は一時▲673円の25775円まで下げ、終値は▲478円の25970円と終値ベースで1年3ヶ月ぶりの25000円台となりました。
この日の引け後の米国では、ロシアのウクライナ侵攻で急落してスタートするものの、売り一巡後は3指標とも反発して引けました。NYダウは▲859ドルの32272ドルまで下げましたが、戻して△92ドルの33223ドルと6日ぶりに反発、ナスダックは12587Pまで下げて436Pの13473Pで引けました。
これを受けて週末25日(金)の日経平均は、△242円の26213円で寄り付くと△449円の26419円まで反発し、前引けは△382円の26353円でした。後場も続いて堅調に推移し、取引終了前には買い戻しの動きが出たもようで△510円の26481円の高値をつけ、終値は△505円の26476円で引けました。
25日(金)の米国市場は、NYダウは△834ドルの大幅続伸となりました。ロシアがウクライナとの停戦交渉のためにベラルーシの首都ミンスクに代表団を送る準備ができていると報じられたことで、過度な警戒感が後退しました。前日はNYダウは△92ドルでしたが、ナスダックが△436Pと大幅反発となっていたことで、それを追いかけるように△834ドルと大幅続伸となりました。シカゴの日経先物は△480円の26980円となっていました。
今週は、27000円水準を上値に様子見か
今週は、先週の24日(木)に、ロシアがウクライナに侵攻し、NYダウは一時▲859ドルの32272ドルまで下げたものの、ここから急反発し、△92ドルで終わり、週末は△834ドルの34058ドルと大幅続伸となったことで、日経平均も先週末の△505円の26476円に続き、27000円水準への上昇で始まる可能性があります。
但し、買い戻し中心の反発ですので、まだ、ロシアのウクライナ侵攻が不透明な状況ですが、いったん戻りを試す地合いになりつつあるといえます。
こうした中、今週から3月相場に突入しますが、再びインフレ懸念とFOMCが注目となってきます。
FOMCは15~16日に予定されていますが、これまでは足元の原油高がインフレを加速させるとの見方が多く、金利の5%引き上げは織り込まれていますが、米国ではコロナの感染者が減少し、サプライチェーンの混乱は落ち着いてきているので、どう金利に影響するのか不透明です。
3月はパウエルFRB議長の議会証言があり、4日は2月雇用統計の発表もあるためインフレの行方が注目される展開が予想されます。
国内では、脱コロナが意識されますが、感染者の減少傾向が続いている中で、なかなか減少しないのが気になるところです。ただ、欧米の状況に合わせると、経済活動の制限は撤廃されていく方向にあります。
日経平均は、目先はリバウンド後ももみあいを想定するものの、少しずつリスクをとる投資家も考えてみるところにきていますが、ロシアのウクライナ侵攻の行為が、はっきりするまでは、様子見に徹するのもリスクの取り方の1つです。
27000円水準から上は、上値重くウクライナの状況によっては、再び急落の可能性もあります。米国株式は、2日連続で戻していますが、1月に続く先週の2月の下げは、チャートからは2段下げの下放れとなっており、「陰転」を確定させています。すぐにはないにしろ、大きく戻したあとの再度の下げは想定しておくところです。
本日28日(月)は、寄り付きは、売り優勢のスタートとなりましたが、売り一巡後は、さらに下値を売り込む動きとはならず、方向感に乏しい展開が続き、後場は株価指数先物にまとまった買いが入ったことをきっかけに、上げに転じ、またウクライナ情勢の行方を見極めたいとした手控えムードの中、小幅に上昇し△50円の26526円となりました。市場では、ウクライナ情勢の不透明さや、今週のパウエルFRB議長の議会証言や、2月雇用統計の発表もあり手控えムードとなった模様です。
(指標)日経平均
先週の予測では、引き続きロシアのウクライナ侵攻の懸念を巡って米株式の動きをみながらの展開になるとしました。NYダウが落ち着かなければ26500~27500円のレンジの中で、26500円水準でのもみあいを想定しました。
しかし、ロシアのウクライナ侵攻のリスクが徐々に高まったことで、2月22日(火)は4日続落となって26500円を割り込みました。23日(水)の休日の翌日の24日(木)は、休日の間にプーチン大統領がウクライナのドネツクとルガンスクの独立を認め、軍の派兵命令まで出したことで、NYダウは大幅下落となり、これを受けて日経平均は▲478円の25970円と1年3ヶ月ぶりに25000円台となりました。週末は前日のロシアのウクライナ侵攻を受け、NYダウが▲859ドルまで下げたあと△92ドルまで反発したことで、日経平均は△505円の26476円と6日ぶりの大幅反発となりました。
先週は、2月24日に1月27日の26044円を下に切って25775円まで下落しました。目先は下げ過ぎのリバウンドとなりますが、三角保ち合いのあとの下げで1月27日の26044円、先週は戻した後、ロシアのウクライナ侵攻で24日に25775円と2段下げの形となりますので、チャートでは「陰転」の形となりますので、大きく戻すほど注意が必要となってきます。今週は26300~27300円のレンジを想定。
(指標)NYダウ
先週の予測では、ウクライナ情勢やFRBの利上げペースの思惑から神経質な相場展開が続くとし、五輪終了後にロシアがウクライナに侵攻しれば一段安になるとしました。
想定通り前々週の16日(水)からウクライナ侵攻懸念が再燃し、17日(木)には、親ロシア派の分離主義者が近くの村を攻撃し、NYダウは▲622ドルと今年最大の下げ幅となり、その後は下げが続き、先週の23日(水)には5日続落の▲464ドルの33131ドルとなりました。そして24日(木)には、ロシアがついにウクライナの侵攻し、▲859ドルの32272ドルまでザラ場で急落しましたが、ここから急反発となって△92ドルの33223ドルで引けました。
週末は、ロシアがウクライナとの停戦交渉のためにベラルーシの首都ミンスクに代表団を送る準備ができていると報じられたことで、過度な警戒感が後退したことで、大幅上昇となり△834ドルの34058ドルとなりました。
今週は、ロシアのウクライナ侵攻後の展開やFRBの利上げを警戒し、神経質な動きとなって方向感を探る展開になりそうです。
パウエルFRB議長の金融政策に関する半年に1回の議会証言の予定や地政学的リスクの上昇や原油価格の高騰の中、初めての一般教書演説が3月1日にあり注目となります。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週は、ロシアがウクライナに事実上侵攻する2月24日(木)までは、リスク回避のドル売りとなって、114~115円のレンジの中をドル売り、114円まで下げました。しかし、2月24日(木)に事実上侵攻すると114円まで下げ、そこから買い戻しとなって25日(金)には115.76円までドルが買い戻され115.56円で引けました。
今週の見通し
今週のドルは、安全逃避的なドル買いは縮小の可能性は低くドルは下げ渋る。ロシアによるウクライナ侵攻の終末は見えないものの、プーチン大統領はウクライナ側とハイレベル協議を開く意向を示しました。停戦に向けた協議が進展する可能性もあります。ただ、直ちにドル買いが縮小する可能性は低いとみられています。
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