トレード骨子は、引き続き金融政策スタンス
【注目ポイント】先行1スパン(≒82.500円)で下値サポートされるか否か
【見通し①】同スパン下支えなら、「85.000円」付近までの上値トライもあり得そう
【見通し②】同スパン割れなら、「81.000円」付近までの下押しも視野
【注意点】地政学的リスクの拡大
【トレード方針骨子】中銀の金融政策スタンス
24日、ロシア軍による対ウクライナ軍事侵攻のヘッドラインニュースを受け、マーケットではリスク回避主体の株安・円高・米ドル高フローが進展し、資源国通貨である豪ドル/円も一時「81.973円」まで下押しする動きとなりました。その後、NY株式市場の大幅下落からの持ち直しもあり、ローソク足形状は「下げ一服」を示唆する下ヒゲ陰線となっています。
上図の各メルクマールを見ると、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足のやや上方にあること(上図黄色丸印)、3) ローソク足が薄い形状の青色雲(=サポート帯、先行スパン)の上方で推移していること、4) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、そして、5) DMI(方向性指数)で、ADX・+DI・-DIが収斂(しゅうれん)する状態(上図赤色点線丸印)となっていることから、豪ドル/円・日足チャートは、緩やかな上昇トレンド継続を示すチャート形状であると判断します。
今後、注目すべきポイントは・・・青色雲の上辺である先行1スパン(≒82.500円、上図黄色矢印)でローソク足が下値サポートされるか否か。
筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)
[見通し①]
これからの時間にかけて、同スパンでローソク足が下支えされた場合は、「下値固め」→「反発フロー」となる可能性も。当該ケースでは、「遅行スパンの好転」や「BB(ボリンジャーバンド)・+2σライン(≒83.670円)超え」も伴いながら、心理的な重要水準である「85.000円」(上図Ⓐ赤色線)付近までの上値トライもあり得そうです。
[見通し②]
一方で、同スパンをローソク足が終値ベースで下回った場合は、「下値支持帯割れ」→「もう一段の下押し」となる可能性も。当該ケースでは、「21日MA(≒82.340円)割れ」や「SARの売りサインへの転換」も伴いながら、BB・-2σライン(≒81.000円、上図Ⓑ水色線)付近までの下押しも視野に入れるべきでしょう。
上記見通し①および②につき、足もとのチャートにおけるポイントとして見ていただければ幸いです。
ロシア軍による対ウクライナ軍事侵攻が現在進行形で進む中、局地戦にとどまらず、NATO(北大西洋条約機構)とロシアとの全面戦争の可能性がゼロではない中、軽々な判断はできないものの、相場における冷徹な原理原則を言うと、「戦争は(リスク資産の)買い場」という側面も。
一方で、市場参加者のメインテーマが「各国中銀の金融政策スタンス」に重きを置く中、「経済制裁に伴う貿易や物流の停滞/阻害」→「さらなるインフレの高進」→「各国中銀による金融引き締めの加速」→「金利高・株安・円高/米ドル高フロー」といった図式には、今後も注意・警戒が必要でしょう。
引き続き、地政学的リスクの拡大には十分な注意を払いつつも、トレード方針の骨子は、上述した「各国中銀の金融政策スタンス」をベースに取り組むべきと考えます。
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