グローブライド Research Memo(6):「新・中期経営計画2023」の基本戦略は海外成長

配信元:フィスコ
投稿:2021/12/20 15:06
■成長戦略・トピックス

1. 海外市場の大きなポテンシャル
グローブライド<7990>は「新・中期経営計画2023」を発表しており、最終年度(2023年度)の到達目標として、連結売上高125,000百万円(2021年3月期比25.0%増)、連結営業利益10,000百万円(同35.0%増)を掲げている。この背景として、国内の釣り参加人口は長年減少傾向が続いていたものの、2019年に670万人(前年比50万人増)と反転し、上昇に転じていることがある。これはキャンプの普及拡大と連動する動きであり、コロナ禍以前から起こっていたものであることに注意したい。これに加え、アウトドアスポーツ・レジャーが「3密」を避けたアクティビティとして評価され、急速に需要が回復したことにより、新たな釣り人口が流入した。この流れは世界的な潮流であり、たとえば米国では2020年の釣り人口が57百万人となり、前年の50百万人から14%増加している。

また、近年におけるスポーツフィッシングの普及等に伴い釣り具へのこだわりを持つ消費者は増加しており、技術力を持つグローバルメーカーの活躍の場は広がっている。フィッシング総合用品企業として世界トップの同社ではあるが、海外でのシェアは国内よりも低く、北米、欧州、アジア・オセアニアでは大きな成長ポテンシャルがあると言えるだろう。


「DAIWA PIER39」は引き続き好調に推移

2. アパレルブランド「DAIWA PIER39」
同社は次代の成長エンジンの創出を目的に、アパレル分野への挑戦に積極的に取り組んでいるが、2020年春夏シーズンにローンチしたアパレルブランド「DAIWA PIER39」が引き続き好調に推移している。「DAIWA PIER39」は、有名セレクトショップ「ビームス」がブランディングやディレクションに関わり、20代から30代前半の顧客層をターゲットに、フィッシングウエアの機能性をベースにしながら、都市生活に溶け込むようなアイデアが共存するカジュアルウエアに仕上げたものである。成功の主な要因は「ファッション性」と「機能性」、そして「マーケティング」であると弊社では見ている。「ファッション性」については、“アウトドアメーカーが作った高機能ウエア”ではなく“ハイファッションのアパレル”と位置付け、ハイブランドファッション業界で活躍する人材を迎え入れるなど組織も強化している。「機能性」については、“高機能”は強く訴求していないものの、防水透湿素材「ゴアテックス」などを使える強みをしっかり生かしている。「マーケティング」については、限られたセレクトショップだけに卸す戦略が功を奏している(取扱店は全国115店、インターネット販売3店含む)。今後アパレル部門が拡大していけば、アパレルの顧客が釣り具へ、釣り具からアパレルへといった相乗効果も期待できるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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