■要約
サンワテクノス<8137>は独立系技術商社。FA・産業機器業界向けが売上高の約4割を占める主力分野となっている。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特長により業容を拡大してきた。近年はエンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業に注力している。
1. FA・産機分野の受注急増により2022年3月期第2四半期累計業績は大幅増益に
2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比14.8%増の70,978百万円、営業利益で同134.2%増の2,108百万円と2ケタ増収及び利益倍増となり、期初会社計画(売上高66,500百万円、営業利益1,620百万円)を上回る好決算となった。太陽光パネルやEV関連を中心に中国における設備投資の活況が続いており、FA・産業機器関連の電機品や電子部品の需要が拡大したことが要因だ。なお、2022年3月期より会計基準の変更に伴い有償支給品を売上高に含めない純額表示に変更しており、売上高で7,601百万円の減少要因となっている。同一基準で比較した場合、売上高は27.1%増となる。また、受注高については半導体をはじめとする部材の供給不足による生産影響を考慮した先行発注が増加したこともあり、前年同期比60.6%増の95,625百万円と急増し、受注残高についても同136.7%増の52,211百万円と通常の2.5倍程度まで積み上がった状況となっている。
2. 2022年3月期は売上高・営業利益で4期ぶりに過去最高を更新する見込み
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.3%増の148,700百万円(旧会計基準に照らすと同22.3%増の164,885百万円)、営業利益で同95.1%増の4,200百万円と4期ぶりに過去最高を更新する見通し。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の動向や中国での電力不足による生産活動並びに設備投資動向への影響などリスク要因をある程度織り込んだ保守的な計画となっているようだ。ただ、10月の中国向け受注は好調を持続している。1年後の納期分の受注案件も既に入り始めていることから、受注高については一旦減速する可能性もあるが、売上高は下期も拡大基調が続き、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. 脱炭素社会の実現に向けた設備投資拡大、サプライチェーンリスクの高まりが追い風に
2020年3月期からスタートした3ヶ年中期経営計画『NEXT 1800』の進捗状況について見ると、業績数値に関してはコロナ禍の影響もあって2022年3月期の目標値(売上高1,800億円、経常利益50億円)には届かない可能性が高い。しかし、2022年3月期にグレートリカバリー(大回復)に向けた新たな挑戦として掲げた「コロナ禍の克服とニューノーマル市場の獲得」「DXを活用した戦略の構築とその実施体制の完成」「既存ビジネスの深耕による確実な成果のアウトプットと新規ビジネスの開拓、事業ポートフォリオの見直し」などの成果が顕在化し始めている。2023年3月期以降も脱炭素化社会の実現に向けた取り組みが世界的に進むなかで、省エネルギー化やクリーンエネルギー化に関連した設備投資は中期的に拡大が続く見通しであり、関連商材を取り扱う同社にとっては追い風になると見られる。さらに、昨今の部材不足に起因するサプライチェーンリスクの高まりによって、注力事業の1つとして取り組んでいるグローバルSCMソリューション事業についても引き合いが増えてきており、大きく事業を拡大する好機となっている。
■Key Points
・中国向けを中心としたFA・産業機器向け受注の拡大により、2022年3月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益に
・中国向け受注は10月も好調持続、2022年3月期業績は上方修正した会社計画に対して上振れ余地残す
・2022年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の34円を予定。自己株式取得を新たに発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
サンワテクノス<8137>は独立系技術商社。FA・産業機器業界向けが売上高の約4割を占める主力分野となっている。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特長により業容を拡大してきた。近年はエンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業に注力している。
1. FA・産機分野の受注急増により2022年3月期第2四半期累計業績は大幅増益に
2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比14.8%増の70,978百万円、営業利益で同134.2%増の2,108百万円と2ケタ増収及び利益倍増となり、期初会社計画(売上高66,500百万円、営業利益1,620百万円)を上回る好決算となった。太陽光パネルやEV関連を中心に中国における設備投資の活況が続いており、FA・産業機器関連の電機品や電子部品の需要が拡大したことが要因だ。なお、2022年3月期より会計基準の変更に伴い有償支給品を売上高に含めない純額表示に変更しており、売上高で7,601百万円の減少要因となっている。同一基準で比較した場合、売上高は27.1%増となる。また、受注高については半導体をはじめとする部材の供給不足による生産影響を考慮した先行発注が増加したこともあり、前年同期比60.6%増の95,625百万円と急増し、受注残高についても同136.7%増の52,211百万円と通常の2.5倍程度まで積み上がった状況となっている。
2. 2022年3月期は売上高・営業利益で4期ぶりに過去最高を更新する見込み
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.3%増の148,700百万円(旧会計基準に照らすと同22.3%増の164,885百万円)、営業利益で同95.1%増の4,200百万円と4期ぶりに過去最高を更新する見通し。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の動向や中国での電力不足による生産活動並びに設備投資動向への影響などリスク要因をある程度織り込んだ保守的な計画となっているようだ。ただ、10月の中国向け受注は好調を持続している。1年後の納期分の受注案件も既に入り始めていることから、受注高については一旦減速する可能性もあるが、売上高は下期も拡大基調が続き、通期業績も会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. 脱炭素社会の実現に向けた設備投資拡大、サプライチェーンリスクの高まりが追い風に
2020年3月期からスタートした3ヶ年中期経営計画『NEXT 1800』の進捗状況について見ると、業績数値に関してはコロナ禍の影響もあって2022年3月期の目標値(売上高1,800億円、経常利益50億円)には届かない可能性が高い。しかし、2022年3月期にグレートリカバリー(大回復)に向けた新たな挑戦として掲げた「コロナ禍の克服とニューノーマル市場の獲得」「DXを活用した戦略の構築とその実施体制の完成」「既存ビジネスの深耕による確実な成果のアウトプットと新規ビジネスの開拓、事業ポートフォリオの見直し」などの成果が顕在化し始めている。2023年3月期以降も脱炭素化社会の実現に向けた取り組みが世界的に進むなかで、省エネルギー化やクリーンエネルギー化に関連した設備投資は中期的に拡大が続く見通しであり、関連商材を取り扱う同社にとっては追い風になると見られる。さらに、昨今の部材不足に起因するサプライチェーンリスクの高まりによって、注力事業の1つとして取り組んでいるグローバルSCMソリューション事業についても引き合いが増えてきており、大きく事業を拡大する好機となっている。
■Key Points
・中国向けを中心としたFA・産業機器向け受注の拡大により、2022年3月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益に
・中国向け受注は10月も好調持続、2022年3月期業績は上方修正した会社計画に対して上振れ余地残す
・2022年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の34円を予定。自己株式取得を新たに発表
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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