「パウエル議長が続投、日本株は円安に反応薄」~黒岩の眼(朝刊)

著者:黒岩泰
投稿:2021/11/24 08:46

押し目買い意欲は強い

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 昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 194.55 ドル高の 35813.80 ナスダック総合指数は 79.62 ポイント安の 15775.14 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29725 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。一昨日の終値近辺から始まると思われる。

 注目の米FRB議長の後任人事であるが、バイデン大統領がパウエル議長を指名。上院の承認は必要となるが、続投が濃厚となった。それに米長期金利が反応し、年 1.6%台に上昇。パウエル議長はブレイナード氏よりも「タカ派的」と考えられていたため、早期の利上げ観測が台頭。金利が上昇したというわけだ。

 この米金利上昇を受けて、為替相場も反応。ドル高・円安方向に振れた。現在、1ドル=115 円台での推移となっており、国内の輸出関連株には追い風となるだろう。

 ただ、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29725 円付近での推移。円安に対して極めて反応薄となっている。日経平均はもみ合い相場からスタートすることが予想され、改めて方向性を見極めることになる。

 日経平均の日足チャートでは一昨日、ローソク足で陽線が出現。押し目買い意欲の強さを示しており、買い安心感が強まっている。目先は上方の窓を目指す展開が予想され、現時点で 230 円ほどの上昇余地がある。本日、やや軟調に推移する場面があれば、そこは「押し目買い」ポイント。その後の切り返しを期待することになる。投資家は「買いポジション」を持ちながら、相場の強さを確認する場面となる。

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想