カナダドル/円、力を溜め込む時間帯

著者:津田隆光
投稿:2021/11/05 10:42

今夜21時30分のカナダ10月雇用統計に要注目!

カナダドル/円・日足・複合チャート
カナダドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】パラボリック・SAR(≒92.185円)に達するか否か
【見通し①】SARタッチなら、「93.040円」付近までの上昇フロー
【見通し②】SAR未達なら、「90.480円」付近までの下押し
【注目メルクマール】BB・±2σラインの“スクイーズ”
【投資戦略アイデア】「打診買い」「押し目買い」

先月22日に、相場のトレンド転換ポイントを示唆するパラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)が「売りサイン」へ転換して以来、上値を抑えられる相場展開が続いているカナダドル/円。

上図の各メルクマールを見ていくと、1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりであること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) ローソク足の下方に分厚い形状の青色雲(=サポート帯、先行スパン)があること、そして、4) DMI(方向性指数)で-DI>+DIとなり、ADXが右肩下がり推移になっている(上図青色点線丸印)ことから、カナダドル/円・日足チャートでは、上下圧力が拮抗するレンジ相場を形成する時間帯であると判断します。

目先の注目ポイントは、ローソク足が上述したパラボリック・SAR(≒92.185円※、上図黄色矢印)に達するか否か。(※11/5時点観測値)

筆者が予想する、今後の見通しは以下の通りです。(見通し①、②)


[見通し①]
これからの時間にかけて、ローソク足がSARに達した(=上昇した)場合は、「SARの買いサインへの転換」→「上昇支援フロー」となりそうです。当該ケースでは、心理的水準およびBB(ボリンジャーバンド)・+1σラインを基準とする「92.500円」超えも伴いながら、BB・+2σライン(≒93.040円、上図Ⓐ)付近までの上昇フローを予想します。

本稿執筆(5日)時点では、BB・±2σラインが収縮する“スクイーズ”となっていることから、言わば「相場の力を溜め込む時間帯」と捉えて良さそうです。よって、今後「ローソク足のBB・+2σライン超え」→「BB・±2σラインの拡張である“エクスパンション”(=相場の力の発散/放出)」となったケースでは、もう一段の上値トライも想定すべきでしょう。

[見通し②]
一方で、ローソク足がSARに未達となった場合は、「SARの売りサイン継続」→「じり安相場継続」となりそうです。当該ケースでは、「-DI>+DIの乖離拡大」も伴いながら、BB・-2σライン(≒90.480円、上図Ⓑ)付近までの下押しを予想します。

ただし、現時点では、先行スパンの上下辺が分厚い形状(=強い下値サポート帯)となっていることから、その下値余地は限定的であると見るべきでしょう。


以上、見通し①および②を概括すると、当面のカナダドル/円は下値しっかりの相場付きとなることが予想されることから、「打診買い」ないしは「押し目買い」が奏功すると考えます。足もとでは、日本時間今夜21時30分に、カナダ10月雇用統計が発表されることから、その結果および見通しがカナダドル/円の動意となりそうです。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想