弱気相場が鮮明 下値不安が高まる
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 546.80 ドル安の 33843.92、ナスダック総合指数は 63.86 ポイント安の 14448.58 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29350 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、連日の陰線が出現。一時的にプラス圏に浮上する場面もあったが、引けにかけて上値を抑えられている。弱気相場が鮮明になっており、下値不安が高まっている。
本日は軟調スタートが予想されることで、下方の窓を埋める流れとなりそうだ。焦点となるのはその窓下限(29149.65 円)で調整一巡感が出るか否か。ここに到達すると、下方の近くに窓が存在しなくなる。逆に上方に窓が存在することになり、
急速なリバウンドが起こる可能性があるのだ。投資家はここで明確な需給変化が起こるかどうかに注目する必要がある。
日米の株価を押し下げているのは、キャピタルゲイン課税強化への恐怖だ。岸田新政権による短期売買に対する課税強化が警戒されているほか、バイデン政権でも経済対策の財源となる富裕層への増税が懸念されている。株価にとって「増税は天敵」であり、投資家はネガティブに反応する可能性が高い。特に株式を多く保有している富裕層にとって、これは「一大事」ということになる。「足元の経済対策よりも増税の方が嫌だ」といった素直な反応のようにもみえる。ある意味、増税を拒否する「催促相場」の様相となっており、これが「どこまで続くのか」といった感じだ。投資家はチャートが弱気形状である以上、「売りポジション」を持ち、どこで下げ止まるのか、見極める局面だ。
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