「大幅安スタートも、窓下限で需給は逆転へ」~黒岩の眼(朝刊)

著者:黒岩泰
投稿:2021/09/29 19:40

下方の窓下限に到達後の株価の動きに注目

http://chart.fisco.co.jp/mado

 昨日の米国株式相場は大幅安。ダウ工業株 30 種平均は 569.38 ドル安の 34299.99、ナスダック総合指数は 423.29 ポイント安の 14546.68 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29580 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は大幅安からのスタートを想定。下値を試すものと思われる。

 本日は9月末の権利落ち日である。日経平均で 180 円程度の下落が予想され、その分は差し引いて相場を見る必要がある。

 日経平均の日足チャートで意識されるのは、下方の窓である。窓下限(29868.10円)に到達すれば、窓と株価の位置関係が逆転。一転して買いが入りやすくなる。寄り付き時点でそうなることが予想され、その後の株価の動きに注目する必要があるだろう。

 あとは外国為替市場で円相場が下落していること。1ドル=111 円台半ばでの推移となっており、これは輸出関連株への追い風となりそうだ。

 そして焦点となっている自民党総裁選。現時点で決選投票が予想されており、大引けまでに決着がつかないとみられている。思惑が交錯しやすくなっているが、誰になっても、イベント通過が不透明感の解消へとつながり、株価を押し上げる要因になりそうだ。

 そのような状況下、投資家は「押し目買いスタンス」を維持するしかないだろう。ただ、本日の引けまでに株価が戻らず、窓空け下落となった場合には、チャートは再び弱気転換してしまう。権利落ちの影響もあるが、「窓理論」では「相場は弱い」とみる。その点に注目する必要がありそうだ。

黒岩泰
株式アナリスト
配信元: 達人の予想