NYコラム(28日)ダウ平均は5日ぶり反落スタートへー米長期金利の上昇が続く

著者:加藤裕一
投稿:2021/09/28 22:27

NY株式市場(28日)米国10年債利回りは一時1.55%台乗せーパウエル米FRB議長が議会証言へ

28日のニューヨーク株式市場でダウ平均は5日ぶりに反落して取引が始まりそうだ。

前日に続いて米長期金利の上昇が続いている。ニューヨーク株式市場は、米国10年債利回りが日本時間の夕方に一時1.55%台に乗せる場面が見られたことから、金利動向に敏感なハイテク株中心に幅広い銘柄が下落して取引が始まりそう。この日の議会証言でイエレン 財務長官が、10月18日に債務上限に達する公算が大きいとの見方を示した連邦債務上限引き上げを巡る米議会での協議を見守りたいとの姿勢から積極的な買いも見送られやすい相場環境が継続しそうだ。

ダウ平均は寄り付きで前日までの4日続伸で900ドル以上上昇した反動から手仕舞い売りが先行して100日移動平均線(3万4693ドル)を割り込んで取引が始まった後は、節目の3万4500ドルや一目均衡表上の雲の抵抗帯の下限にあたる先行スパン2(3万4451ドル)を強く意識しながら下値模索の展開となろう。

取引時間にはパウエル米FRB議長が日本時間28日午後11時から上院銀行委員会に出席する予定となっている。今回の議会証言でパウエルFRB議長がテーパリング(量的緩和の縮小)後の利上げを急がない姿勢を示して長期金利の上昇トレンドに歯止めが掛かるかどうか、パウエルFRB議長のマーケットとのコミュニケーション能力が試される一日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想