上方の窓埋め後の動きに注目
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 55.96 ポイント安の35399.84、ナスダック総合指数は 136.38 ポイント高の 15265.88 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 27725 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はやや軟調スタートを想定。下値を試すものと思われる。
日経平均の日足チャートでは、「下ひげ・上方に窓」という「窓・ひげ理論」の形。短期的には上方の窓を埋めやすく、多少の上値余地が残っている。本日はやや軟調スタートになることで、短期的な買い妙味が増す展開。株価はその後、上値を試す動きとなるだろう。
本日の東京株式市場も基本的に手掛かり材料難。閑散相場が予想され、動意は乏しそうだ。焦点となるのは、上方の窓へのアプローチ。素直に引き寄せられることになるのか、それともそれを躊躇するのか――その辺で強弱感を判断することになる。基本的には上方の窓を埋め、その後は「軸の傾き(中長期的な相場の方向性)」にしたがって動くと考えたい。現時点では「上向き」という認識になるが、それが確定的となるような動きは出ていない。
投資家は「買いポジション」を持ちながら、この動きをつぶさに観察する必要があるだろう。「本当に窓を埋めるのか。それとも違う動きを示すのか」―――中長期的な判断を待つことになる。
市場は週末の米雇用統計待ちとなるが、ここに大きな材料は存在していない。すでにジャクソンホールでパウエル議長の発言は得られており、経済指標を見て新たに反応するとは考えづらいからだ。単なる「通過儀礼」に留まると思われる。あとはコロナ感染拡大だが、増加ペースがやや頭打ちになった可能性がある。これが政局にどう響くのか――。菅首相が総裁選前に党役員を一新する意向を示しており、「岸田封じ」の様相を呈している。これが「菅続投」につながれば、「与党敗北」も素直にあり得ると考える。株価にとってはマイナス材料と捉えたい。
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