■業績動向
1. 2021年5月期の連結業績
パシフィックネット<3021>の2021年5月期(2020年6月~2021年5月)の連結業績は、売上高が5,224百万円(前期比14.4%増)、営業利益が767百万円(同85.5%増)、経常利益が763百万円(同86.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が496百万円(同71.6%増)だった。売上高のほか各利益は、いずれも2020年7月に開示した計画(売上高5,000百万円、営業利益500百万円、経常利益500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益330百万円)を大きく上回り、過去最高を更新した。特に利益率の向上が著しく、売上高営業利益率は14.7%、前期比5.6ポイント上昇、ROE(自己資本利益率)は22.2%、同7.8ポイント上昇した。
なお同社は、従業員の献身的な貢献に報いるため、グループの全社員・パート社員に対する特別賞与の支給(2020年12月の普通賞与を25%増額)、業務執行取締役に対する役員賞与引当金の計上を決定した。賞与引当金の増額及び役員賞与引当金約74百万円のコスト計上の影響を加えての過去最高となる。これまで進めてきた事業構造改革によるITサブスクリプション事業におけるストック売上拡大のほか、社内DX等による生産性向上の効果が表れており、前述の特別賞与等による追加コストやIT投資等によるコスト増をカバーしている。
環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換。日本経済新聞「NEXT1000」の対象企業中、3年前と比較した従業員1人当たりの営業利益額の伸び率が第1位に
2. 事業構造改革の成果
これまで取り組んできた事業構造改革により、同社は環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換した。5期前との比較においては、フロー売上が2016年5月期の3,826百万円から2,289百万円に減少する一方で、ストック売上は736百万円から2,945百万円に大きく成長しており、この間の売上高は4,563百万円から5,224百万円と14.5%の増収となる。ストック売上は規模拡大を重視し積極投資を行ったことにより4倍となり、フロー売上規模より利益を重視している。これにより営業利益においては2016年5月期の118百万円から767百万円となり、6.5倍に成長している。この構造改革成功の要因として会社側では、5年間で従業員の意識が変化し自律的に改革を進めていること、これによりサービス価値と生産性の向上を実現したことを挙げている。これは、「経営方針」にも掲げている「全従業員総活躍企業」を進めた結果である。
日本経済新聞社が選定している「NEXT1000(日本経済のけん引役として期待される売上高100億円以下の中堅上場企業)」の対象企業において、3年前と比較した従業員1人当たりの営業利益額の伸び率が1位となるなど、構造改革の成果は顕著に表れている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2021年5月期の連結業績
パシフィックネット<3021>の2021年5月期(2020年6月~2021年5月)の連結業績は、売上高が5,224百万円(前期比14.4%増)、営業利益が767百万円(同85.5%増)、経常利益が763百万円(同86.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が496百万円(同71.6%増)だった。売上高のほか各利益は、いずれも2020年7月に開示した計画(売上高5,000百万円、営業利益500百万円、経常利益500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益330百万円)を大きく上回り、過去最高を更新した。特に利益率の向上が著しく、売上高営業利益率は14.7%、前期比5.6ポイント上昇、ROE(自己資本利益率)は22.2%、同7.8ポイント上昇した。
なお同社は、従業員の献身的な貢献に報いるため、グループの全社員・パート社員に対する特別賞与の支給(2020年12月の普通賞与を25%増額)、業務執行取締役に対する役員賞与引当金の計上を決定した。賞与引当金の増額及び役員賞与引当金約74百万円のコスト計上の影響を加えての過去最高となる。これまで進めてきた事業構造改革によるITサブスクリプション事業におけるストック売上拡大のほか、社内DX等による生産性向上の効果が表れており、前述の特別賞与等による追加コストやIT投資等によるコスト増をカバーしている。
環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換。日本経済新聞「NEXT1000」の対象企業中、3年前と比較した従業員1人当たりの営業利益額の伸び率が第1位に
2. 事業構造改革の成果
これまで取り組んできた事業構造改革により、同社は環境変化に強く持続的成長が可能な収益構造に転換した。5期前との比較においては、フロー売上が2016年5月期の3,826百万円から2,289百万円に減少する一方で、ストック売上は736百万円から2,945百万円に大きく成長しており、この間の売上高は4,563百万円から5,224百万円と14.5%の増収となる。ストック売上は規模拡大を重視し積極投資を行ったことにより4倍となり、フロー売上規模より利益を重視している。これにより営業利益においては2016年5月期の118百万円から767百万円となり、6.5倍に成長している。この構造改革成功の要因として会社側では、5年間で従業員の意識が変化し自律的に改革を進めていること、これによりサービス価値と生産性の向上を実現したことを挙げている。これは、「経営方針」にも掲げている「全従業員総活躍企業」を進めた結果である。
日本経済新聞社が選定している「NEXT1000(日本経済のけん引役として期待される売上高100億円以下の中堅上場企業)」の対象企業において、3年前と比較した従業員1人当たりの営業利益額の伸び率が1位となるなど、構造改革の成果は顕著に表れている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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