■業績動向
1. 2021年3月期通期決算の概要
極東貿易<8093>の2021年3月期通期の決算は、売上高57,405百万円(前期比4.9%減)、売上総利益7,580百万円(同12.5%減)、営業利益362百万円(同58.7%減)、経常利益734百万円(同11.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益278百万円(同25.7%増)と減収減益となった。
コロナ禍の影響により、基幹産業関連部門における資源開発機器事業の大型案件で納期遅延が発生したことに加え、産業素材関連部門における国内外向け樹脂・塗料事業と機械部品関連部門におけるねじ関連事業についても2021年3月期終盤の回復も及ばず大きく落ち込んだ。売上高は、前期比2,982百万円減少し57,405百万円となった。一方、売上総利益は、ねじ関連事業の落ち込みに加え、自動車業界、航空機業界がコロナ禍の影響を受け業界全体が落ち込んだこと、電子・制御システム関連部門の航空電子事業と産業素材関連部門の複合材料事業が利益を落としたことから、同1,086百万円減少し7,580百万円となった。また営業利益では、販管費が同571百万円減少したものの売上総利益の減少が響き、同515百万円減少し362百万円となった。
2. 2021年3月期事業セグメント別決算
(1) 基幹産業関連部門
コロナ禍の影響により納期遅延が発生した資源開発機器事業と自動車業界全体の落ち込みの影響を受けた検査装置事業の収益が落ち込んだものの、納期遅延を起こしていた重電事業の大型案件の納入が無事完了したことから、売上高は前期比852百万円増加の21,539百万円となった。売上総利益は、同454百万円減少の1,922百万円と増収減益となった。
(2) 電子・制御システム関連部門
電子機器事業におけるリチウムイオンバッテリー事業に加えて移管事業過程の地震計測機器事業が堅調に推移したものの、コロナ禍による自動車業界と航空機業界の落ち込みを受け航空電子事業が大きく収益を落としたことから、売上高は前期比322百万円増加の10,142百万円となった。売上総利益は同211百万円減少の1,127百万円と増収減益となった。
(3) 産業素材関連部門
コロナ禍の影響により自動車業界向け樹脂・塗料が国内外において落ち込んだことに加え、複合材料事業においても航空機業界向け炭素繊維関連製品が低調に推移したことから、売上高は前期比2,748百万円減少の12,753百万円となった。売上総利益についても同85百万円減少の1,820百万円と減収減益となった。
(4) 機械部品関連部門
コア事業であるねじ関連事業は、2021年3月期終盤に回復を見せたものの、上期において建設機械、産業機械向けがコロナ禍の影響で大きく落ち込んだことに加え、ばね関連事業も伸び悩んだことから、売上高は、前期比1,407百万円減少の12,970百万円となった。売上総利益も同334百万円減少の2,710百万円と減収減益となった。
3. 財務状況
2021年3月期末の資産合計は、前期末に比べ3,904百万円増加し、51,790百万円となった。これは主として受取手形及び売掛金の増加等によるものである。負債合計については、同3,785百万円増加し、29,532百万円となった。これは主として支払手形及び買掛金の増加等によるものである。純資産合計は、同118百万円増加し、22,258百万円となった。これは主としてその他有価証券評価差額金の増加、及び利益剰余金の減少等によるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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1. 2021年3月期通期決算の概要
極東貿易<8093>の2021年3月期通期の決算は、売上高57,405百万円(前期比4.9%減)、売上総利益7,580百万円(同12.5%減)、営業利益362百万円(同58.7%減)、経常利益734百万円(同11.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益278百万円(同25.7%増)と減収減益となった。
コロナ禍の影響により、基幹産業関連部門における資源開発機器事業の大型案件で納期遅延が発生したことに加え、産業素材関連部門における国内外向け樹脂・塗料事業と機械部品関連部門におけるねじ関連事業についても2021年3月期終盤の回復も及ばず大きく落ち込んだ。売上高は、前期比2,982百万円減少し57,405百万円となった。一方、売上総利益は、ねじ関連事業の落ち込みに加え、自動車業界、航空機業界がコロナ禍の影響を受け業界全体が落ち込んだこと、電子・制御システム関連部門の航空電子事業と産業素材関連部門の複合材料事業が利益を落としたことから、同1,086百万円減少し7,580百万円となった。また営業利益では、販管費が同571百万円減少したものの売上総利益の減少が響き、同515百万円減少し362百万円となった。
2. 2021年3月期事業セグメント別決算
(1) 基幹産業関連部門
コロナ禍の影響により納期遅延が発生した資源開発機器事業と自動車業界全体の落ち込みの影響を受けた検査装置事業の収益が落ち込んだものの、納期遅延を起こしていた重電事業の大型案件の納入が無事完了したことから、売上高は前期比852百万円増加の21,539百万円となった。売上総利益は、同454百万円減少の1,922百万円と増収減益となった。
(2) 電子・制御システム関連部門
電子機器事業におけるリチウムイオンバッテリー事業に加えて移管事業過程の地震計測機器事業が堅調に推移したものの、コロナ禍による自動車業界と航空機業界の落ち込みを受け航空電子事業が大きく収益を落としたことから、売上高は前期比322百万円増加の10,142百万円となった。売上総利益は同211百万円減少の1,127百万円と増収減益となった。
(3) 産業素材関連部門
コロナ禍の影響により自動車業界向け樹脂・塗料が国内外において落ち込んだことに加え、複合材料事業においても航空機業界向け炭素繊維関連製品が低調に推移したことから、売上高は前期比2,748百万円減少の12,753百万円となった。売上総利益についても同85百万円減少の1,820百万円と減収減益となった。
(4) 機械部品関連部門
コア事業であるねじ関連事業は、2021年3月期終盤に回復を見せたものの、上期において建設機械、産業機械向けがコロナ禍の影響で大きく落ち込んだことに加え、ばね関連事業も伸び悩んだことから、売上高は、前期比1,407百万円減少の12,970百万円となった。売上総利益も同334百万円減少の2,710百万円と減収減益となった。
3. 財務状況
2021年3月期末の資産合計は、前期末に比べ3,904百万円増加し、51,790百万円となった。これは主として受取手形及び売掛金の増加等によるものである。負債合計については、同3,785百万円増加し、29,532百万円となった。これは主として支払手形及び買掛金の増加等によるものである。純資産合計は、同118百万円増加し、22,258百万円となった。これは主としてその他有価証券評価差額金の増加、及び利益剰余金の減少等によるものである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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