■要約
Jストリーム<4308>は、広く企業向けにインターネット動画配信用のソフトウェアやプラットフォームを販売している。基盤となるのが、動画配信のためのあらゆる機能を装備する自社開発ソフト「J-Stream Equipmedia」と、配信をスムーズにする自社構築の配信ネットワークCDN※である。同社の配信システムを導入すれば、誰にでも容易に動画を制作できるうえ、どのようなデバイスにもどのような環境でも高速で安定した配信を行うことができる。しかも、大量のアクセスに対応可能である。このため、顧客であるコンテンツプロバイダーや一般企業による同社プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」及びCDNへの評価は高い。
※CDN(Content Delivery Network):動画などのコンテンツをインターネット経由で効率よく配信するために最適化された分散型ネットワークのこと。サーバーを分散することで大量のアクセスに耐えることができる。
1. 医薬系企業、一般企業、メディア系企業の3領域にフォーカス
スマートフォンの普及やWi-Fi環境の充実など、屋内外でインターネット動画を視聴する環境整備が進んでいる。この結果、動画配信市場も大きく伸びてきたが、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による巣ごもり需要や非接触ニーズがきっかけとなり、動画配信市場の拡大に拍車がかかった。こうした市場のなかで、同社は医薬系企業、一般企業、メディア系企業の3領域にフォーカスして戦略を展開している。3領域の現状は、医薬系企業ではデジタルマーケティングへのシフトが進みライブ配信が急速に普及し、一般企業では社内外の情報共有などに向けた用途が拡大、メディア系企業ではエンタメ系のライブイベント配信も広がってきている状況だ。またNHKによる同時放送配信※を契機に、放送と通信の融合・再編が進みつつある。
※NHKによる同時配信:(IP)サイマル放送とも言い、1つの放送局が同じ時間帯に同じコンテンツを、異なるチャンネル(周波数)や放送方式、放送媒体で放送すること。特に、放送(テレビ、ラジオ)と同じものを通信(インターネット)で同時配信することを指すことが多い。NHKは2020年4月1日、「NHKプラス」でテレビ番組のインターネット同時配信サービスを本格的にスタートした。
2. 2021年3月期業績は計画超過達成
2021年3月期の業績は、売上高12,970百万円(前期比53.6%増)、営業利益2,342百万円(同328.2%増)と5割の増収、大幅な増益となった。もともと医薬メーカーのDX推進や、5GやIoTの普及で需要に弾みがついてきたところに、コロナ禍を契機に企業の動画配信へのニーズが急拡大したからである。こうした環境下において、同社は主力サービスである「J-Stream Equipmedia」や「ライブ配信サービス」を中心に体制を整備し、ライブ配信や社内情報共有・教育などのオンデマンド動画配信の需要急増に対応した。また、外部企業との協業・連携を進め共同して市場開拓を図るとともに、顧客企業の多様な利用シーンやニーズに応える、より高品質なサービス提供を行える体制整備を進めた。
3. 先端技術を追い風に中長期成長を期待
同社は2022年3月期業績見通しに関して、売上高13,870百万円(前期比11.7%増)、営業利益2,400百万円(同2.7%増)と見込んでいる。2021年3月期が大きく伸びたために慎重な見通しとなっているが、様々なコミュニケーションにおける動画配信利用の流れは、ビジネスやエンタメのほか様々な場面で強まると見られている。同社は「J-Stream Equipmedia」やCDNといったプラットフォーム、「ライブ配信サービス」など現場対応力を含めたワンストップソリューションなどの強みを背景に、コロナ禍が収束した後も5GやIoT、VR・ARなど先端技術の追い風を受けていくことが予想される。このため同社は、中長期的な高成長が期待できる。
■Key Points
・強みは自社開発した「J-Stream Equipmedia」とCDN、「ライブ配信サービス」
・医薬系企業、一般企業、メディア系企業、の3領域で成長戦略を展開
・コロナ禍を契機に動画配信市場の成長に弾み、同社も利益成長期へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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Jストリーム<4308>は、広く企業向けにインターネット動画配信用のソフトウェアやプラットフォームを販売している。基盤となるのが、動画配信のためのあらゆる機能を装備する自社開発ソフト「J-Stream Equipmedia」と、配信をスムーズにする自社構築の配信ネットワークCDN※である。同社の配信システムを導入すれば、誰にでも容易に動画を制作できるうえ、どのようなデバイスにもどのような環境でも高速で安定した配信を行うことができる。しかも、大量のアクセスに対応可能である。このため、顧客であるコンテンツプロバイダーや一般企業による同社プラットフォーム「J-Stream Equipmedia」及びCDNへの評価は高い。
※CDN(Content Delivery Network):動画などのコンテンツをインターネット経由で効率よく配信するために最適化された分散型ネットワークのこと。サーバーを分散することで大量のアクセスに耐えることができる。
1. 医薬系企業、一般企業、メディア系企業の3領域にフォーカス
スマートフォンの普及やWi-Fi環境の充実など、屋内外でインターネット動画を視聴する環境整備が進んでいる。この結果、動画配信市場も大きく伸びてきたが、さらに新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)による巣ごもり需要や非接触ニーズがきっかけとなり、動画配信市場の拡大に拍車がかかった。こうした市場のなかで、同社は医薬系企業、一般企業、メディア系企業の3領域にフォーカスして戦略を展開している。3領域の現状は、医薬系企業ではデジタルマーケティングへのシフトが進みライブ配信が急速に普及し、一般企業では社内外の情報共有などに向けた用途が拡大、メディア系企業ではエンタメ系のライブイベント配信も広がってきている状況だ。またNHKによる同時放送配信※を契機に、放送と通信の融合・再編が進みつつある。
※NHKによる同時配信:(IP)サイマル放送とも言い、1つの放送局が同じ時間帯に同じコンテンツを、異なるチャンネル(周波数)や放送方式、放送媒体で放送すること。特に、放送(テレビ、ラジオ)と同じものを通信(インターネット)で同時配信することを指すことが多い。NHKは2020年4月1日、「NHKプラス」でテレビ番組のインターネット同時配信サービスを本格的にスタートした。
2. 2021年3月期業績は計画超過達成
2021年3月期の業績は、売上高12,970百万円(前期比53.6%増)、営業利益2,342百万円(同328.2%増)と5割の増収、大幅な増益となった。もともと医薬メーカーのDX推進や、5GやIoTの普及で需要に弾みがついてきたところに、コロナ禍を契機に企業の動画配信へのニーズが急拡大したからである。こうした環境下において、同社は主力サービスである「J-Stream Equipmedia」や「ライブ配信サービス」を中心に体制を整備し、ライブ配信や社内情報共有・教育などのオンデマンド動画配信の需要急増に対応した。また、外部企業との協業・連携を進め共同して市場開拓を図るとともに、顧客企業の多様な利用シーンやニーズに応える、より高品質なサービス提供を行える体制整備を進めた。
3. 先端技術を追い風に中長期成長を期待
同社は2022年3月期業績見通しに関して、売上高13,870百万円(前期比11.7%増)、営業利益2,400百万円(同2.7%増)と見込んでいる。2021年3月期が大きく伸びたために慎重な見通しとなっているが、様々なコミュニケーションにおける動画配信利用の流れは、ビジネスやエンタメのほか様々な場面で強まると見られている。同社は「J-Stream Equipmedia」やCDNといったプラットフォーム、「ライブ配信サービス」など現場対応力を含めたワンストップソリューションなどの強みを背景に、コロナ禍が収束した後も5GやIoT、VR・ARなど先端技術の追い風を受けていくことが予想される。このため同社は、中長期的な高成長が期待できる。
■Key Points
・強みは自社開発した「J-Stream Equipmedia」とCDN、「ライブ配信サービス」
・医薬系企業、一般企業、メディア系企業、の3領域で成長戦略を展開
・コロナ禍を契機に動画配信市場の成長に弾み、同社も利益成長期へ
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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