チャートは先安感が強い形状 調整ムード本格化
先週末の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 533.37 ドル安の 33290.08、ナスダック総合指数は 130.97 ポイント安の 14030.38 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28435 円付近での推移。したがって、本日の日経平均は軟調スタートを想定。500 円程度のまとまった下落から始まると思われる。
日経平均の日足チャートでは先週末、買い一巡後に失速。連日の陰線出現となった。上方の窓埋めを拒否したような動きとなっており、先安観の強いチャート形状。さらに下押ししそうな感じとなっている。本日は窓空け下落となることで、調整ムードがより本格化することになりそうだ。
米国株が下落したのは、利上げの前倒し観測が強まったから。FRB 幹部でハト派と言われる人からも早期の利上げ観測が挙がっており、株価への悪影響が懸念されている。
ただ、米長期金利は年 1.4%台で落ち着いており、金利上昇による悪影響は直接は受けていない。米 FRB による債券市場による統制が効いているようであり、市場は「もっと先」を見ているようだ。「米インフレ率の高まりによって、長期金利の上昇は避けられない」―-そういった見方が支配的となっていると思われる。日本株も成長株、ハイテク株への売り圧力が強まることが予想され、軟調な推移を強いられるだろう。
日経平均の目標となるのはもちろん、下方の窓(28176.87 円―28193.03 円)である。800円程度の下落余地があり、場合によっては今週中にも到達するだろう。その時、本日空けた窓が一時的な戻りのメドとなる。焦点となるのは、この窓が有効な下値支持帯として機能するかどうか――その辺を見極める必要がありそうだ。投資家は引き続き「売りポジション」を持ちながら、「予期せぬ下落」に備える場面となる。
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