先高感が残るも、投資家の手控えムードが強まる
昨日の米国株式相場は上昇。ダウ工業株 30 種平均は 19.1 ドル高の 34466.24、ナスダック総合指数は 108.58 ポイント高の 14020.33 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28975 円付近での推移。したがって、本日の東京株式相場はもみ合いスタートを想定。前日終値近辺で始まると思われる。
米国では5月の消費者物価指数が前年同月比 5.0%の上昇となった。市場予想を上回り、インフレ圧力が高まっている。ただ、米長期金利は落ち着いており、年1.4%前半での推移。米国株ではハイテク株が堅調な値動きとなり、NY 株は総じて上昇となった。
日経平均の日足チャートでは、強気形状が継続。上方の窓を目指す順番であり、先高観が残っている。ただ、基本的に買い材料は乏しく、株価の値動きは小幅に留まるだろう。また、週末要因もあり、投資家の手控えムードは強まりそうだ。
米国でのインフレ圧力は「一時的」との見方が出ている。30 年物国債の入札も無難にこなしており、現時点ではパニック的な動きにはなっていない。いずれ物価も落ち着き、金利上昇圧力はかからない――そう見ているようだ。
市場が冷静な判断をしている限り、投資家は「強気スタンス」を変える必要はなさそうだ。足元の株価推移から「相場はあまり強くはない」ということは分かっているものの、現時点で強気姿勢を変化させる必要はない。日経平均は上方の窓までの上値余地があり、それを粛々と実行する可能性が高いからだ。「窓空け下落」など明確な弱気サインが出現してからでも、態度を変えるのは遅くはないと考えたい。
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