十字足が出現も、強気形状に変化なし
昨日の米国株式相場は下落。ダウ工業株 30 種平均は 152.58 ドル安の 34447.14、ナスダック総合指数は 13.16 ポイント安の 13911.75 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 28850 円付近での推移。したがって、本日の日経平均はもみ合いスタートを想定。前日終値近辺から始まると思われる。
日経平均の日足チャートでは昨日、短い十字足が出現。方向感の乏しい展開となっているが、基本的に強気形状に変化はない。上値の重さは否定できないものの、今度は上方の窓を目指す順番。短期的には 480 円程度の上昇余地があり、来週中にも到達することになりそうだ。
市場で買い安心感につながっているのが、米長期金利の低下である。足元、年 1.4%台となっており、国内市場でも成長株、新興株に買いが入りやすくなっている。日経平均先物の動きは鈍いものの、ハイテク株などには一定の買いが入りそうだ。
ただ、相場の流れはすでに「アフター・コロナ」である。ディフェンシブ、割安株、コロナで売られた銘柄の買い戻しが優勢であり、それが全体相場の下支え役になると思われる。外食、百貨店、鉄道、アパレルなど、国民生活に密着した銘柄ほど強い動きになりそうだ。
あと、気になるのが、政府・与党内で「9月解散説」が急浮上してきたことだ。この時期にはオリパラが終わっていることに加え、ワクチン接種もかなり進んでいるはず。解散・総選挙には打ってつけの流れになるとしている。それでも「ポスト菅」が聞こえてこない状況下、野党の躍進はあるのか――。もし、「感染オリンピック」となってしまったらどうなるのか――そこらへんを読む必要がありそうだ。足元で尾身会長と政府との乖離が鮮明となるのか、オリンピック強行が感染爆発につながらないという保証はない。「徹底したコロナ対策=自民党勝利=株高」のシナリオは考えられるが、その逆になる可能性は十分にある。チャートの動きを見ながら、機敏にトレードするようにしたい。
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