■global bridge HOLDINGS<6557>の事業概要
4. ICT事業
ICT事業は、全国の保育事業者向けに、自らの保育事業の経験を生かして2011年7月に独自開発した保育園運営管理システムのCCSや、保育・介護用品専門ネットショップCCS SHOPなど、保育施設の業務効率化を推進するためのソリューションサービスを提供している。保育士の書類作成業務など保育施設の運営に係る事務業務時間を削減し、子ども一人ひとりと関わる時間、個々の発達状況や健康状態の把握などの時間を増やすことで、保育の質の向上に貢献することを目的としている。
保育園運営管理システムのCCSには、総合業務支援システムCCS PRO、園児の午睡チェックセンサーCCS SENSOR、保育士育成のための保育ロボットVEVOなどがあり、例えばCCS PROはサブスクリプション形式(月額料金2万円前後)で提供し、保育施設運営における事務作業を簡素化・効率化※する。2020年12月期末時点で累計700ヶ所以上の施設への導入実績がある。
※60名定員の保育園1ヶ所当たりで年間2,600時間の削減を実現する。
効率化によって保育の質向上を実現し、利用者には「適切な保育」を提供する。また保育士には「働きやすさ」を提供する。経験不足の若年保育士のスキルアップを効率的に進めることができ、保育士の研修コスト削減、保育士の離職率低下、保育士の採用コスト抑制などのメリットが得られる。
さらに、直営認可保育園運営で得られた延べ6,000人分の子どもの発達データ(保育経験年数20年以上のベテラン保育士10人分の情報量に相当)700万件以上を基にして、保育の個別最適化を実現するソフトとして、子どもの睡眠中の温度を解析した発熱予測、子どもの発達記録を解析した発達予測、子どもの遊びを解析した関心予測などに活用できる。そして新たに開発した発熱予測センサーを2021年5月に、AIによる発達予測サービスを2021年9月に、AIによる業務効率化システムを2021年10月にリリース予定としている。
新規施設は開設後2~3年目から充足率上昇して収益化
5. 収益特性
保育事業の収益特性として、新規施設開設時は初期費用や採用費用など立ち上げにかかる費用が先行し、開設後数年間は高年齢クラス(3歳~5歳)が定員を満たさないため低充足率で赤字となる傾向にあるが、開設後の年数の経過とともに低年齢クラス(0歳~2歳)の児童が進級を重ねることによって充足率が上昇して売上高、売上総利益も増加する。一般的には、開設後2~3年目以降になると先行費用が一巡し、園児の充足率も上昇して収益化(黒字化)すると言われている。
また四半期別に見ると、認可保育所は4月1日オープンが原則のため、原価率と販管費比率は費用の新規施設開設に向けた支出時期の関係で、オープン前後の第1四半期(1-3月)または第2四半期(4-6月)に上昇し、第3四半期(7-9月)と第4四半期(10-12月)は低下傾向となる。
なお、各自治体からの設備補助金収入を営業外収益に計上するが、収入額の増減や計上時期のズレなどで四半期収益変動要因となることもある。
同社はここ数年、収益基盤構築に向けて直営認可保育園の新規開設数を急増させてきた(2018年12月期末12施設増加、2019年12月期13施設増加、2020年12月期17施設増加)ため、費用が先行して2020年12月期の営業損益が赤字となっている。ただし今後は開設後2~3年を経過した施設の割合が増加してくるため、順次利益の積み増しに寄与して収益が改善する見込みだ。
ドミナント戦略やEdTech戦略で競合優位性
6. リスク要因
保育・介護事業における一般的なリスク要因としては、利用者の減少、国や自治体による政策変更、関連法規制や許認可、施設における事故や感染症、保育士の確保難、競合激化などが挙げられる。
保育事業においては待機児童問題の解消が進み、今後は利用者減少によって保育園が選ばれる時代に突入すると想定されている。この問題に対して同社は、千葉県を中心とするドミナント戦略やCCSなどのICT戦略を推進して競合優位性を維持している。また、初期費用が少なく利益率の高い「AIAI PLUS」の展開を強化する方針としている。認可保育園は4月1日オープンを原則とするが、「AIAI PLUS」はオープン時期を自由に設定できるという柔軟性もある。
介護事業に関しては、今後も利用者の増加が予想されるため、M&Aも活用して積極展開する方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<NB>
4. ICT事業
ICT事業は、全国の保育事業者向けに、自らの保育事業の経験を生かして2011年7月に独自開発した保育園運営管理システムのCCSや、保育・介護用品専門ネットショップCCS SHOPなど、保育施設の業務効率化を推進するためのソリューションサービスを提供している。保育士の書類作成業務など保育施設の運営に係る事務業務時間を削減し、子ども一人ひとりと関わる時間、個々の発達状況や健康状態の把握などの時間を増やすことで、保育の質の向上に貢献することを目的としている。
保育園運営管理システムのCCSには、総合業務支援システムCCS PRO、園児の午睡チェックセンサーCCS SENSOR、保育士育成のための保育ロボットVEVOなどがあり、例えばCCS PROはサブスクリプション形式(月額料金2万円前後)で提供し、保育施設運営における事務作業を簡素化・効率化※する。2020年12月期末時点で累計700ヶ所以上の施設への導入実績がある。
※60名定員の保育園1ヶ所当たりで年間2,600時間の削減を実現する。
効率化によって保育の質向上を実現し、利用者には「適切な保育」を提供する。また保育士には「働きやすさ」を提供する。経験不足の若年保育士のスキルアップを効率的に進めることができ、保育士の研修コスト削減、保育士の離職率低下、保育士の採用コスト抑制などのメリットが得られる。
さらに、直営認可保育園運営で得られた延べ6,000人分の子どもの発達データ(保育経験年数20年以上のベテラン保育士10人分の情報量に相当)700万件以上を基にして、保育の個別最適化を実現するソフトとして、子どもの睡眠中の温度を解析した発熱予測、子どもの発達記録を解析した発達予測、子どもの遊びを解析した関心予測などに活用できる。そして新たに開発した発熱予測センサーを2021年5月に、AIによる発達予測サービスを2021年9月に、AIによる業務効率化システムを2021年10月にリリース予定としている。
新規施設は開設後2~3年目から充足率上昇して収益化
5. 収益特性
保育事業の収益特性として、新規施設開設時は初期費用や採用費用など立ち上げにかかる費用が先行し、開設後数年間は高年齢クラス(3歳~5歳)が定員を満たさないため低充足率で赤字となる傾向にあるが、開設後の年数の経過とともに低年齢クラス(0歳~2歳)の児童が進級を重ねることによって充足率が上昇して売上高、売上総利益も増加する。一般的には、開設後2~3年目以降になると先行費用が一巡し、園児の充足率も上昇して収益化(黒字化)すると言われている。
また四半期別に見ると、認可保育所は4月1日オープンが原則のため、原価率と販管費比率は費用の新規施設開設に向けた支出時期の関係で、オープン前後の第1四半期(1-3月)または第2四半期(4-6月)に上昇し、第3四半期(7-9月)と第4四半期(10-12月)は低下傾向となる。
なお、各自治体からの設備補助金収入を営業外収益に計上するが、収入額の増減や計上時期のズレなどで四半期収益変動要因となることもある。
同社はここ数年、収益基盤構築に向けて直営認可保育園の新規開設数を急増させてきた(2018年12月期末12施設増加、2019年12月期13施設増加、2020年12月期17施設増加)ため、費用が先行して2020年12月期の営業損益が赤字となっている。ただし今後は開設後2~3年を経過した施設の割合が増加してくるため、順次利益の積み増しに寄与して収益が改善する見込みだ。
ドミナント戦略やEdTech戦略で競合優位性
6. リスク要因
保育・介護事業における一般的なリスク要因としては、利用者の減少、国や自治体による政策変更、関連法規制や許認可、施設における事故や感染症、保育士の確保難、競合激化などが挙げられる。
保育事業においては待機児童問題の解消が進み、今後は利用者減少によって保育園が選ばれる時代に突入すると想定されている。この問題に対して同社は、千葉県を中心とするドミナント戦略やCCSなどのICT戦略を推進して競合優位性を維持している。また、初期費用が少なく利益率の高い「AIAI PLUS」の展開を強化する方針としている。認可保育園は4月1日オープンを原則とするが、「AIAI PLUS」はオープン時期を自由に設定できるという柔軟性もある。
介護事業に関しては、今後も利用者の増加が予想されるため、M&Aも活用して積極展開する方針としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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関連銘柄
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