■要約
藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ遊技機の中堅メーカーで、新規性のある演出の企画開発力に定評がある。ジャンルとしては、「ホラー」系を中心に、シニア向けに「時代劇」、若年層向けに「萌え」「アニメ」系に注力している。無借金経営で手元キャッシュは180億円超と潤沢にあり、財務の健全性は高い。
1. 2021年3月期業績の概要
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比7.0%増の26,927百万円、営業利益で383百万円(前期は2,054百万円の損失)と3期ぶりに増収増益に転じた。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で期の前半は市場環境が厳しく、また、パチスロ遊技機で新機種の投入がなかったものの、2020年10月に投入した「Pとある魔術の禁書目録(インデックス)」が若年層を中心に高い支持を受け、2.6万台と予想を上回るヒットとなったことや、「遊タイム」機能を搭載した新機種を積極的に市場投入したことで、パチンコ遊技機の販売台数が前期の5万台から7万台に拡大したことが増収要因となった。利益面では、研究開発費が前期比2,036百万円減少するなど、各種コストの削減に取り組んだことが増益要因となっている。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績は売上高で前期比28.5%増の34,600百万円、営業利益で同421.3%増の2,000百万円を見込む。遊技機業界ではパチンコ・パチスロ遊技機ともに旧規則機の撤去期限が2022年1月末までとなっており、これらの入れ替え需要だけでも前期の出荷台数分を上回る需要が見込めるため、コロナ禍が続いているとはいえ市場環境としては悪くない状況にある。こうしたなか、同社はパチンコ遊技機で9万台、パチスロ遊技機で5千台の販売を計画している。アニメ系機種の投入で、若年層のファン取り込みを図っていく。費用面では、新機種の開発強化により研究開発費が前期比1,823百万円増加するものの、増収効果でカバーする。期の後半に主力機種の投入を予定しているため、前期同様に業績は下期偏重型となる見通しだ。
3. 重点施策
同社は成長に向けた重点施策として、前期に引き続いて「稼働力向上」を掲げている。徹底した遊技者目線をベースに、市場ニーズの追求と斬新なアイデアを取り混ぜながら、稼働力の高い新機種を開発・投入していくことで、販売台数の増加を目指していく。2019年より開発方針を一から見直し、より遊技者目線に立った開発に取り組んだ結果、「Pとある魔術の禁書目録」のヒット機種創出につながっており、今後投入される新機種においても稼働力向上による販売台数増が期待される。また、SNSを活用したプロモーション施策により、新規ファン層の取り込みを図っていくほか、原価低減や業務効率の向上など、利益体質の強化にも取り組んでいく。
■Key Points
・2021年3月期は新機種のヒットやコスト削減効果で3期ぶりの増収増益に転じる
・2022年3月期は販売台数をさらに拡大し、営業利益で前期比5.2倍の20億円を目指す
・稼働力の高い機種を継続的に投入することで成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ遊技機の中堅メーカーで、新規性のある演出の企画開発力に定評がある。ジャンルとしては、「ホラー」系を中心に、シニア向けに「時代劇」、若年層向けに「萌え」「アニメ」系に注力している。無借金経営で手元キャッシュは180億円超と潤沢にあり、財務の健全性は高い。
1. 2021年3月期業績の概要
2021年3月期の連結業績は、売上高で前期比7.0%増の26,927百万円、営業利益で383百万円(前期は2,054百万円の損失)と3期ぶりに増収増益に転じた。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響で期の前半は市場環境が厳しく、また、パチスロ遊技機で新機種の投入がなかったものの、2020年10月に投入した「Pとある魔術の禁書目録(インデックス)」が若年層を中心に高い支持を受け、2.6万台と予想を上回るヒットとなったことや、「遊タイム」機能を搭載した新機種を積極的に市場投入したことで、パチンコ遊技機の販売台数が前期の5万台から7万台に拡大したことが増収要因となった。利益面では、研究開発費が前期比2,036百万円減少するなど、各種コストの削減に取り組んだことが増益要因となっている。
2. 2022年3月期の業績見通し
2022年3月期の業績は売上高で前期比28.5%増の34,600百万円、営業利益で同421.3%増の2,000百万円を見込む。遊技機業界ではパチンコ・パチスロ遊技機ともに旧規則機の撤去期限が2022年1月末までとなっており、これらの入れ替え需要だけでも前期の出荷台数分を上回る需要が見込めるため、コロナ禍が続いているとはいえ市場環境としては悪くない状況にある。こうしたなか、同社はパチンコ遊技機で9万台、パチスロ遊技機で5千台の販売を計画している。アニメ系機種の投入で、若年層のファン取り込みを図っていく。費用面では、新機種の開発強化により研究開発費が前期比1,823百万円増加するものの、増収効果でカバーする。期の後半に主力機種の投入を予定しているため、前期同様に業績は下期偏重型となる見通しだ。
3. 重点施策
同社は成長に向けた重点施策として、前期に引き続いて「稼働力向上」を掲げている。徹底した遊技者目線をベースに、市場ニーズの追求と斬新なアイデアを取り混ぜながら、稼働力の高い新機種を開発・投入していくことで、販売台数の増加を目指していく。2019年より開発方針を一から見直し、より遊技者目線に立った開発に取り組んだ結果、「Pとある魔術の禁書目録」のヒット機種創出につながっており、今後投入される新機種においても稼働力向上による販売台数増が期待される。また、SNSを活用したプロモーション施策により、新規ファン層の取り込みを図っていくほか、原価低減や業務効率の向上など、利益体質の強化にも取り組んでいく。
■Key Points
・2021年3月期は新機種のヒットやコスト削減効果で3期ぶりの増収増益に転じる
・2022年3月期は販売台数をさらに拡大し、営業利益で前期比5.2倍の20億円を目指す
・稼働力の高い機種を継続的に投入することで成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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