~薬局・クリニック・介護/福祉施設を繋ぎ、EHR(医療情報連携)を推進~
【ポイント】
・MAPsシリーズやAI、ビッグデータなどの新技術活用による成長投資と、完全ストック型への戦略的ビジネスモデルの転換が着実に進展している。前2020年12月期(決算期変更で9カ月決算)が概ねボトムで、今期から緩やかな回復に入っている。来期からは本格的な業績向上が期待できよう。完全ストック型課金モデル(サブスクモデル)への転換が次第に効果を発揮してこよう。
・クラウド型の新共通情報システム基盤(MAPsマップスシリーズ)は画期的で、ソフト中心で使い易く、従来のようなサポートがいらない。医科向けに続き、調剤薬局向けのシステムも全国への展開が始まっている。2021年12月期からその貢献が徐々に寄与してこよう。
・新型コロナウイルスの影響で、医療関係の投資意欲が落ち込む中、対面営業の制約もある。市場構造の変化が加速しており、クリニック、調剤薬局、介護福祉の分野において、非接触型サービスの工夫と効率化が求められ、対面型の営業からWebを活用した新しいマーケティングにシフトしている。
・フル課金型のビジネスモデルによって競争力は大幅に高まるので、調剤システムのシェアを32%から50%へ高める計画である。初期収入がなくなる分、スタート時の業績は大幅に落ち込む。しかし、3年後からは完全ストック型の課金モデルが寄与し、5年目には過去最高の業績が達成できよう。
・中期5ヵ年計画では、介護福祉向けシステムを第3の柱にすべく推進している。2件の事業・企業買収を含めて、システムを提供する施設数を業界6位の1.4万件へ、一気に増やした。医科、調剤、介護の3分野のシステム対応を連携してできる競合はいない。むしろパートナーとしての連携を求めて資本業務提携が活発化しよう。
・中期計画では経常利益51億円を目標としているが、新製品の投入の遅れやコロナ禍の影響もあり、当初より2年程度ずれ込むことになろうが、十分射程に入っている。ネットワーク化の進展と月額課金のサブスク型ストック効果による3部門の収益力向上とともに、株式市場での評価は大幅に高まってこよう。
目 次
1.特色 薬局向け処方箋処理システム(レセコン)で業界トップ
2.強み 他社に真似のできない課金システムを確立
3.開発 画期的な新システムMAPsシリーズの開発
4.中期経営計画 完全ストック型月額課金ビジネスモデルへの転換が本格化
5.当面の業績 戦略遂行による減益は想定内、ようやくターンアラウンドへ
6.企業評価 業績浮上後は会社計画を上回るストック効果を期待
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2021年6月4日) |
838円 |
時価総額 | 624億円 (74.51百万株) |
PBR | 3.43倍 |
ROE | 7.8% |
PER | 43.9倍 |
配当利回り | 1.2% |
総資産 | 23238百万円 |
純資産 | 17453百万円 |
自己資本比率 | 74.6% |
BPS | 244.1円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.3 | 11369 | 1672 | 2284 | 1420 | 22.8 | 4.62 |
2015.3 | 11257 | 1232 | 1702 | 965 | 15.0 | 5.62 |
2016.3 | 13199 | 1861 | 2446 | 1621 | 23.4 | 5.87 |
2017.3 | 13676 | 2597 | 3163 | 2116 | 30.2 | 7.75 |
2018.3 | 13953 | 3063 | 3618 | 2369 | 33.4 | 9.25 |
2019.3 | 13133 | 2622 | 3248 | 1971 | 27.9 | 9.50 |
2020.3 | 14023 | 1583 | 2179 | 1393 | 19.7 | 10.00 |
2020.12 | 9660 | 1037 | 1469 | 1062 | 15.0 | 10.00 |
2021.12(予) | 14000 | 1500 | 2000 | 1360 | 19.1 | 10.00 |
2022.12(予) | 16700 | 2700 | 3200 | 2200 | 31.0 | 10.00 |
(2021.3ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2016年4月1日、2018年3月1日、2020年1月1日に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020年12月期より決算期を変更、この期は9カ月決算。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/emsisutemuzu202106.pdf
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