~薬局・クリニック・介護/福祉施設の三位一体で、完全課金型ビジネスを推進~
【ポイント】
・今2025年12月期は、新中期3ヵ年計画の初年度であるが、営業利益は前期比-43%の25.2億円と、大幅減益からスタートする。前期に、電子処方箋システムの特需があり、その反動が出ることによる。経営の実態は良好である。
・前期は、下期に調剤薬局向け電子処方箋システムの需要が急増し、営業利益で44.6億円(前年度比+91%)と、過去最高の業績を達成した。前期で終了した中期計画の目標営業利益(34.6億円)も大幅にクリアした。
・一方、医科システムと介護/福祉システムで、顧客開拓の遅れからソフトウェアの減損処理を余儀なくされ、14.4億円の特別損失を計上した。また、医科のシステム障害が発生し、その影響は一過性ながら一部負担となった。
・2023年6月に同業のユニケソフトウェアリサーチを買収した。電子薬歴システムを手掛けるグッドサイクルシステムの子会社化も含めて、調剤システムの業界シェアは43.9%となった。業界地位は盤石である。
・新長期ビジョンと新中期3ヵ年計画では、クラウド型のシステム基盤を強化しつつ、医科システム事業と介護/福祉システム事業の黒字化を図る。その上で、3事業によるシナジーで、次なる利益成長を目指す。黒字化の目途はたつので、その実行戦略に注目したい。
・課金売上は堅調である。サブスク型の契約件数が増加していることによる。ストック型の売上は全売上の半分を再び超えてこよう。医科システムでは、OEMや代理店網の強化で、顧客獲得が進展しよう。介護/福祉システムでは、まだ追加のシステム開発が続こう。両部門の黒字化によって、3年後の2027年12月期には営業利益で40億円を目標とするが、これは十分射程内にある。
・今後3ヵ年は、配当性向100%の実行で株主還元が充実する。M&Aを含めた成長投資は借入金で対応する。150億円のデット調達は十分可能なので、この財務戦略にも注目したい。収益力の好転につれ、ROEの向上と共に株価はさらに見直されてこよう。
目次
1.特色 薬局向け処方箋処理システム(レセコン)で業界トップ
2.強み 画期的なMAPsシリーズの開発が進展
3.中期経営計画 完全ストック型月額課金ビジネスモデルが本格化
4.当面の業績 今2025年12月期は減益となるが、その後は好転へ
5.企業評価 ストック効果の拡大局面へ
企業レーティング | A |
---|---|
株価 (2025年3月5日) |
802円 |
時価総額 | 566億円 (70.51百万株) |
PBR | 2.70倍 |
ROE | 9.0% |
PER | 29.9倍 |
配当利回り | 4.4% |
総資産 | 31669百万円 |
純資産 | 20619百万円 |
自己資本比率 | 64.8% |
BPS | 297.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2017.3 | 13676 | 2597 | 3163 | 2116 | 30.2 | 7.75 |
2018.3 | 13953 | 3063 | 3618 | 2369 | 33.4 | 9.25 |
2019.3 | 13133 | 2622 | 3248 | 1971 | 27.9 | 9.50 |
2020.3 | 14023 | 1583 | 2179 | 1393 | 19.7 | 10.0 |
2020.12 | 9660 | 1037 | 1469 | 1062 | 15.0 | 10.0 |
2021.12 | 14436 | 1870 | 2607 | 1829 | 25.7 | 11.0 |
2022.12 | 16919 | 2395 | 2791 | 1893 | 26.8 | 12.0 |
2023.12 | 20355 | 2320 | 2869 | 1962 | 27.8 | 14.0 |
2024.12 | 24837 | 4464 | 5184 | 2425 | 34.5 | 35.0 |
2025.12(予) | 21700 | 2520 | 3150 | 1850 | 26.8 | 35.0 |
2026.12(予) | 22800 | 3300 | 3900 | 2500 | 36.2 | 38.0 |
(2024.12ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2016年4月1日、2018年3月1日、2020年1月1日に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020年12月期より決算期を変更、この期は9カ月決算。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/emsisutemuzu202503.pdf
関連銘柄
銘柄 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
4820
|
754.0
(04/24)
|
-28.0
(-3.58%)
|
関連銘柄の最新ニュース
-
EMシステム(4820) 譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分... 04/11 16:00
-
EMシステム(4820) EMシステムズ、MG-DXと戦略的パート... 03/31 11:00
-
EMシステム(4820) 公益財団法人財務会計基準機構への加入状況... 03/28 16:00
-
EMシステム(4820) コーポレート・ガバナンスに関する報告書 ... 03/28 15:18
-
<03月24日の5日・25日移動平均線デッドクロス銘柄> 03/25 07:30
新着ニュース
新着ニュース一覧-
今日 00:18
-
今日 00:00
-
04/24 23:24
-
04/24 23:10