先週は、週始め三角保ち合いの上放れ不発で、逆に翌日から三角保ち合いの下放れへ
先週の予測では、緊急事態宣言延長や12日から福岡県、愛知県の2県が追加されたこともあり、経済停滞懸念から29000円台でのもみあいとなるのかとしました。
しかし、日経平均のチャート(同時に柴田罫線のチャート)は、3月24日の28379円を安値とし、4月6日の30208円を高値とする三角保ち合いとなっており、この中で煮詰まって、25日移動平均線(6時点29411円)に差し掛かったところとしました。3万円を回復して高値に向かうには、まず25日移動平均線を確実に突破して、4月6日の30208円をぬく必要があるとしました。これが実現するためには、NYダウの高値更新が続く堅調な動きになることや、ナスダックが調整を終えて出直ることとしました。このシナリオだと、まだ先行きは不透明感があるため5月相場は強気にならず打診買いから入るのはよしとしました。
結果的には、週明けの5月10日(月)は、前週末のNYダウが3日連続の最高値更新となったことで、日経平均は、前場は一時△327円の29685円とザラ場では三角保ち合いを上放れする形となりましたが、後場になると上げ幅を縮小し、△160円の29518円となり、柴田罫線の三角保ち合いの中で上放れできずに終わりました。結局、柴田罫線で暗示していたかのように、前日の上放れがザラ場の形で終り、翌日の11日(火)は柴田罫線では一気に下放れとなり、▲909円の28608円と売転換となりました。【ここの文章は楽天では削除→】そこで、この日に出した個別銘柄のコメントの中に、日経平均は3月24日の28379円を終値で切ると完全に下放れとなり、28000円を切ってくる可能性が高いとコメントしました。
結果的には、3日間の急落で▲2070円の大幅下落となって、13日(木)には、27385円の安値をつけました。週末の14日(金)は、大幅下落の反動や米国の3指標の反発、アジア株の反発もあり、△636円の28084円と28000円台を回復して引けました。
日本市場の引け後の週末の米国市場は、前日に続き2日連続で3指標とも大幅続伸となりました。その背景は、4月小売売上高が予想を下回ったことで長期金利が低下し、又、前日のマスク着用のガイドラインが緩和されたのを受け、経済活動正常化期待が高まり、景気敏感株が軒並み上昇しました。NYダウは前日の△433ドル高に続いて、△360ドル高と2日連続し、3日間で▲1188ドルの下げでしたが、2日間で△794ドル戻しました。週間を通じると▲1.4%の反落ですが、S&P500は、▲1.39%と3週間ぶりの反落、ナスダックは▲2.34%と4週続落となっています。ハイテク株中心のナスダックの回復が弱いままの状況となっています。ここから先は、長期金利の方向性が注目されます。
今週は、28000円台で戻り試しても上値は限定的か
今週の日経平均の動きは、第一には米国市場の戻りがどこまで続くかによります。そのためには、10年債利回りの上昇によるインフレ懸念が気がかりとなります。先週末は小売売上高が予想を下回ったことで、10年債利回りが低下したことで株価は反発となりましたが、この利回り低下が、いつまで続くか不透明感のままです。
国内では、引き続き緊急事態宣言の月末までの延長や追加の県も出ており、これによって感染拡大の状況がどうなるのか注目となっていますが、経済活動の停滞懸念が株価の重しとなる部分もあります。一方で国内企業では、製造業を中心に3月期決算で業績改善への期待は高まっていますが、現状では株価全体への影響は限定的となりそうです。その理由は、日経平均のチャートが三角保ち合いの下放れとなって崩れてしまったことで、大きな戻りがあっても注意が必要です。
チャートの崩れには注意(柴田罫線のチャートを参照下さい)
柴田罫線では、3月24日の28379円を安値の基点とし、4月6日の30208円を高値の基点とする三角保ち合いを形成していました。これが煮詰まってきたところで5月10日(月)にザラ場では、29685円まで上昇したものの、終値では三角保ち合いを上放れできず、逆に11日(火)には、▲909円の28608円と柴田罫線では売転換と同時に三角保ち合いの下放れが確定しました。その後、13日に▲699円の27448円と3日続落し、3日間の下げ幅は2070円に達し、完全に三角保ち合いを下放れし、日足チャートでは3月5日の安値28308円を大きく下回り、5月13日(木)に27385円の安値をつけて、先週末の14日には28084円となりました。週足チャートも26週移動平均線(13日時点28391円)を割り込み「調整入り」を暗示しています。
短期(3日間)で2000円以上も急落していたため、いったん下げ止まって反発し、14日(金)には△636円の28084円で終わっています。当面の下値メドは、27000円大台の水準から200日移動平均線の位置する26300円近辺となります。
目先は28000円台でもみあうことになっても、チャートが崩れてしまったことは、相場の基調としては「戻り売り」を意味します。「戻り売り」を意味するということは、目先の上値の抵抗ポイントは、3月5日の安値28308円、その上は、一目均衡表の遅延線の雲の下限28538円(柴田罫線では5月11日に売転換となった28608円より少し下)となります。この水準をぬけずに時間が経過すると再び下値模索となります。
日経平均は、4月21日に75日移動平均線を割り込んで28419円まで下落しましたが、その後、5月10日に29685円まで戻りを見せましたが、ザラ場での高値に終わって、今回の2段下げ(三角保ち合いの下放れ)につながりました。2度目の注意信号となりますので、先行きの展開には注意が必要です。欲張らずに戻りで利益がとれる場合は確実に取っていくスタンスがよいでしょう。
17日(月)は、前週末の米国株高を受け、買い優勢で始まり、寄り付き直後に28312円まで上昇する場面もありましたが、その後は、時間外取引での米株価指数先物の軟化とともに、先物に断続的な売りが出て下げに転じ、台湾加権指数安も重しとなり下げ幅を広げ、後場、早々には27632円まで下落しました。その後、売り一巡後は下げ渋りましたが、戻りは限定的で大引けにかけて27800円近辺で推移し、▲259円の27824円となりました。
(指標)日経平均
先週の予測では、三角保ち合いが煮詰まっており、NYダウが高値更新を継続するという前提では、日経平均は25日移動平均線を突破して三角保ち合いを上放れして、4月6日の30208円を試すことを想定し、そうでなければ緊急事態宣言の延長や、愛知、福岡の追加を嫌気し、29000円台のもみあいを想定しました。
ところが、前提としたNYダウの高値更新が5月11日(火)に高値更新のあと急落となり、▲909円の28608円で売転換となりました。次いで3月24日の28379円を終値で切ったことで、完全に三角保ち合いを下放れし、13日(木)には27385円まで下げ、▲699円の27448円で引けました。週末は、前日の米国株式が大幅反発したことで、△636円の28084円と28000円台を回復して引けました。3日間で合計▲2070円の下げからの反動高でした。ここからの戻りは米長期金利の上昇への警戒感をそれを受けての米国株式の反発次第ということになります。
週末の14日(金)の米国市場では、4月小売売上高が予想を下回ったことで、長期金利が低下し、これを受けて株式は2日連続の大幅反発となっています。シカゴの日経先物は戻りを試すことになり28000円台での値固めとなりそうです。この流れが続けば、今週の日経平均は戻りを試すことになり、28000円台での値固めとなりそうです。
目先は28000円台でもみあうことになっても、チャートが崩れてしまったことは、相場の基調としては「戻り売り」を意味します。「戻り売り」を意味するということは、目先の上値の抵抗ポイントは、3月5日の安値28308円、その上は、一目均衡表の遅延線の雲の下限28538円(柴田罫線では5月11日に売転換となった28608円より少し下)となります。この水準をぬけずに時間が経過すると再び下値模索となります。
日経平均は、4月21日に75日移動平均線を割り込んで28419円まで下落しましたが、その後、5月10日に29685円まで戻りを見せましたが、ザラ場での高値に終わって、今回の2段下げ(三角保ち合いの下放れ)につながりました。2度目の注意信号となりますので、先行きの展開には注意が必要です。欲張らずに戻りで利益がとれる場合は確実に取っていくスタンスがよいでしょう。
(指標)NYダウ
先週の予測では、主要の州で、これまで設定されていた規制のほぼ全てが今月中に解除される見通しのため、景気回復期待がさらに高まりそうです。FRBは金融緩和縮小の考え方は示していないことで、株式の上昇をサポートすることになっても、一方で長期金利の上昇が警戒されることになります。
結果的に、週始めに金利先高感からNYダウが4日連続の最高値更新後、急落となり、その後は5月11日の▲473ドル、さらに12日は消費者物価指数が予想を上回り、インフレ懸念から、▲681ドルの33587ドルまで下げました。13日(木)は、△433ドル、週末14日(金)も△360ドルと2日連続の反発となりました。目先は長期金利の上昇をみながらの動きとなりそうです。
今週の予測は、先週は売られすぎとの見方も多く、景気敏感株が再び買われて株式市場に資金が流入する可能性があります。米国内のワクチンの普及は予想以上のはやさで進み、経済活動の正常化期待で上昇しそうという見方もあります。さらに今週は小売企業の決算も注目となり、オンライン販売が好調で好決算が期待されています。
(指標)ドル/円
先週の動き
先週は、ドルは強含みとなりました。4月雇用統計は市場予想を下回る内容でしたので、週始めはドル売り・円買いが優勢となり、11日に108.15円まで円が買われました。しかし、12日の4月消費者物価指数が予想を大幅に上回ったことで、インフレ懸念が高まり、長期金利が上昇して、ドルは一時109.79円まで買われました。しかし、14日は小売売上高が予想を下回ったことで、ドル売り優勢となり、109.19円まで売られましたが、米株式の上昇、原油の上昇で109.38円で引けました。
今週の見通し
FRBの緩和政策の長期化方針は堅持されており、引き続きドルに下押し圧力がかかりやすく、ドルの上げ渋りが予想されます。経済指標が市場予想を下回った場合、大規模緩和策の維持を想定したドル売り・円買いが強まる可能性もあります。
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