ボックス相場も、最終的に下放れを視野
昨日の米国株式相場は高安まちまち。ダウ工業株 30 種平均は 16.02 ドル高の 33446.26、ナスダック総合指数は 9.54 ポイント安の 13688.84 となった。また、時間外取引の日経平均先物(円建て)は 29675 円付近での推移。したがって、本日の東京株式相場はやや軟調なスタートを想定。下値を試すものと思われる。
昨日の日経平均は下方の窓を十字足で埋める動き。強い調整一巡感が漂っており、いったん下げ止まったかのように見える。同時に上下の壁に挟まれた中間地点。近くに窓も存在しておらず、値動きが止まりやすい場所に位置している。
ただ、チャートの弱気形状には変化はなく、このまま下方向に動くことは否定できない。下方のちょっと遠いところに窓が存在しており、それを目指す可能性もある。投資家は「ボックス相場」を前提にしながらも、最終的には「下放れ」を視野に入れていなければならない。
そのようななか、気になるのが、金融庁の高リスク取引の調査だ。米ヘッジファンド・アルケゴス問題で内外の金融機関が多額の損失を被っており、他にも同様の問題がないか重点的に点検するという。機関投資家やその背景にあるヘッジファンドがレバレッジを低下させる恐れがあり、それが株安につながらないか見極める必要がある。
あとは東芝(6502)の動きだろう。さすがに本日は寄り付くと思われ、そこからの値動きが注目される。買収金額2兆円から推定される水準は、ここから1割程度上。同時に、日本の安全と直結する原発を手掛ける会社だけに、そう簡単に買収できるのか――という、実現性の問題もある。どちらの力が強いのか、恐らく市場はやや懐疑的にみるのだろう。全体の投資マインドを下げる動きとなれば、株安を引き起こす要因になるかもしれない。投資家は「売りポジション」を持ちながら、全体の雰囲気を見守る局面だ。
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